このページは『TAKAの授業記録 2004年度』です |
ベターな指導方法 物体に働く2つの力(合力)を改め、
斜面上の物体に働く重力を分解する→ 授業記録に戻る
2004年7月13日、熱心な保護者から授業内容について的確な指摘を受けたので、以下に紹介する。
2004年度の実践では・・・
新学習指導要領では、合力も分力も学習する必要はない。まして、平行四辺形を作図して力の大きさを求める必要はさらさらない。しかし、目に見えない力を矢印で表わし、さらに、2つの力の合力を作図によって求めることは、物理を好きになる大きなきっかけになる。公式や数字ではなく、力が視覚的な作図によって計算できることは、科学的思考の扉の1つを確実に開ける。
さて、現実の授業には、1時間程度しか指導時間が確保できない。旧学習指導要領のように3〜4時間使えば問題は発生しないが、本年度は大幅に短縮する必要があるので、当然どこかを切り捨てなければならない。何度も考え、生徒の理解度から判断した結果、『合力』と『分力』のうち、今回は複数の答えが出てしまう『分力』を切り捨てることにした。
合力を学習しているとき、ほとんどの生徒は作図を楽しみ、学習後は目に見えない2つの力の合力を求めることができるようになった。しかし、分力を指導していないので、次のような歪みが発生した。
歪み、あるいは、間違い 本当は、斜面上の物体に働く重力から、2つの分力物体が斜面を押す力と物体が斜面を滑り落ちようとする力を求めなければならない。しかし、分力を指導していないので、重力と垂直抗力の合力として物体が斜面を滑り落ちようとする力を求める、という間違いを教えた。
<正しい指導方法>
1 斜面上にある質点から、重力の矢印を書く
2 重力から、下図のような分力を求める
(上: この手順で指導するのが正解です!)ただし、上の指導方法にも欠点がある。
重力の作用点は斜面上ではなく、物体の重心にある。→ 授業記録に戻る