このページは、『Mr. takaによる、若手教師のためのワンポイント・レッスン』です。


評価・評定規準のつくり方

1 評価・評定は、みんなで考え、みんなが納得するもの
  学校での学習成績(評価や評定)はとても気になります。それは、気にしなければならないものだ思います。なぜなら、それはみんなで決めたものであり、みんなが納得し認め合うものだからです。

 したがって、その規準づくりにあたっては、みんなで協力しなければなりません。みんなで話し合い、納得するものをつくらなければなりません。

2 「みんな」とは?
 みんなの範囲を考えてみましょう。最小の範囲からだんだん広げていくと、次のようになります。

(1)子どもたち
(2)子どもたちと先生
(3)子どもたちと先生たち(学校)
(4)子どもたちと学校と保護者
(5)子どもたちとPTA
(6)子どもたちとPTAと地域(教育委員会、公的機関を含む)
(7)子どもたちとPTAと地域と国(政府、行政機関を含む)
(8)子どもたちとPTAと地域と国と世界

3 どの範囲の「みんな」でつくれば良いのか
 理想的な形は、上記(1)で作ったものが、(8)で理解&納得&認められることです。子どもたちだけで規準作成ができたら最高です。よく考えてください。子どもたちは、未来の世界の大人たちです。

 私は理想的な評価・評定である(1)を実践したことがあります。別ページ『美術で相互評価をさせよう(2008年公開)』をご覧ください。最終責任は教科担任ある私が負うことになりますが、「子どもたちだけ行う評価・評定」の実践です。当時のわくわく感は、今でも鮮明に覚えています。

4 私が所属する名古屋市の場合は?
 名古屋市の場合、「みんな」は上記2の(6)です。すなわち、「子どもたち」と「PTA(保護者と学校職員)」と「地域(名古屋市)」です。したがって、規準作りは「名古屋市教育委員会」が行うことになります。

 理科教諭である私には、名古屋市教育委員会に作成していただいた分厚い「教育課程(中学 理科)」を持っています。それは、2021年から完全実施される学習指導要領(文科省)、国家検定に合格した教科書(名古屋市教育委員会が採択)に基づたもので、教育委員会の各教科のプロジェクトチームが作成したものです。そこには、単元・章ごとの評価規準の項目(例)が詳しく記載されています。

 これに準じて教育活動を行う限り、各学校で作成する必要はありません。むしろ、作るべきではないと思います。教育委員会を信じましょう! 私たちは仲間、チームです。信頼し、支え合いましょう。責任をとることができる立場の人は、一定数の質問やクレームは必ず出ることを理解し、それを対処するという自分の責務を全してください(お願いします)。少なくとも教職員は一丸となり、みんなで、それぞれの立場でがんばりましょう。

 一部の学校(あるいは、個人)で「規準づくり」している、という話を聞いたことがあります。教育現場の教師(個人)は多忙です。現在の「過労死ライン」を越えた残業をしている先生がいます。先生、死なないでください。自宅で食事をして風呂に入って寝てください。自分自身のための時間も確保してください。学校における貴重な時間は「規準作り」ではなく、子どもたちと触れ合うため、話を聴くため、直接指導するため、教材研究のために使ってください。みんなで教育委員会を信じましょう。私は自分のチームを信じています。

2021年4月17日公開

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