このページは、Mr. takaによる若手教師のためのワンポイント・レッスンです。

第9章 評価は不要物か

1 評価って何?

─「評価は反省である」と単純に考え、有効に使おう ─

1 評価は不要物か
 本章のタイトルにしたように、「評価」に対する教育現場からの評価は良くありません。先生は評価のために膨大な時間を使い、子どもは先生がつける評価におびえ、先生は保護者からのクレーム対応に苦慮しているからです。このように考えると評価はない方が良いように思いますが、私はあえて積極的に評価の良い面を探そうと思います。どのような逆境も乗り越え、より良い教育を目ざし、模索し続けることが現場の仕事だからです。

2 いろいろな事物の価値を決める
 「評価」の文字どおりの意味は、いろいろな事物の値を定することです。このキャベツは50円、この絵画は120万円、この猫は8万円、この仕事は時給720円、この人の年収は350万円、この子ども(の将来性)は5段階、といった具合です。さて、みなさんは何だか変だと思いませんか。キャベツと人間は同じように評価できるのでしょうか。また、それぞれの価値は誰が定めるのでしょう。なぜ、価値を決めるのでしょう。お金と数字は何を意味しているのでしょうか。

3 評価とは、自分自身が反省すること
 私は、評価について次のように考えてます。『評価は反省することであり、反省はより良いものを目ざすためにある』 つまり、評価を評価として難しく考えるのではなく、いわゆる「反省」として簡単に捉えれば良いと思います。反省はいつでもどこでも、呼吸をするように日常的に行なうものです。誰でも、一度失敗したことは、同じ失敗はくり返さないように気をつけているでしょ。それが反省、最も単純な評価です。あなたは、「自分の行動が失敗であった」と評価し、改善するための具体策を考え、さらに、その策を実践しています。

4 より良い授業は反省から生まれる
 このHPを読んでいる先生は、より良い教育のために日夜研究していらっしゃることでしょう。良い教育は良い授業から生まれることは、別ページ『授業ができば一人前』で紹介しました。そして、良い授業を目指すためには日々の反省が欠かせません。子どももあなたも授業も、生きているものは等しくとどまることを知りません。目的、目標、方法などを飽くことなく改めていきましょう。

授業を反省する主な方法
(1)授業中に、子どもの声を聴いたり、子どもの様子を観る
(2)授業後に、子どもの声を聴く
(3)授業中や授業後に、学習プリントの記録を観る
(4)自由研究の程度を観る
(5)定期テストを利用する
(6)アンケート調査をする

5 反省材料を与えてくるのは子ども
 上の(1)〜(5)を見れば分かるように、反省材料を提供してくれるのは子どもです。子どもの様子、声、ノートやプリントの記録、テスト結果などです。あなたの評価基準は子どもにあるのです。しかし、怖い先生に本当のことを教えてくれる子どもはたくさんいませんから、先生は注意深く子どもを観察し、謙虚に反省しましょう。

2008年6月23日

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