このページは、Mr. takaによる『若手教師のためのワンポイント・レッスン』です。

第9章 学校の行事

2 合唱コンクールの指導方法
 B 選曲から人選まで

1 選曲:練習内容だけでなく、最終的な順位も決まる
 本番までの練習期間がたくさんある場合は、少し難しそうに感じる曲を選びましょう。簡単な曲や流行の歌謡曲は、早く仕上がってしまうので、正しい発声や正確なリズムなど基本練習が中心となる辛い日々になるでしょう。練習を嫌がったり、一通り歌えるからといって油断すると、他のクラスとの差が広がるのを待つだけです。
 その一方、本格的な合唱曲の方は、ハーモニーや曲想の理解を深めながら歌い込んでいく喜びがあります。繰り返し歌われる伝統的な曲には、それなりの十分な理由があります。譜面通りに歌うだけで、人々を感動させるだけの普遍的な力を持っています。数ヶ月の練習期間があるなら、じっくり取り組みたいものです。
 また、曲の速さやリズムが何度も変わる曲は、それだけの技術が指揮者に要求されます。伴奏者も同様です。このように難易度の高い曲は、指揮者と伴奏者を平行して決める必要がありますが、こうした曲を子ども達が希望する場合は、すでに音楽の授業でかなりの合唱指導がなされているので、学級担任は、友達関係やその他諸々との調整に徹すれば十分です。

2 指揮者:純粋に音楽な好きな子どもに
 指揮者は、ただ目立ちたいだけでなく、本当に音楽が好きな子どもがならなければいけません。練習の労を惜しまない子どもです。できるなら、スポーツができる生徒が適しています。リズム感や全身を使った動き、呼吸が必要だからです。また、怪しい生徒1人だけ立候補した場合は、クラス全員の前で指揮をさせてみて下さい。できないようならダメです。先生の目から見て怪しくても、多くの友達が長い練習期間を通して指揮者として推すなら決定です。複数が立候補し場合は、数日間の練習期間をおいてから、全員の前でオーディションをしても良いでしょう。指揮者はクラスの顔であり、クラスの友達全員は指揮者を注目して歌います。それだけの信望と努力が必要です。

3 伴奏者:必然と情熱で決める
 一般的な曲は、伴奏者=ピアニストです。ピアノ演奏は、小さい時からの練習が必要なので、必然によって決まるでしょう。複数の立候補が出た場合は、指揮者と同じように、みんなの前で演奏させてみると良いでしょう。できないようなら、その時点で失格です。本番の演奏は、もっと緊張するし、大きな責任があるで遠慮はいりません。また、ピアノが弾ける子どもが複数いるのに、誰も立候補しない場合もあります。そのような場合は、可能性がある子ども全員に声をかけ、先生を交えて話し合いをします。そして、時間をおいてから決定するしかありません。最終的に伴奏者になった子どもは、無理をして練習をしているのですから、そのことをクラス全員に伝え、応援させる雰囲気を作ることが大切です。その雰囲気作りが先生の仕事です。

4 パートリーダー:音楽性とリーダー性
 混成四部の場合は、4人のパートリーダを決めます(やる気が高い場合は、各パート毎にリーダーとサブ・リーダーの2人)。混成三部の場合は、ソプラノ1人、アルト1人、男性2人(リーダーとサブ・リーダー)を決めます。これらのパートリーダーは、絶対に決めなければいけません。リーダーを1人だけにする場合は、歌が上手く、音楽的な内容が分かる子どもにします。良い雰囲気は、リーダーを中心に練習を重ね、だんだん歌えるようになることから生まれます。「さあ、歌うよ!」のかけ声だけでは、限界があります。

5 学級担任:立場を明確にする
 あなたの音楽的力量に応じて、その立場を明確にしましょう。中途半端な指導は、子どもを混乱させ、喧嘩の原因になるだけです。
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2008年11月1日

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