このページは、Mr. takaによる『若手教師のためのワンポイント・レッスン』です。

第9章 学校の行事

2 合唱コンクールの指導方法
 D 唱う前にやること

1 パート分けをする
 すでに音楽の授業で分けられていると思いますが、学級担任が行わなければいけない時は、各パートの音(高い音、低い音)が出るかどうかで決めます。本人の自由意志も大切ですが、声域を拡大させる練習をするほどの時間はとれないで、声域を優先させます。ただし、声の質を全く無視することはできませんので、ソプラノらしい声、アルトらしい声をしている子どもは、声が出なくても音質によって分けても構いません。すべての音符を満遍なく歌うことも大切ですが、各パートの重要なソロ部分で持てる力を十二分に発揮すれば良いのです。
 各パートごとの並び方は、機械的に背の順に決めます。中心が小さくなるようにします。もし、多少動かすことができるなら、良く歌える子どもを後ろにすると、その声を聴いて他の子どもが歌えるようになります。
 なお、指揮者、伴奏者、パートリーダーの決め方は、別ページ『選曲から人選まで』をご覧下さい。

2 ひな壇を作る
 普通教室で練習をする場合は、ロッカー、机、椅子を使って「ひな壇」を作ります。まず、机を後ろのロッカーにつけて並べ、机の前に椅子をずらりと並べます。合唱団の隊形が横3列の場合、最上段の人はロッカー、真ん中の人は机、1番下の人は椅子の上に立ちます。隣の人とぶつからないように、できるだけ幅をとらせます。練習の途中に話を聞く時は、上の人から順にロッカー、机、椅子に座ります。きちんとした休息場所を決めておくことで、練習そのものにも集中力が増します。

3 教室の前に貼る巨大な『歌詞の紙』を作る
 指揮者、伴奏者、パートリーダーを中心にして、歌詞を拡大コピーさせましょう。B紙を2〜3枚使い、手で書かせます。そして、色マジックや色画用紙で、音楽の授業中に教えてもらったポイントを書き込みます。この大きな歌詞は、練習が始まる前に、必ず黒板に貼りつけます。そして、毎日、少しずつ色マジックで書き込みます。最終的には、何も見えなくなっても構いません。本番は歌詞をみずに、指揮者をみて歌うのですから、、、

4 全員に自分の楽譜を作る
 すでに合唱の本は持っていると思いますが、わざわざ自分の楽譜を作ります。生徒だけでなく、学級担任も作ります。一手間かけることで、自分達の曲に対する愛情が沸きます。練習中はどんどん描き込み、最後は友達同士でサインを交換し合います。そして、中学の思い出の1つになるようして下さい。必要に応じて、楽譜に練習番号や小節番号を書き込み、曲の途中からでも練習できるように伴奏者や指揮者とも十分に打ち合わせするようにしておきます。

5 パートのMDを作る
 各パ−ト毎の音取りは、絶対に必要です。全ての子どもが自分のパートが歌えるようになるまでは、他のパートと合わせてはいけません。その練習のためにMDを用意します。おそらく、音楽の先生は各パート1枚ずつ用意してくれるので、担任の先生はパートリーダーに複製させ、個人に1枚持たせて宿題にさせても良いし、パート毎に練習させたりしまます。とにかく、確実に譜面通りに歌えるように、繰り返し練習させましょう。

2008年11月4日

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