このページは『Mr. takaによる、若手教師のためのワンポイント・レッスン』です。

第7.2章 子どもとは何か

1 子どもは毎日変化する

     ─自分の子どもであっても、知り尽くすことはできない─

 ヒトは「おぎゃあ」と産まれた瞬間から成長を続け、一時たりとも止まることがありません。

 私は自分の子どもを育てたことはありませんが、知人の話を集めると、生まれたばかりの赤ちゃんは、「目の中に入れても痛くない」、「この世のものとは思えないほど可愛い」ということです。その一方で、「赤ちゃんのことは良くわからない」、「宇宙人のように不思議」という話を聞きます。よくよく考えてみれば、乳飲み子を持つ親にとって大切なことは、赤ちゃんを理解することではなく、その生命を維持させることです。

 生まれたばかりの赤ちゃんは、自分と母親の区別さえできませんが、やがて、周囲の人を区別できるようになり、さらに、他人と『社会的関係』を作るようになります(参考ページ:人の発達段階)。そして、中学生になると自我が発達し、1人の人間として独立しようとします。子どもは、激流にのみの込まれた小舟のように揺れ動きながら、自分らしらを求めます。本人もわからないほど激しいので、親もその行く先を知ることはできません。他人である教師は理解できるはずもありませんが、その現場にいるの大人は教師です。しっかり見守り、誰もが公平かつ平等となるように努力しなればいけません。

 中学生が劇的に変化する原因として、友達も同じような成長期にあることが上げられます。例え、本人は変わらなくとも、周りが変われば本人も変わります。先生や友達が変われば、その子は変わります。その他に子どもに大きな影響を与えるものとして部活動、各種レッスン、学習塾がありますが、商業主義や結果主義に偏った考え方が固定すると、大人になってからもつまらない人生をになるので注意する必要があります。

 中学生に必要なのは、同じような年齢にある仲間とのふれ合いです。厳しい大人の現実社会で心豊かに生き抜くためには、何でも相談できる親友を探すことは重要です。この同年代との関わりは、協力したり共同作業をしたりするだけでなく、いろいろな競争が含まれています。とくに、自分の力とつり合ったライバルとの競争は重要で、弱肉強食の世界にあっても他人を十分に認め、尊重できる力を育てます。

 大人の中には『自分は絶対に変わらな』と勘違いしている人がいます。「本当のあなたは@@よ」などと言うのは、誰かの理想像を押し付けているに過ぎません。1人の子どもの性格や特徴を決めるのは、その子を取り巻く両親、兄弟姉妹、祖父母、親戚、近所の人々とその子どもたちです。さらに、子どもは変わらないと信じている人は、「昔はこんな風ではなかった」「前の学校では@@」などと昔のことを話します。そんな彼らの経験談は聴く価値がありません。いろいろな人生経験は、それを応用して現在の問題を解決するためにあります。

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1 自然は毎日変化する
 日本には春夏秋冬の季節があります。これと同じように、自然界はとどまることがありません。常に時間と共に変化しています。ヒトは自然界の一部、自然そのものなので変化するのは当然です。ただし、生物であるヒトは、子どもも大人も毎日成長します。高齢者の精神も毎日成長することを忘れてはいけません。

2 自然法則は発展する
 自然科学の法則は永遠不滅にように思っている人が多いようですが、人類の歴史をみると、新発見があると、古い法則は廃れていく例がたくさんあります。アリストテレスの時代の人々は『太陽は地球の周りを公転している』と考えていましたが、私たちは『事実はその逆であること』を知っています。ニュートンが確立した古典力学は、アインシュタインの一般性相対理論に含まれてしまいました。これと同じように、人類の法則は毎日発展しているのです。

3 この世に普遍なものはない
 全ては相対的にとらえるしかない、という考え方があります。

4 万物は流転する

5 肉体の死、精神の死
 死は変化しなくなった時、と定義することができます。

2007 june 17
2008 may 6加筆

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