このページは『Mr. takaによる若手教師のためのワンポイント・レッスン』です。

第2章 How to 授業

2 1時間の授業を作ろう

1 授業の目標は、誰でも達成できる
 教科の目標、1年間の目標、各単元の目標を確認したら、いよいよ1時間の授業を計画します。まず、教育委員会から出されている教育課程や指導書で目標を確認しましょう。1時間単位でみると、それぞれの目標は10分程度で達成できます。実際、教科書の説明だけですませるなら10〜20分で終わらせることも可能です。

2 目標を『山』として考える
 授業の目標を『山』として考えてみましょう。山にはいろいろな種類がありますので、次の例のように、具体的に楽しくイメージしながら考えてみましょう。
(ア) どんな山かな、高いかな、低いかな
(イ) でこぼこかな、富士山みたいに整っているかな
(ウ) 山頂からどんな景色が見えるだろう
(エ) 山登りのポイントはあるかな
(オ) 明日はどこに登ろう

3 複数の山がある場合
 1時間で授業で複数の目標がある場合は、どれか1つに狙いを絞ります。そして、その目標を頂上とする1つの山を作るようにします。その他の目標は、山頂へいたるための道、小さな丘、途中にある川や滝、雲海のように配置するのです。これで、豊かな山ができました。1時間の授業構成ができたのです。

4 一般的な授業構成
1 導 入
(1)先生による、本日の目標(山)の発表
(2)山頂までの道、登り方のポイント説明
2 展 開
(1)生徒個人の活動
(2)友達との共同活動
(3)友達との意見交換
(4)本日の山頂についてのまとめ
3 まとめ
(1)先生による、今日1時間の振り返り
(2)生徒個人による、まとめ、感想、発見、疑問、これからの課題
4 次の時間の予告
(1)次の時間の目標の紹介
(2)家庭で準備するものの説明

5 時間配分
 『導入』と『まとめ』は、ゆっくりと余裕を持たせて下さい。準備体操をしっかりすれば、山登りの気分、関心意欲が高まります。また、まとめは山を登った後の充実感を味わい、目標を達成したことを確認します。そうすると、次の山、授業へのチャレンジ意欲も高まるものです。

6 鍵になる生徒、学校のまわりの自然
 別ページ『学力差を活かす授業』で紹介したように、生徒の個性を活かしたり、地域の中から利用できるものがないか頭を巡らせて下さい。ピンときたら、授業に取り入れて下さい。山登りの準備だったり、山そのものであったり、山を登ったあとの感想だったりします。どのような形態で取り入れるかは、先生のアイデア次第です。もし、何もアイデアが浮かばないなら、もう一度、生徒をよく見て下さい。独創的なアイデアは、あなたの目の前にいる生徒から見つけ出して下さい。全ての解決策と喜びは目の前にあります。

7 山の山頂だけは決めること!
 このように書くと、taka先生は毎時間、すごい計画を立てているように思うでしょうが、実際は違います。私は、授業前に山頂(1時間の目標)はしっかり決めますが、その他は行き当たりばったりです。学習プリントも毎時間、手作りで用意しますが、授業タイトルが印刷してあるだけの『白紙』に近いことが多々あります。しかし、山頂である『授業タイトルだけ』はひと工夫します。50分授業の背骨となるよう、かなり正確に考え抜きます。そして、実際の授業では、生徒の声やつぶやきを拾い、かなりの脱線をしながら山頂へと向かいます。旅は、寄り道したり、ハプニングがあった方が面白いのです。山を登り終えてからも印象深く、たくさんの思い出とともに授業内容が定着するでしょう。このような『脱線を楽しむ旅(授業)』は数々の熟練の技を必要としますが、みなさんも生徒と一緒により豊かな授業ができるように努力して下さい。

8 note
・授業の山場を作る
・50分なら、1つの山しか登れない
・欲張ると、子ども達は混乱するので、必ず1つにする
・どうしても複数あるときは、主峰に対する位置を決める
・授業タイトルができれば、授業の90%はできたといえる
・展開部は、教科書の順番でも良い

・教師が学生時代に面白いと思ったことは、今の学生も面白いと思う。

・授業のテーマ(タイトル)は、各中学校の自然および社会環境、あるいは、授業をおこなう季節によって変える必要があります。生徒の心をつかむ面白いキャッチフレーズ、楽しいタイトルを考えてください。

2007年12月11日

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