このページは『Mr. takaによる若手教師のためのワンポイント・レッスン』です。

第2章 How to 授業

12 色チョークの使い方

─ 一般的な黒板は深緑色 ─

2007 june 5

 色盲や色弱の生徒に配慮して、白と黄のチョークしか使わない先生がいますが、基本的に、もっとカラフルに楽しい黒板にしなければなりません。先生は色彩感覚を磨き、さまざまな色チョークを使って、見やすく分かりやすい黒板にするよう研究をしなければなりません。

 色覚に関する配慮が必要な生徒は、保健の先生などから連絡を受けているはずです。個別に色弱の程度を確認したり、授業中、机間巡視などで確認することが本当の意味での配慮です。画一的な行為は配慮とはいいません。


1 白(しろ)
 基本となる色です。光学では、白は可視光線すべてを波長を反射しています。したがって、明度が最大となり、暗い黒板に対して、もっとも目立つ色(光)です。また、白はとても安定感あり、落ち着いた雰囲気を持っています。板書する内容の80〜90%は白が良いでしょう。

2 
黄(き)
 白の次に明度が高く、よく目立つ色です。しかし、白との組み合わせは変化に乏しく面白くありません。多用すると、白と黄のうち、どちらが重要なのか分からなくなります。したがって、最重要ポイントに使う場合は、文字の大きさを微妙に大きくしたり、他のよりも丁寧に書くなどの工夫が必要です。

3 
赤(あか)
 赤緑色盲の生徒には見えません。事前に、赤緑色盲の生徒は分かっているはずなので、個人的に配慮します。該当生徒にとっては空欄になりますが、生徒の様子を見ながらタイミングを合わせて書きます。1学級に数人までなら、十分に対応できると思います。このとき、他の生徒には分からないようにしますが、それぐらいの配慮ができないようでは、色チョークは使えません。また、赤緑色弱の場合は、微妙に見えます。

 また、赤は明度が黒板と近いので目立ちません。教室が暗い場合は、とくに顕著です。

 生徒が書く白いノートに対しては、赤は最も効果的な色です。心理学的にも、目に飛び込んで来ます。赤緑色盲でも、明度の幅からよくわかります(赤は暗い)。したがって、ノートを書くことが不得意な生徒集団の場合は、あえて赤を使うこともあります。

4 緑(みどり)
 明度が低く、よく見えません。しかし、表の罫線や、グラフや図の補助線として有効です。白や黄で書くと黒板が煩くなるので、控えめな色を使うのです。また、緑は黒板の深緑と同系色なので、多用しても落ち着きます。白との相性も抜群です。是非、お試し下さい。

5 青(あお)
 
同じように、明度が低くよく見えません。私は緑がない時、あるいは、緑の他にもう1色使いたい時に青を使います。また、青は静かな色なので、チョークを横にして広い面積を塗ってもうるさくありません。理科の授業では「空」「海」「水」「寒気」などを描くと良いでしょう。その他の色は、広い面積を塗ると、とてもくどい表現になります。まず、青から塗って下さい。

6 茶(ちゃ)
 あまり使いませんが、理科で「地面」を書く時に使います。その他、化学でいろいろな原子を書く時にも使います。図表の補助線として使うこともあります。意外性があるので、ワンポイントして使うこともあります。

7 複数のチョークを混ぜて色を作る
 観察やスケッチで微妙な色に着目し、色として記録表現する時に使います。化学の原子を表現する時にも使います。理論的には、色の3原色
「マゼンタ」「黄」「シアン」から全色作ることができるので、実際の黒板上で混色して下さい。簡単にはできませんが、それなりの色が作れます。効果的な混色は「マゼンタ」「黄」による「オレンジ」です。また、全ての色を混ぜると「灰色」になります。

参考比較資料:光の3原色は「赤」「緑」「青」です。それらから作られる色は「黄」「シアン」「マゼンタ」で、全てを混ぜると「白」になります。


上:実験6太陽で虹を作ろう1年(2002年)から抜粋。興味ある方は、クリックして学習して下さい。

8 蛍光オレンジ蛍光イエロー蛍光グリーン
 私が初めて使ったのは、1999年のことでした。他教科の先生に教えてもらいましたが、かなり感動しました。いずれも明度がそこそこ高いので、いろいろな色盲や色弱の人に優しいチョークです。是非とも購入し、ご利用下さい。私は大好きです。価格が若干高いのが難点ですが、表現力の高さと実用性からお勧めです。使ったことがない人は、とにかくどうぞ! 喰わず嫌いはいけません。

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(C) 2007 Fukuchi Takahiro