このページは『Mr. takaによる、若手教師のためのワンポイント・レッスン』です。

第2章 How to 授業

35 いろいろな授業形態

1 授業における先生と生徒
 先生が生徒に対して、何かを教えることを授業といいます。教える者(先生)と教えられるもの(生徒)の立場は、違います。これを曖昧にすると、授業が成り立ちません。先生は教える人であり、生徒は教えられる人です。先生が教える内容はとても広く、この宇宙すべてといえるでしょう。学習指導要領に示されているものは必要最小限のことです。これに満足しているようでは、(ごう)をけることはできません。先生は、この宇宙全てを生徒に授けようとするべきです。

2 教える時間と場所
 授業を行う時間を授業時間といいます。1単位50分です。初めの時間と、終わりの時間は必ず守るようにしましょう。時間は、金と同じようにとても重要です。また、授業を行う場所は、学校内です。しかし、校外へタンポポを探しに出かけたり、県外へ修学旅行したりすることもあります。ここで注意すべき点は、時間外に私的な場所で授業を行わないことです。あなたの善意からでも、勝手な授業行為は許されません。プライベートな無償のボランティア活動はOKですが、「教師」としての自覚は常に持ちましょう。

3 授業のいろいろな形態
(1) 一斉授業(いっせいじゅぎょう)
 1人の先生が、40人の生徒に対して教える方法です。1番よくある形態です。ただし、先生1人が生徒40人を教えることは物理的に不可能です。何らかのひずみが生じるのは、自然です。2010年4月から、中学1年生は35人までになりましたが、まだまだ適切な人数からほど遠いのが公立中学校の現状です。定数を15人まで下げれば、教育の質は劇的に改善するでしょう。少年犯罪、大人の犯罪数も激減するでしょう。
(2) 班別(グループ)学習
 学習するための班をつくり、生徒どうしで教えあう方法です。先生は、班の活動を助けします。生徒は着席したまま活動します。関連記事『理科室は自由席』もご覧ください。
(3) 自由に移動しながら学習する
 1人ひとりの生徒が、自由に移動しながら学習します。友達と教えあったり、インターネットや図書で調べたり、先生からアドバイスを受けたりします。
(4) 代表生徒が、教壇で教える
 代表生徒が先生のように教える方法です。この形態の授業を行うためには、高度な技術が先生に要求されます。詳細は、別ページ『生徒が教える授業』をご覧ください。

4 (1)一斉授業で、近くの生徒どうしが教えあう
 生徒が着席したまま、前後左右、近くの生徒と教えあう時間をとることもあります。そのタイミングは、一通り授業が終ったあと、練習問題に取り組ませたあと、などです。時間は短くしたほうが良いでしょう(5分まで)。長時間行う必要があるなら、時間を区切って、席を移動させてください。早くできた生徒、理解できた生徒から順に、できない友達を教えるために派遣する方法もよいでしょう。先生が指名してもよいでしょう。できない生徒が、できる友達を指名するもの良い方法の1つです。

5 (2)班別学習を効果的に行う方法
 班長を決めてください。学習のリーダーです。先生からの指示は、リーダーだけでも構いません。全員に同じ指示をするなら、一斉授業と同じです。グループを作った価値がありません。さらに、班長以外の役割をつくり、それぞれの役割に応じて違う活動をさせましょう。専門分野をつくり、より高度な活動をさせるのです。準備、片付けの責任者をつくることも重要です。

6 (3)自由に移動させる時のポイント
 基本は、個人で学習することです。必要に応じて、友達と集ることもありますが、いつも同じメンバーで活動しないようにさせます。班は、学習目的を達成するために作られたものです。目的が達成できたら、解散させてください。生徒1人ひとりばらばらになり、再び、新しい目的をもった班ができます。いつもの遊び友達の班がある場合は、解散しなければいけないようなテーマを先生が与えてください。先生も生徒もできないなら、この学習形態はあきらめましょう。

2011年2月9日

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