このページは『Mr. takaによる若手教師のためのワンポイント・レッスン』です。

第2章 How to 授業

20 終了時間を守ろう

─ 時間を守らない先生は信用を失います ─

1 授業のまとめより、終了時間を守ることの方が大切です
 終業のチャイムが鳴ったら、どんなに中途半端でも授業は終了して下さい。これは、子ども達が放課の終了時間を守ることと同じです。どんなに遊びが盛り上がったからといって、始業のチャイムを無視して延長することはできません。終了時間を守るのは先生であり、子どもではありません。

 一般に、時間と金を守ることは集団生活で最優先させるべきことの1つです。時間内に授業が終了できないのは先生の責任ですから、潔く終わって下さい。この時間が守れないような先生は、子どもからの信頼を失うだけでなく、世間一般の人からも信用されません。教師は『終業時間』を死守すること示してから、子どもに『始業時間』の大切さを指導しなければなりません。生活指導の基本は授業にあるのです。

 その他、先生が終了時間を守らなければならないものは、朝の会(短学活)、学年集会、全校集会、給食ランチの時間、学級活動、帰りの会などです。もし、だらだらと「朝の会」や「帰りの会」を行なっているようなら、直ちに改善して下さい。また、学年集会の自分の持ち時間を過ぎて話をすることもいけません。他の先生の時間(金)を奪っているのですから、、、。失われたその時間は、2度と戻ってきません。金よりも大切にして下さい。

2 授業の終わりをゆとりを持って
 終業時間を守るために、授業の終わにゆとりを持たせて下さい。1時間の授業のまとめはとても重要なので、最低5分は確保しましょう。私の基本的パターンは、チャイムの数分前に、教師からの一斉授業を完全に終了します。その後は、生徒個人の『まとめの時間』とし、1時間授業の感想、子ども個人による教科書や資料集のまとめ、授業でわからなかったことや疑問のまとめ、自分だけの発見などを書かせます。そして、終業のチャイムと同時に挨拶をして解散です。
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 心のゆとりは時間から生まれます。チャイムと同時に授業が終了することが理想だと思っている先生もいますが、それは自己満足の1つに過ぎません。授業は、先生のためのものではなく、子どもが学習するための時間です。最後にゆとりを持たせて下さい。

 理科の授業で実験が長引くことが予想される場合は、子どもが放課を自主的に利用できる準備をしてから、時間内に授業を終了させます。つまり、終業10分前に実験が終了しないことを予告し、5分前に片づけの手順を全て説明します。もちろん、次の授業に影響が出ることは許されません。体育や美術など準備が必要な場合は、子どもにその時間も計算させます。すぐに終了したい生徒は、完全に自分の判断で放課を使えるようします。

3 授業の開始時間を守ろう
 終了時間が守れるようになったら、始業時間も守るようにしましょう。ここで大切なのは『時間を守る意識』なので、私は、生徒がチャイム前に着席していなくても良いと思います。なにしろ、私自身『授業は、終了チャイムが鳴っている間はぎりぎりセーフで行なっても良い』としているからです。自分ができないことを、子どもに押し付けることはできません。

 遊びに夢中になっている生徒はチャイムが鳴ってから席に着きますが、それで十分だと思います。私は、連続して普通教室で授業を行なう場合、放課は教室内で子どもと遊びます。無駄話をしたり、ふざけあったりします。そして、チャイムが鳴ったら教卓の前へ移動します。この間、時計は見ません。チャイムが鳴り終わるまでに挨拶を終え、授業を開始します。

 理科室から普通教室へ移動する時、私は遅刻することがあります。これは許されないことです。いかなる理由があっても生徒の授業時間は確保しなければなりません。実験中に怪我をした生徒がいても、関係の先生へ完全に引き継いでから授業を行なわなければなりません。どうしてもできないから、他の先生に理科の授業の代理をお願いしなければなりません。個人的理由により、授業を待っている子ども達を放置することはできないのです。

4 チャイムが鳴らない学校
 私は経験したことがありませんが、是非、このような学校にしたいと考えています。あなたの日常生活を思い出して下さい。チャイムが鳴るのは目覚まし時計ぐらいでしょ。私は目覚まし時計を使いませんが、土日も寝過ごすことはありません。私は、チャイムに支配された生活を教える必要はないと思います。

 どうしても鳴らしたいなら、子どもの通知表に『遅刻』の記録をするために、朝の学校始業チャイムをセットしましょう。もちろん、その前に、先生の勤務記録に『残業』を記録すため、先生が子どもの時間を奪ったことを記録するために、学校終業のチャイムをセットしなければ本末転倒です。

 また、私の経験では、チャイムを重視する先生は、終業時間を守らない、言い訳が得意、学校以外でのプレパラートな時間に遅刻する、残業が多い(理由はともかく)、生活指導の基本は『生徒のチャイム着席』にあると信じている、などの特徴を持っていました。

2008年3月9日

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