このページは『Mr. takaによる、若手教師のためのワンポイント・レッスン』です。

第2章 How to 授業

32 「良い質問ですね」とほめ、考えさせる

1 良い質問とは
 良い質問とは、教科書に答えがない質問です。さらに優れた質問は、世界中の誰もが知らない問題を指摘することです。その答えは人類にとって未知のものであり、その追求は最高にわくわくする活動です。これは研究といわれるものですが、中学生でも高度な研究者レベルの質問を考え出すことが可能です。幼稚園の子どもの純粋な質問は、たくさんの大人を驚かせるものです。中学校の先生は、幼児より大きな夢を感じる質問が出るような授業をしましょう。

2 1850年の二酸化炭素濃度は、どのようにして測定したか?
 昨日、3年生理科の授業で、『環境』に関する学習をしました。その1つに、最近、二酸化炭素濃度が急激に増加し、それが地球の温暖化の原因になっている可能性があることを教えました。私は、名古屋市の中心地『栄(さかえ)』に、二酸化炭素濃度を示す巨大な電光掲示板があることを紹介しました。たまたま2日前に私がこの掲示板の前を歩いた時、その値は410ppm(0.041%)でした。教科書には、1850年から2000年までの二酸化炭素濃度のグラフがありましたが、150年前(1850年)はどうやって測定したのでしょう。それが、生徒のからの質問です。

3 その質問を考えを、みんなで考える
 私は、生徒からの質問に答えられなかったので、「良い質問ですね」とほめました。そして、「先生は答えを知らないいので、誰か教えてくれませんか」と考えを募りました。すると、「昔の空気を現代まで保管しておいたのでは?」という考えが寄せられました。その他のアイデアも募集しましたが、特になかったので、私は「空気を保管することについては、南極の氷ができる時に、その当時の空気が閉じ込められる可能性がある。もし、それが利用できるとすると、もっと古い何千年、何万年前の空気についても調べることができる」として、この質問に対する『まとめ』としました。本当のことは分かりませんが、できる範囲で考えることは、とても楽しいことです。本当のことを知っている人はメールで教えてください。生徒と私は、とりあえず満足しています。

4 自由研究の課題にする
 授業中に解決できない質問は、自由研究のテーマになります。研究の動機は、『授業中、誰も知らなかったから』です。やる気いっぱいの状態で、研究をスタートできます。別ページ『自由研究のテーマは授業から』もご覧ください。

2011年2月11日

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