このページは『Mr. takaによる、若手教師のためのワンポイント・レッスン』です。

第6.2章 アドバイス、説教と懲戒

4 別室での指導

1 相談室、談話室、生徒指導室を区別しよう
 学校には、普通教室の他にたくさんの種類の部屋があります。理科室や美術室など各教科の教室、職員室、保健室、図書室、生徒会室、談話室、相談室、生徒指導室などがあります。それぞれの部屋はいろいろな目的で使用できますが、本来の目的のために使うように努力してください。とくに、談話室と相談室と生徒指導室の区別は重要です。実際に大事件が発生した時は、すべての部屋がふさがりますが、普段は『談話』と『相談』と『指導』の違いを意識し、使い分けてください。先生ができるようになると、生徒もできるようになります。

2 『談話室』を必要とする生徒
 談話は『ある程度まとまった話』なので、談話室では『ゆっりとした会話』を楽しんでください。しかし、よく考えると『談話』はいつでもどこでもできる性格をもっているので、特別な『談話室』を使わなければ生徒は、何らかの問題を抱えています。このような生徒との会話は、普通教員が対処できない問題が多いので、談話室は専門のスタッフが利用する部屋になります。リラックスした開放的な雰囲気に満ちた空間になります。

3 『相談室』では話を聞くことに徹する
 相談室は静かに相談するところです。大声で怒鳴りあったり、机を蹴飛ばしたり、大勢で取り囲んだりする場所ではありません。1対1(あるいは、できるだけ少人数)で、静かに落ち着いて相談する場所です。相談される側の先生は、できるだけ立場を低くして生徒の相談を聞いてください。先生が解決策を示すことは、基本的に必要ありません。聞いている時間は大変長く、9:1の割り合いになります。これは大変な忍耐を要します。生徒は、話をする中で物事が整理されていき、問題の大半が解決していくものです。普通教室で行う『教育相談』も同じです。
→ 関連ページ『重くて深い相談をされた時

4 『生徒指導室』では落ち着いて
 生徒指導室は、意図的に問題を起こした生徒を指導するところです。とくに、他人に迷惑をかけた場合、時間をかけなければ行動や意識が変わらない場合に使う部屋です。この部屋を利用するときの精神状態は、談話や相談とはまったく違います。生徒も先生も興奮している場合が多いので、まず初めに心掛けることは、興奮を沈め、落ち着くことです。わめき叫んだり、泣きじゃくたりしているときは、何をしても無駄です。むしろ、逆効果になることが多いので、落ち着くことを第1目標としましょう。暴れている場合も同様です。この続きは別ページ『生徒指導室で何をするか』をどうぞ!

5 別室は、特別なことをする部屋
 最後に、別室の意味を再確認しておきましょう。別室は特別なことをする部屋です。したがって、特別室がいつも満室になった時、学校は崩壊に近づいています。普通の場所や教室で、普通の学校生活や教育活動ができるようにがんばりましょう! 普通のことをいつものようにできることが、1番凄いことです。

2010年10月12日

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