このページは『Mr. takaによる若手教師のためのワンポイント・レッスン』です。

第1章 学校とは何か

7 学校崩壊、家庭崩壊

1 学校崩壊とは何か
 崩壊した学校では、正常な授業ができません。生徒が始業時間になっても教室へ入らず、教室にいても立ち歩き、勝手な言動を繰り返します。それを指導する教員、まじめに授業を受けようとする同級生に対して暴言を吐いたり暴力がふるったりします。つまり、憲法や刑法に触れるような違法行為が行う生徒がいる学校をさします。したがって、「自分の学校にも立ち歩く生徒がいるけれど、何とかぎりぎり授業はできている」と考えるのは、甘い考えです。授業は、決めれたら時間から時間まで行われる業です。時間が守れないのは、時間崩壊です。飛行機で名古屋からニューヨークまで飛ぶ場合、乗客が搭乗アナウンスを無視してロビーで遊んでいたり、搭乗しても機内で立ち歩いたりしているようなものです。最終的に飛び立つことができるかも知れませんが、その運行は崩壊しています。やがて、飛行場の利用も禁止されるでしょう。

2 学校が崩壊する原因
 学校の先生は、一生懸命がんばっていることがほとんどです。崩壊させようとしている先生はいません。なのに崩壊してしまうのは、何故でしょう。1つは個々の教員の教育技術の不足ですが、それより大きな原因もたくさんあります。例えば、教員どうしの仲が悪い、考え方の違う教員を統率できる人物が職場にいない。あるいは、頑張れば何でもできると思っている、自分の学級の子どもは自分で何とかしなければいけないと勘違いしている先生が多い、などです。このような職場、教員がたくさんいる職場は、崩壊の危機に直面しています。学校崩壊の原因は、家庭崩壊と同じように生徒(子ども)ではなく職員(大人)にあります。
→関連ページ『自信がない先生達』

3 家庭崩壊とは何か
 学校崩壊とは、子どもが無断で何日も外泊したり、家庭内で暴力をふるったりすることです。その前段階として、親の言い付けを守らなくなったり、家庭内の約束を破ったりします。しかし、家庭崩壊している家庭をよく観察すると、子どもの親や保護者を取り巻く人間関係が崩壊していることがわかります。なぜなら、全ての子どもは、親に対して無意識の愛情を持っています。その証拠に、親が子どもに対して不当な暴力を使い続けても、幼い子どもはそれを自分の心の中で正当化しようとします。この心の歪みが極限に達した時、子どもは親から離れます。それは完全なる末期です。
→参考図書『』

4 家庭が崩壊する原因
 家庭が崩壊する原因は、子どもと一緒に過ごす時間の不足です。どんなに深い愛情をかけても関係ありません。時間が必要です。お小遣いをたくさんあげてもダメです。一緒に食事をしたり、一緒に遊んだり、一緒に話をしたり、一緒に寝たりする時間が必要です。人間が生きていくために必要な時間を、一緒に過ごすことです。そして、子どもを抱きしめることです。子どもを抱きしめれば、親は子どもに対して愛情を感じます。親が感じることが重要です。親が感じた愛は、子どもに伝染します。このようして、子どもは正しい愛を学びます。正しい愛を教育できるのは、その子どもの親だけです。親が子どもに愛を感じることが始まりです。どうしてもない時間がとれない親は、より深くお互いの目を見つめあいながら抱き合ってください。それができる人は、あなたしかいません。
→関連ページ『
セクハラ先生と呼ばれても』、『私には分からない子どもの人生

5 子どもは大人の犠牲者
 
学校崩壊の原因は、家庭崩壊と同じように生徒(子ども)ではなく職員(大人)にあります。場所は変わっても、子どもは大人の犠牲者です。子どもが大変な悪事を働いているように見えるのは、ばらばらに分解した大人を観察し、それぞれの一番甘い部分を吸い取っているからです。甘いものがあればそれを吸うのは当然です。まして、自分の価値観がない子どもにとっては当然です。

6 解決へ向けて
 大人どうしの人間関係を再構築すること、それが解決への第1歩です。現実を客観的に見ること、話し合うこと、お互いの立場を理解しあうこと、お互いに譲り合うことです。学校と家庭の関係が崩壊している場合も同じです。お互いに「相手が悪い」と罵りあっているようでは、絶対に解決しません。相手が一方的に悪いように見えても、話し合うこと、譲り合うことを忘れてはいけません。子どもは、大人の様子を見ています。そして、それを真似ます。大人が団結し、明確な目標を示しましょう。努力目標ができれば、子どもは我慢して努力します。

2010年12月16日

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