このページは、旅行記インドネシア2000夏です

  私の日記
          

  7月31日               
  ◎ タナトラジャ5日目 ==============
  終日: 
葬式見学3<サクリファイス> ババ村
                      
ランテパオ泊
  ==========================

  5時30分起床。
  今日は1人で「お葬式」に行く。場所は一昨日と同じところ。
  ベモ(乗合いタクシー)があればいいけど、無ければチャータ
  ーする。

      ビスケットを食べ、
      水を飲み、
      糞をして出発。

    6時。
    ベモはいない。
    車をチャーターする。(5万ルピー→ 4万ルピー)

    6時30分。
    Salu(サル)の先にあるBaba(ババ)に着いた。
    着いたといっても、ここから30分近く登る。

      7時前。
      やったあ、着いた!
      ヤッパ1人で来るのは気分が良い。
      中央広場を覗いたけど、まだ始まっていない。
      OK。

  その足で、先日ご馳走になった場所に行った。そしたら、ゴザ
  を広げてコーヒーを出してくれた。そのおばさんは、きっと1
  番偉い婦人に違いない
(後から分かったことだが、彼の息子は
  日本との交換流学生である)。

  9時。

  なんと、ソラが来た。3人のスロベニア人(学生)を連れて!
  
OH! MY  GOD!
  でも、今日は主従(ガイド)関係ではなく友達である。そう
  そう、その前にバッファロー・ファイティング(水牛の闘い
  があるというので、3杯目のコーヒーをそのままにして飛ん
  で行った。が、たいした事はなかった。
  

  (上: 特設広場で無理やり闘わせられる水牛達。)

  
  (上:それを現物する人々。勿論、私もその1人。)
    早朝は冷えるので、腰に巻く「サロン」を肩から
    かけている人が多い。

  
  (上:地面は、前日の雨でぬかるんでいる。また、人々が
     小高い場所にいるのは水牛が暴走するからで、私は
     竹薮の陰から撮影している。)

  ===

  9時。そう、この時間にサクリファイス(生贄の儀式)が始
  まった。白黒の一番高価なもの、次に1番大きなものを殺っ
  た。喉のところを上にあげて、ナイフで一撃。ザックリと喉
  に大きな口が開いて、ドッと血が噴き出す。ある牛はそのま
  ま立ち続け、ある牛は首を目一杯に持ち上げて倒れる。倒れ
  てじっと死を待つものもいるが、ほとんどは4本の脚でもう
  1度立とうと試みる。そして、あるものは立ち上がるけれど
  も、自分の状況が分からないまま再び倒れる。また、あるも
  のは激痛のため暴れ回わり、その度に観衆から悲鳴に似た歓
  声があがる。


 (上左: ナイフ直撃の瞬間)
 (上右: その2秒後、ゆっくりと首を持ち上げはじめた。なぜかは
    、、、分からない。恐ろしいまでにゆっくりした時間だった。)

 (上: 、、、 、、、 、、、 )

  

 (上:葬式会場の全景。)
    正面(棺のあるところ)から客席を撮影した。
    ※ 朝、私が立ち寄った(招待された)ところは、
    一番左上の建物である。ここでコーヒーをご馳走
    なり、昼食も頂いた。

 (下の4枚: 4番目の生贄。、、、 、、、 ふぅ、、、、、、、、、)

  

  どれが、良いのか悪いのかではなくて、様々な死に際がある
  という事だ。こうして、ある程度の数(7、8頭)が死んだ
  が、それから引き連れられてくるものは、その死体に近づこ
  うとしない。土に染み込んだおびただしい血の匂いを感じる
  からだろうか。あるいは、どす黒い血の海に脚を滑らしてい
  るだけなのか。

  しかし、いくら尻込みするものの、死ぬ運命からは逃れられ
  ない。人間達の非常にゆっくりした、実に巧妙な、誤魔化し
  (手で目を覆ったり、小さい牛を先に歩かせたり、尻を叩い
  たり、尾をねじったり)によって、また1頭、その片脚が死
  の棒に縛りつけられた。

  喉をのけぞらさせられる。が、ある牛はそこでも抵抗する。
  死に物狂いで暴れ回り、ロープが自らの脚にからまり倒れる。
  血にまみれの泥に叩き付けられても、正気を失った牛はどど
  まることはない。この狂気の時間だけ、彼の生が伸びるわけ
  だ。ああ、何とも悲しみに満ちた時間であることか!

 

  そう、20頭の牛が殺された。(生贄として、、、)これで
  1人の死者が天国に向かい、そこに集まった人々は大量のご
  馳走にありつけるわけだが、水牛はと言えば、一瞬にして

  人間の「生
せいを全うする」と比較した場合)命を絶たれる。
  これは考えようによっては『幸せ』と言えるかもしれない。
  なぜなら、「自然の中で生き、大切に育てられ、育ててもら
  った者に殺される。それも一撃で。」そんな最期なら私も受
  け入れることができる・・・
  
否。
  できるわけがない。他人の幸せのために死ぬなんて有りえな
  い。それは人間のエゴだ。その考えは、自然界において一瞬
  にして消滅する。妄想にもほどがある。このトラジャの儀式
  は、食物連鎖(人間が牛より高い地位にある)の上下関係。
  だた、それだけの単純な図式にすぎない。

  それから、間違えてはいけない。私達部外者から見て、いく
  ら凄惨を極めようとも、それを受け入れなければならない。
  牛も人も、そうして生きて来たのだ。何百年も何百年もなん
  で、部外者がとやかく言えようか!そのような者は立ち去れ。

  13.00 昼食が来た。ローストビーフだけど、(背中の肉、
  あるいは、豚?)真っ黒でまずい。でも、腹減ったから一気
  に喰った。
  

  (上:豚を殺った)
   
 (下2枚:客席から「中央広場」と「棺の置かれた建物」を写す)
  

 (下4枚:解体現場)
  1 下に「葉っぱ」をひく
  2 尻尾を切り落とす
  3 に切り込みを入れる(上段左の写真)
  4 そこから皮を剥ぐ
  5 足首に切り込みを入れる→ 剥ぐ
  6 全身の皮を剥いでいく(上段右の写真)
  7 うしろ脚を切り落とす
  8 まえ脚を切り落とす
  9 内臓を取り出す
 10 胸骨を割る(写真中段)
 11 肺などを取り出す
 12 全ての肉、内臓を小さく切り分ける
   (捨てるものは一切無い)

  

 

 

  14.30 くったらすぐに出発。

  スロベキアの3人組も一緒に行きたそうだったけど、
  1人で出発。目的地はSangalla(サンガラ)。Makale
  (マカレ)で乗り換える。ここは、後から調べたら近く
  に温泉があったので、初めから狙えばよかった。失敗。

  17.00 Makale→ Rantepao(ランテパオ、私の宿)
      コーヒーを飲んで
      シャワー

  18.10 ソラが来て、妻がいることが発覚。すごい面白い。
  彼は不倫をしている。日本でもよくあることだけど、やっ
  ぱりねという感じ。相手は彼より1つ年上で、28歳。ホ
  テルの従業員だから、いい給料をもらっている。また、ソ
  ラの本妻はPalopo(パロポ)村の北20kmで、彼の両親
  と住んでいる。21歳。1女の母。2年前に結婚した。そ
  れから、これまた世界共通なのだろうか、彼女は本妻を知
  っている。

  19.00 ソラとワルーン(安い食堂)に来た。ビールとギ
  ネス(ビール)を持ち込んで(各8000ルピー、100円)。
  彼と食事をしても特に話をすることは無いから、明日は1
  人で食事をしようと思っている。

  20.30 消灯

    ソラは今ごろ、彼女と話をしていることだろう

続きをどうぞ!

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