このページは、旅行記『中央アジア2001夏/taka』です

羊の解体
アデレット邸にて
2001年8月21日

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「羊の解体をしているか早くおいで!」と言われて外庭に出ると
4つ脚を縛られた羊、首元に置かれた『たらい』、刃渡り15cm
のナイフが私の目に飛び込んできた。

「ちょっと待って!」
ビデオの電源を入れた。


サマットは、たらいを持ち上げ血がこぼれないようにした。
羊は無言のままだったが、完全に切断された気道は
ぶごっふ、ぶっほぉっ
と音を立てた。



解体師の手際は美しく、羊の顔を握る手に愛情を感じた。
私は自分でも驚くくらい冷静にビデオのスクリーンを見た。
大量の血はあっと言う間にゼリー状に固まった。

それから、皮を剥ぎ、



あばらを開き、

消化器官、呼吸器官を取り出し

心臓と肺を取り出し、

あばら骨を1本ずつ外し、

肛門を外し、

臀部の脂肪を取り、

脚の肉をとり、

最後に背骨と首の肉を取り出した。

解体師は何もかも知っていて、細かな脂肪の位置や
切断しなければならない筋肉、不要な部分、ナイフをた
てるところ・寝かすところ、素手で力一杯ひっぱるところ、
その順序は完璧で血液も無駄な部分も出ない。

こんなに美しい作業を見たのは初めてで、
1時間釘付けになった。

可哀想とも気持ち悪いとも思わない
プロの心技に感心するばかりだった。

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