このページは旅行記『パキスタン』PAKISTAN DEC.2003- JAN.2004 です

ジョーリアン
2004年1月1日(木)

 「ここから、歩いていけば良い。」

 笑顔でピックアップの乗客が教えてくれた。なるほど、立派な標識が『ジョーリアン』を指差している。予定では、幹線道路から山を登るはずだったのに・・・

 言われるままに歩くこと20分。
 土産物売りが私の行く手をさえぎった。

 大型観光バスが何台も停まれる広い駐車場には、自家用車が1台だけだった。「リッチな観光客が来れば、しつこい物売りから開放されるのに・・・」と願っていたら、先ほど博物館で一緒になった中国人観光客が、貸しきりタクシーで到着した。ラッキー。私は、綺麗に整備された階段を一気に駆け上がった。

 息を切らして到着した入り口で、博物館で購入した入場券を見せたが、再度、拝観券を購入する必要があるらしい。屋外の遺跡巡り共通チケットを200ルピーで購入。ちょっと高いような気もするけれど、1日散策できるから悪くない。それより、ここは世界遺産に登録されているから、もっと修復状態が良くなければいけないような気もするけれど、、、毎年1億円ぐらいの基金が支払われるという噂を聞いたけれど・・・政府高官の手に渡ると消えてしまうのは、何処の国でも同じか。合法的な手段であっても庶民にとっては変わりない。


(上:この遺跡で、もっとも保存状態がよい仏像。人為的破壊から逃れらた。)

 先程チケットを購入した入り口では、数人の男がチャイをすすりながら歓談していた。その中の1人が、大小10本ぐらい束ねた鍵をじゃらじゃらさせながら私の後についてきた。ガイドだという。顔写真付きの身分証明書が胸についていた。

 鍵束を使わないと入れないポイントがたくさんありそうなので、説明してもらうことにした。彼は綺麗な発音だったので、とても満足した。彼も、私の熱心な質問を喜んでくれたようチップは規定通りの30ルピーを支払った。写真もたくさんとったし満足だ。

 メインストゥーパの周りには小さなストゥーパや仏像が安置されているが、いつの時代のことか説明を忘れてしまったが、ある民族によって破壊されてしまった。最近は、美術品としての価値が出てきたので盗難も頻発するようになった。いずれにしても、本気で信仰する人々が現地にいなければ、こうした運命を辿るのは自然の摂理だ。これだけ残っているだけでも、満足しなければならない。

 1つひとつ鍵で開けながら仏像を見せてもらったが、保存状態が良くないので、知識と信仰の薄い私にはピンと来なかった。2000年〜1500年前に、平和を願う人々がここに集まっていていたことは間違いない。


 (上:当時の僧侶は小さな部屋で寝泊まりし、修行していた)


  (上:中央にはモノストリー(集会所)があった)

 遺跡内部の見学を終えると、その周辺の山々を歩いた。当時は、ジョーリアンに続く石畳があったり、小さな石仏が点在していたと想像できるが、崩壊したり盗難に遭い、今は爽やかな高原の風が吹くだけ。


(上:おじさんは高原に似合わない・・・)

 ヒゲぐらい剃っておかないとダメだね。ここは清らかな平和な大地だから、もっとシンプルで清潔感あふれる身だしなみが必要です。


 (上:ピックアップバスでもらった『砂糖』をかじる)

 一通り見学したら腹が減ってきた。リュックの中にはガイドブックがあるだけで、食料も水もない。有名観光地だから、と高を括って歩いている。  

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