このページは旅行記『パキスタン』PAKISTAN DEC.2003- JAN.2004 です |
モラモラドゥー
2004年1月1日(木)運河沿いから見る斜面には淡色の1年草が広がり、地面のところどころから崩れかけたレンガが顔を出す。太陽と雲は仲良く地上を照らし、斜面に当った風が下から上へ通り抜ける。
散歩を楽しむ好条件はすべて揃っているが、私には目的地がある。ガンダーラの仏教遺跡『モラモラデゥー』。そこは小高い山の斜面に貼りついているはずだが、私は一体何処にいるのか。ちょうど見通しが効かない小山の連続に焦りの色が出て来た。
珍しく、赤子を背負った女性を見つけた。私の方が、彼女より一瞬早く見つけた。パキスタンでは女と出会うだけでも稀なのに、普段着で歩いているのは非常に新鮮だ。・・・これは私の感想だけれど、彼女の立場からすれば、突然、異国の男性に出会い心臓が飛び出るほど驚いただろう。
「モラモラデゥーは何処ですか?」
彼女は私の質問に応えることなく、振り返り振り返り通り過ぎた。
しばらく歩くと、高さ2メートルほどの石に白いペンキで『モラモラデゥー』を書いてあるのを見つけた。
白いペンキに塗られた石が遺跡へと続いている。がらんとした、観光客が訪れそうにない印象の遺跡だった。近づいていみると、いくつかの鍵が掛けれていた。門番はいない。入場するには、共通券の他にチップが必要だし、一旦入場するとゆっくり見れないので、まずは、遺跡の外をぐるりと歩くことにした。
先ほどの『ジョーリアン』と同じようなつくりだ。僧坊の中心に学校がある。みんなで集まって平和について話し合い勉強することはとても素晴らしいことだ。
ひと回りする前に、門番に見つかった。
独り静かに瞑想に耽っていたが、外壁によじ登っていたのが敗因だと思う。
正門にまわり、鍵を開けてもらった。
(上:5つの傘があるストゥーパ)
(上:損傷の激しい仏像)
この遺跡では15ルピーしか払わなかった。せこい感じもしたけれど、説明がほとんどなかったから、こんなものだと思う。適正料金で観光したい。
次の目的地は、シュリカップ遺跡。公共交通機関と徒歩で移動する。
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