このページは旅行記『パキスタン』PAKISTAN DEC.2003- JAN.2004 です |
ここが有名なブトカラ遺跡。先程のNO.3と違って入場料が必要だ。
私はNO.1までの道のりをのんびり歩いた。
小高い山の斜面を降り、平たんな畑が広がる道をてくてく。「どこの国の人ですか?」「何処に行くのですか?」ラホールの大学で英語を学んでいる学生と会話しながら、かつてガンダーラ仏教の中心地の1つだったミンゴラを歩く。住民は仏教からイスラム教に改宗したけれど、平和を愛する気持ちは全く変わらない。いつの時代だって、庶民は平和を愛している。
「えーっ、何もないじゃん。」入場料がもったいないから、遺跡の外をぐるっと回って帰ろうかしら、とせこい考えを頭をもたげた。遺跡の中央部にはレンガを積み上げた建造物があるけれど・・・とりあえず、門番と話をして・・・そのまま帰ることも覚悟したが、門番だと思った男は学芸員のように博学なので、彼に案内してもらうことになった。
内部を歩くと、悪くない。金を払っただけのことはある。(遺跡に興味がある人の話) 石畳はしっかりしているし、青色の宝石『』も埋まっている。損傷は激しいが、当時の彫刻もいくつか残っている。
改修工事を繰り返し、新しいストゥーパを追加するので激しく混乱している。けれど、それが味わいだったりして。
アレキサンダー大王の趣味によって、ギリシャの様式が持ち込まれた。
遺跡に200ルピーの大枚を払うのは気持ち良い。観光客はもっとたくさん金を払って、その保存に協力すべきだ。ここの管理人は、きちんと200ルピーの切符を渡すので、彼のポケットに入り込んでしまうことはないし、説明もきちんとしてくれた。そうそう、石も私にくれた。これを日本に持ち帰るのはちょっと気が引けるが、ばらばらに砕かれた小石を、そのままどうすることもできないのだから、私が大切に保管する方が石にとっても幸せかも知れない。否、この地の泥に化してしまうほうが幸せなのか、私には分からない。
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