このページは日本旅行記『東北地方』2003年7〜8月です。

  私の日記


  8月22日(金)
                        曇りみたいな晴れ
  ==◎本日の日程: 佐渡4日目=============
  ・ 相川郷土博物館
  13.30佐渡『赤泊』(佐渡汽船)→ 15.30新潟県『寺泊』
  ・ 新潟県立近代美術館(長岡市)
  ・ ゆーパーク薬師(小出町)
                       小出町の山中にて泊
  ==============================

    佐渡ヶ島のとある海岸

  深夜3時、暑くて目がさめる。そこまでは、さっきまでのくり返しだけど、3センチも
  開けていない窓の隙間から入ってきた1匹の蚊は許せない。車の後ろポケットにあるは
  ずのスプレーを探り、一撃しよう攻撃体制を整えたら体内にアドレナリンが充満して、
  さらに暑くなる。両目は、暗闇で鼠を捕らえようとする猫のように輝いていたと思う。
  しかし、実際のところ、近眼の私に見えるものはなく、アドレナリンと一緒に大量の殺
  虫スプレーを噴出するしか方法はない。無臭スプレーは私自身をも襲い、危険な状況に
  陥った。何も見えないまま失明し、完全に意識を失う前に、脱出しなければならない。
  私は、大佐渡スカイライン駆け上がり、暑さも一緒に吹き飛ばす妙案を思いついた。窓
  全開、エンジン・オン、ヘッドライト・オン、サングラス装着(メガネは壊れたまま)、
  準備よし。濃霧のスカイラインを、どこに散ったか分からない1匹の蚊の死骸と共に走
  ること20分。それらしい駐車場でエンジンをとめる。極めて爽快。お陰で、朝寝坊を
  してしまった。

  6.30 起床
  7.00 朝食
  長ネギ、じゃがいも、卵うどんを作る。スープは旨い。

  大佐渡スカイラインから金井町に降りる道路は、自衛隊が管理する道路だった。戦車を
  走らせるのだろうか。アスファルトではなく、セメント製の道路で、エンジンブレーキ
  を2ndにしても時速60キロメートルの上限を超えてしまうほどの急斜面だった。斜
  度14度の標識があった。


  (上:佐渡の田園風景。稲の生育は2週間ほど遅れているらしい。)

  それから、両津市を経由し、ドンデン山に登った。2回目である。それにしても気になる
  のは、行き来する大量のトラック。私も間接的に恩恵を受けているので、その良し悪しを
  言うつもりはないが、今日は時間があるのでトラックが出入りする現場の標識を熟視した。
  採石場らしい。種類は『安山岩』。何に利用するのか分からない。たぶん、粉々に砕いて
  何かに混ぜて固めるのに使うのかなあ、と思うけれどさっぱり分からない。山から採取す
  る質量は2百万トン。多いのか少ないのかさっぱり見当がつかない。そのための機械はブ
  ルドーザー2台。たった2台で、本当にできるのか不思議な気分である。期間は6年で、
  許可したのは新潟県知事?である。


  (上:このような標識をじっくり見たのは初めてです。)

  この砕石場が終わってすぐ、自然を守るための掲示があった。それを読むと、これから自
  家用車の排気ガスをまき散らそうとする自分を反省するけれど、、、

 
 (上:両津市・大佐渡ロッジの掲示板。)

  それから、採石場をじっくり見学した。砕石しているブルドーザーは1台しか見えなかっ
  たが、1台で大量の土砂を落としていることが分かった。


  (上:ブルドーザーもトラックも、小さく過ぎてこの写真では確認できない。)

  
  (上:ドンデン山の駐車場で記念撮影。ほとんど見えない。)

  海辺に出ると、波打ち際の並んだ花束を見つけた。どこかで見たことのある風景。そう
  だ、下北半島の恐山で見た光景と同じだ。死者に対する祈りに違いない。そう思った私
  は海岸まで降り、お盆を過ぎて枯れてしまった花や、カラスに食い荒らされた供え物を
  見た。手を合わせることはしなかったが、ここには人々の祈りがある。私が意識したこ
  とは、たった1つの種類にすぎないホモサピエンスの祈りの行為。それを必要の行為と
  して感じた。ブルドーザーで山を削ったり、自家用車の排気ガスをまき散らして1人旅
  をする行為の違いを見いだせなかった。

  
  (上:入川の海岸で)

  次に見たホモサピエンスの行為は、穴開け。通せんぼしている山に穴を開け、そこを
  通過しようとする試みだ。下の写真には2つのトンネルが写っている。左は人間が歩
  いて通るのにちょうど良い大きさで、穴を開けるのにかかった時間は10人(手作業)
  ×数週間ぐらいだと思う。長さは5メートル程度。高さは1番高いところで3メート
  ルなので自家用車は通れるが、用心しないと天井を擦ってしまいそう。それに比べて、
  右の新しいトンネルは、自動車2台が楽々すれ違うことができる。私としてはこれで
  十分だと思うが、第3の穴はどんなものだろう。巨大トラックが高速ですれ違えるよ
  うな眩しいばかりのトンネルか、はたまた、トンネルと必要としない空飛ぶ自家用車
  ができているか人類の欲望は計り知れない。とにかく、50年後が楽しみ。僕の予想
  では、トンネルを開けるより、新しい移動手段の方が高額だから、人類はその開発に
  やっきになっていると思う。しかし、将来の平均的な欲望水準を想像すると、大脳に
  電極を取り付けて電流を流すより他に手段がないような気がする。

  
  (上:左の、車が通れないトンネルだって、、、)

  10.00 相川郷土博物館
  かつて佐渡金山が栄えた頃、その労働者のために作られた街らしい。
  ・ 300円

  (上:相川に住んでいた人の美しい文字)

  佐渡にも遊女がいたらしい。遊女について詳しく調べたことはないが、ここで勉強した限り
  では悪くない。その時代に適した社会制度だったと思う。携帯電話やインターネットを使っ
  た最近の売春より、遥かにすぐれている。かといって、売春を奨めているわけではありませ
  ん。
  

  下にある明治6年の貸座敷規則は、遊女を助けるものだったに違いない。

  そして、次の文章を読むと、金を掘る労働者のために、政府が遊廓を保護していた
  ことが明確に分かる。私は、今のテレビ番組や雑誌の情報の氾濫ぶりを見ると、こ
  れも政府の意図だと思っている。もし、作為的でないにしろその責任をとるのは裕
  福な政治家であり、貧乏なわれわれ庶民ではない。

  貧乏な庶民よ、有害情報で満足するんじゃない!

  
  
  (上:当時の遊廓。)

    ===
    さて、佐渡ヶ島と別れるまで、あと1時間
    久しぶりの晴天のもと記念写真を撮る
    ===


  (上:佐渡ヶ島の海岸線にて、良い感じ。)

  
  (上:夫婦岩、という。)

  13.30 佐渡汽船に乗り、本土へ
  佐渡『赤泊』(2時間ちょうど)→ 新潟県『寺泊』
 

  (上:佐渡汽船のフェリー甲板から、佐渡ヶ島『赤泊』を写す)

  15.30 新潟着
  それから、カーナビに指示に従い『新潟県立近代美術館』へ直行

  16.10 新潟県立近代美術館(長岡市)
  企画展『モーリス・ドニ』をやっていた。700円は安い。もっと払っても良いと思
  った。鑑賞時間が50分しかなかったのは残念だが、他の客がほとんどいなかったの
  で自分のペースで見ることができて大満足。芸術的な欲求を十分に満たしてもらった。

    ===
    国道352号を西へ
    ===

  19.30 ゆーパーク薬師(小出町)
  ・ 600円
  ・ 画像データなし

  21.00 消灯

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