このページは旅行記『モンゴル旅行記2007夏』 2007 aug. 14 - aug. 28  です。

私の日記 14日目

2007年8月27日(月)

◎ ウランバートル観光  =================
・ガンダン寺
・狩猟博物館
・ブンブクル・ザハ(市場)
・自然史博物館
・チケット売り場でスリと接触
・国立ドラマ劇場で観劇
                        ウランバートル泊2
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2:45
 かなり騒々しい物音と共に数人の男と1人の女が隣の部屋に入った。そのまま口論となり、1時間以上、物騒な音を立てていた。うっかり共同トイレに行こうものなら、どうなるか分かったものではない。壁の向こうは『危険度4』で、かなりの興奮状態にある。これが複数犯による強姦なら死罪にも等しいが、その雰囲気を察知しながらも私もじっと息を殺している。これを同犯というのかどうか分からないが、こんな遅くまで一緒に遊んでいた女性にもいくらかの責任があると思うし、男にもいくつかの言い分があると思うので、言葉が通じない私が出る幕ではない。そもそも、どのような状況なのか全く分からないのだ。フロントに通じる電話も無いし、今はじっと耐えるしか無い。この同じ緊迫状態で寝ている人は、私の他に少なくとも1人はいる。このホテルは3部屋毎に区切って扉をつけ、それに1つの共同シャワー・トイレがある構造になっている。

8:00 起床
 明るくなるまで無理矢理横になっていたので、こんな時間になった。フロントまで行き、未明の状況を説明して部屋を変えてもらった。これで、このホテル内で部屋を変更するのは2回目になる。毎日部屋を変えているか落ち着かないが、シーツとタオルは完全に新しくなるので嬉しい。ホテルそのものを変更する方法もあるが、他の安ホテル(ゲストハウス)は満室だったり、ドミトリーだったり、若者が遅くまで起きていたりするので、ここで我慢する。


上:ビジネスホテルみたいな私の部屋。備え付けのサンダルがある。その他の設備は、洋服タンス、空っぽのポットとコップ、テーブルと椅子。10000トゥグリクの前払い。

 さっさとホテルを出て、ガンダン寺に向かった。
 途中で小さな食堂があれば腹ごしらえをしたかったが、適当な店はなかった。

 小さな商店でミックスジュースとスナックを買い、立ち食いした。


上:北東から南西へ走るチョインボル通り。中央やや右上にある白い建物は「ガーナーズ・ゲストハウス」。このゲストハウスの屋上で朝食をとる欧米人は満足そうだった。次回、ウランバートルに宿泊することがあるなら、ここに泊まりたい。

8:50 ガンダン寺
 ウランバートル最大の仏教寺院に来た。


上:午前9時を知らせるほら貝が吹き鳴らされた。2人の若い僧が見えるだろうか。


上:たくさんの鳩がいるのは、餌を与える人がいるからである。


上:9時の時報と共に、高位の僧と思われる方々がお出ましになった。


上:その方々が、とある寺に入られた後、その他の僧はそれぞれの方向へ向かって歩き出した。しかし、どうしても僧侶達の集中力が欠けているような気がしてならない。この写真も、厳かな雰囲気にしようとして最大限の注意を払った結果だ。この解散場面だけでも10カット以上撮影したが、詳しく見ると「とぼけた感じ」が写っている。/ また、2枚上の写真もかなり努力したが、集中力が感じられたのは、ほぼ全員が両手を合わせて頭を下げている1秒に満たない時間だった。観光客は、私を含めてたくさんいるし、これまでにもたくさんの外国人観光客が毎日のように訪れているはずだし、異教徒の観光客は控えめな態度で見学させてもらっているし、モンゴル人の仏教徒は敬虔な態度で参列しているから、もう少し威厳を感じても良いと思った。現在、日本のあちこちで見られる『大型葬儀店』のパートタイマーの方が、遥かに慎み深い態度だと思う。この私の感覚は、モンゴル人と日本人の特質を理解する大きな鍵になる可能性があるので、紙面を改めて考察したい。


上:この観音堂には巨大な仏様が安置されている。ガンダン寺の敷地内における有料施設はここだけである。


上:鳩に餌を与える少女。餌を売る人もいる。

10:00 狩猟博物館
 狩猟博物館はライブハウスに変身していた。貴重な展示物はどこかに移動したのであろう。

上:看板の左端には、狩猟博物館の面影を残す彫刻『岩上に立つヤギ』があった。

 次に、自然史博物館へ向かった。

 その途中、先にページで紹介したチョインボル通りの風景をスナップした。


上:乗り合いマシーンに乗り込む乗客。


上:大通りの歩道でビリヤードを楽しむ青年達。この光景に違和感はなく、完全にモンゴルの日常風景になっている。あまりに普通なので、青年よ、平日の朝からこんなことをしていていいのか、と老婆心が出てしまう。モンゴル頑張ろう! 

11:00 ブンブクル・ザハ(市場)
 ここはウランバートル最大の市場だったが、数年前?の火災で消失した。現在は3階建ての建物が立てられ、その中に小さな商店が営業している。私はそのビルの中に入ったが、撮影はしなかった。


上:左側の看板がある建物が、ブンブクル・ザハ(市場)のビル。記憶が薄れてしまったが、青い色の建物もザハかも知れない。

11:30 昼食
 昨日と同じ店に入った。


上:ツナサンドとコーヒーを注文した。羊の匂いが全くしないので、安心して食べることができた。

13:00 自然史博物館
 この博物館は、ゴビ砂漠を中心に数多く発見された恐竜の化石が有名だ。


上:見学に来ている高校生に頼み、巨大なワシの大きさを表現した。もちろん言葉は通じない。


上:メインとなる恐竜の骨格。


上:2階から見たもの。


上:昆虫類の幼虫が成虫になる過程の模式図。

===

 それから、デパートやその周辺の店で買い物をした。


上:ウランバートル最大のデパート前を走るカラフルな市バス。


上:道路工事でむき出しになっている配管。

17:50 チケット売り場でスリと接触
 次に、今回のモンゴル旅行でもっとも危険だった場面を紹介しよう。

 それは18時開演の民族劇『入場券売り場』で起こった。

 チケットを購入して財布を鞄にしまおうとした途端、1人の男と接触した。その接触が不自然だったので、私の視線は自分の持ち物に集中した。案の上、財布がない。そして、ぶつかった男とその奥にいる男の手許を見た。奥の男の手に私の財布が握られているのと見つけた。私は男の腕を掴んだ。私の握力は50kgであるが、ひねりを加えたので相当な力だったと思う。次の瞬間、財布は床に落ちたが、犯人は財布を足で蹴った。私はさらに手首を握りしめてから財布を拾った。そして、素早く中身を確認してから、すごんだ。

 てめー、他にやっとらんだろうなー。
 ええー

 私は自分が教員なので、このような現場に良く出くわす。犯人の体格は私より上だが、犯行現場を取り押さえた瞬間は、相手はかなり怯むのが常だ。今回の場合は、不良少年2人よりも簡単だった。私は比較的小さな声で圧力をかけならが、自分のズボンの下の貴重品袋、カメラ、その他の小銭、カード、札が抜き取られていないか確認した。

 私が確認を終えるころには、相手も元気を取り戻し、強行になってきたので、私は「ポリース(警察)」と大声で叫んだ。2、3回叫ぶと、財布を握っていた男だけが逃げた。もう1人は、最後までしらを切っていたけれど、共犯者である確率は120%である。私は被害が無かったので、そのままやり過ごしてしまったが、今から思えば感謝して、握手して、記念写真を撮れば良かった。きっと、一目散に逃げて行ったと思う。

 ことなきを得た私は、急いで隣の劇場に入った。開演まで数分しかない。

18:00 国立ドラマ演劇
 素晴らしい。今日も満足の1時間だった(実際は1時間以上だったかも知れないが、楽しかったので終焉時間をチェックし忘れた)。欲を言えば、マイクを使わずに上演して欲しい。民族楽器の音量が少ないのは分かるけれど、マイクを通すと各パートとの呼吸、音源の位置、音域、音色、余韻など全てがダメになってしまう。音楽を知っている人にとっては非常に残念だ。しかし、逆に考えると、彼らはマイクを通したときの効果や逆効果を良く考えて上演してるからマイクなしより上の技術だからすごいと思う。でも、マイクを使った公演を繰り返していると、自分たちの音楽性が失われてしまうから注意して下さいね。


上:国立ドラマ劇場。

20:00 夕食
 日本食の店に入ると、阿部改造内閣が発足し、その記者会見の様子を生中継していた。阿部総理大臣は、うろうろした感じで何を言っているのか良く分からなかった。こんなことで1億人を超える国の首相ができるものだと、その国民性に驚くばかりである。国民の方がおかしい。もちろん、先の参議院選挙では、この首相に不信任を突き付ける結果だったから、国民の方はぎりぎり大丈夫かも知れない。


上:彼は日本語でしゃべっていた。これは後日談であるが、この改造内閣発足から13日後、阿部首相は辞意を表明した。ここまで不様なら、諸外国の国民も「これは日本人の国民性ではなく、ある個人の特性の問題」として捉えるだろう。


上:野菜炒め定食。事前に肉を確認したら『豚』なので合格。焦げ付き防止油も『植物性オイル』である。

21:00 シャワー
 部屋に戻るとシャワーを浴びた。冷たい水がだんだん湯に変わって来た。

 ひげは、何もつけずにジョリジョリ剃った。

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