このページは『モロッコ旅行記 2007春』 2007 march -2007 april です。

シャウエンのメディナ散策

2007年3月28日(水)

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 突然、真っ青な空間が出現した。え’’ーっ! 私はかなり大きな驚きの声を出し続けていた。人通りが多い道だったので、たくさんの人々が私に驚いていたと思うが、私はもっと驚いていた。「これはシャウエンのイメージアップのために作られた特別なオブジェなのか。夢か現実か。真実か魔法の空間か。嘘か実か。それとも現実の生活空間か。私は頭脳は無限に回転し、やがて、何枚かの写真を撮った。そして、恐る恐るその青い空間に足を踏み入れた。



上:シャウエンのメディナ(旧市街)で撮った1枚目の写真。


上:足を踏み入れて撮った写真。

 やがて、そこが生活の空間であることに気づいた。もし、私が写真目的で来ているなら、ここだけで数時間楽しめるだろう。また、この街に数ヶ月いたところで退屈しないであろうことは容易に想像できた。

 写真を撮り終えると、狭い坂道をさらに登った。3分もしないうちに、広い空間に出た。ここでも私は衝撃を受けた。なぜなら、行商に来ている老女達がこの空間と完全に一体化していたからである。私はカメラを取り出して撮影しようとしたが、彼女たちは俯き両手で顔を覆った。私は無神経になっていた自分を反省した。それでも、せっかく俯いているのだから、その行為に甘えてすばやく1枚だけ撮影した。そして、カメラをポケットにしまい、頭を下げてその場を立ち去った。挨拶なしにカメラを取り出してしまい、彼女たちには本当に悪いことをしたと思うけれど、私は自分の頭を冷やすことができたので、これからは住民達に不快な思いをさせないように十分に注意したい。

上:とある広場で採れたての野菜を売る女性。


上:王宮前の風景。中央1番奥にある茶色い建物が王宮。この王宮前の広場には、たくさんのレストランが並んでいる。観光シーズンになれば、全て満席になることは容易に想像できる。私の写真は良くないが、世界中にあるどこのテーマパークよりも夢がある。夢だけでなく、意志と文化を持つ地元民、夢を求める観光客、清涼な空気と水、数億年前の化石を含む地層がある。

シャウエンの王宮訪問


上:王宮前のベンチで笑談する男達。

 私は王宮から出ると、メディナの中を歩き、写真を一杯撮った。バスが出発するまで、2時間しか残されていない。


上:路面も空も青に塗られていた。


上:鉄でできたオブジェは観光客用だと思われるが、私には重すぎるし、日本の風土には合わないと思った。

それから、狭い路地を上へ上と登った。

数メートル移動するごとに新しい世界が広がり、
道が枝分かれするたびに、私はその道に吸い込まれた。

どこをどのようにして切り取っても絵になってしまう。



私は人々の生活を脅かさないように、
ノーファインダーで撮るように心掛けた。









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坂を登りきり、展望が開けた。

また1つ違うシャウエンが見えた。

城壁から外に出た。
つまり、シャウエンのメディナの外に出た。




上:洗濯物もオリーブの葉も爽やかな風に吹かれていた。

城壁の外へ出てからも、私は坂を登り、この先に「泉」を目指した。

暫くすると川を見つけた。
どうやら、これが「泉」らしい。


上:川が流れ、川を挟むように2つの建物(セメント色の屋根)がある。


上:2つの建物は洗濯物の洗い場で、何人かの婦人が洗い物をしていた。

この建物や設備は新しいけれど、ここでの洗濯は何100年も前から続いているのであろう。
また、石鹸を使って川の水を汚すようなこともしていないと思われる。


上:私はとても気を使って撮影した。

この泉では、フランスから来た50台の男性と出会い、20分ほど情報を交換しあった。


 彼は、このシャウエンはとても魅力的な場所なので数日間滞在し、世界遺産のティトゥアンはパスすると言った。また、私の今後の旅程で、タンジェやマラケシュは訪問しなくてはいけないことをアドバイスし、さらに、今回の旅では不可能ないくつかの穴場を教えてくれた。

 私は彼との出合いで、今晩はシャウエンで泊まること、明日はティトゥアンを数時間訪問してからタンジェで泊まること、明後日はタンジェを歩き、夜行寝台列車でマラケシュまで移動することを決めた。つまり、これから先の全旅程を決断した。

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 このように決断した私は、登ってきた道を引き返し、昼食を食べた店が預かっていてくれた荷物を引き上げた。そして、再び坂道を登り、メディア内にある宿を求めた。

 「さあ、宿を決め、心ゆくまでシャウエンを堪能しよう!」

宿で荷物をおろした私は、泉までかけ登り、そこから先へ続く坂道を登った。
遠くからシャウエンの全景を見たかった。


上:その道は、赤いストライプの民族衣装を着た女性が誘った。


上:ぶ厚い雨雲の隙間から、キラめく太陽の光が挿した。

私は振り返り振り返り、シャウエンの街を撮影しならが、
丘の頂上に見える教会を目指した。

その教会はムスリムのものではなく、クリスチャンのもので、
今は集る信者もなく、閑散としていた。


上:シャウエンのすぐ東にある丘の頂上にあるキリスト教の教会。


上:教会に登り、シャウエンの街を撮影した。


上:教会の階段にある小さな窓から撮影した。

それから、教会を離れ、さらに遠くへと歩いた。
どこに辿り着くか分からないが、いつまでも歩いて行きたかった。


上:↑この画像をクリックすると拡大します。

最後に、現在のシャウエンがもつ1つの問題点を紹介しよう。
それは、若者が麻薬を使用したり観光客相手に売買していることである。
私も10回以上声をかけられた。

彼らは違法行為であることを知っているので深追いはしないが、
声をかけられる方としては気分が良いものではない。

すばらしい自然と文化があるだけに、とても残念に思うが、
今の程度でおさまっているなら反面教師としての役割を十分果たしている。

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上2枚:ここには、たくさんの化石が出土する。

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