このページは旅行記『バルカン半島9ヵ国 2009夏 2009 AUG.11 - AUG. 31  です

13日目 2009年 8月 23日(日)
====================================
(1) ティラナ市内散策(アルバニア)
======================(24:00はバスの中)===

6:05 起床
 日本でいつも見ているような夢を見て、途中で目覚めるようないつもの感覚で、同じような時間に起きた。まるで自分の部屋みたいだ。今日は午前中頑張って市内散策して、午後から5時間バスを使ってアルバニアの奥地へ移動する予定だ。奥地からは同じ道で帰ることになるかも知れないが、それならそれで諦めるしかない。私はアルバニアの『ギロカスタル』へ行きたい。

6:15 朝食
 小銭を持って散歩に出かける。宿の隣のピザ屋さんは開いていたけれど、油の匂いがきついので、50mほど離れたところにあったパン屋さんへ行く。閉まっていたので戻り、隣のピザ屋さんで購入。平ぺったいもの2つ(30レック×2)、何だか分からない飲み物(50レック)。それを部屋に持ち込んで食べてみると、パンみたいなものは焼きたてだったけれど、ヒツジのヨーグルトの搾りかすのようなものが挟んであって、それが塩辛くて熱くて食べられない。頑張ってしまうと、胃腸の調子が悪くなりそうなので、早々に断念した。2枚も買ったのにショック! 匂いもダメになってきたので、部屋の外のゴミ箱にポイ。ご免なさい。それとは逆に、中身が分からないペットボトルは、きちんと栓がしてあった。おそるおそる飲んでみると、甘いような酸っぱいような、やっぱり酸っぱいような、とりあえず腐っていないような、小麦粉のような、色は黄色がかったヨーグルトのような・・・。ラベルを読もうとすると、「えっ、トウモロコシの絵が・・・」これはトウモロコシジュースだ。製造日も2009年8月8日と書いてあるから、本当に腐ってはいないだろう。朝の飲み物として、大ヒットの1本だった。


上:私の宿の隣のピザ屋さん
右:その商品
.


上:部屋のベッド上で朝食を食べる
右:とっても美味しいジュース
.

6:55 部屋の中が明るい
 窓からの光が眩しい。今日も暑い一日になりそうだ。博物館が開く9時に合わせて入場したいから、8時半までしっかり仕事をしよう。今したいことは、セルビア『ベオグラード』とモンテネグロ『ポゴドリツァ』とアルバニア『ティラナ』の3つについて、僕なりの感想をまとめることだ。この3日の間に、3つの国を連続して通過してきたので、よく分からなくなっている。これから、過去の日記に感想を少しずつ追加していこう。

8:30 チェックアウト
 誰もいないフロントに部屋の鍵を置く。この国を再訪するなら、またこのホテルにしよう。


上:旅立ち前の記念撮影(101号室)。


上:私の宿の看板

8:40 アテネまでのバスをチェックする
 ギリシャへ行く予定はないが、アテネ直行バスの切符を売っている店が並んでいるのでチェックしてみた。その1軒に尋ねると、15:30発(30ユーロ)翌6:30着だった。

9:15 国立博物館
 200レック。興味深かったのは、次の通り。
(1)12世紀に作られた死後のキリストの刺繍が素晴らしかった
(2)キリスト関係の絵画を集めた部屋が、鉄格子で閉鎖されていた(ためだろうか、とてもよく見えた)
(3)人殺しの道具は見ていると気分が悪くなる
(4)最近の民族解放運動を扇動する絵画では、女性を先頭に立たせる傾向がある。


上:国立博物館の正面入口(画像をクリックするとその前の広場から撮影した画像が見えます)

.

左上:展示物は撮影禁止です。
右上:博物館のレストランでカフェを頂く。


上:博物館の中庭
右:アルバニア民族の代表的な顔だと思う
.

10:20頃 ジャーミヤ・エトヘム・ベウト
 このモスクを見学するのは、昨日に続いて2回目。今日は内部の壁画を見たい。


上:この画像をクリックすると拡大します。お勧めの画像です!

.
上:この絵は、19世紀のティラナだと思う

 それにしても、観光客の女性が内部まで自由に入って見学していたことには驚いた。ここまで戒律が厳しくないムスリムの寺院は初めてだ。そもそも、イスラム教で禁止されている具象画を描いているから、おおらかな感覚をもっているのだろう。


上:この奥の礼拝堂も入るように勧められたけれど、辞退しました。

10:40 国立美術館
 200レック。内部は撮影禁止になっている。秘密の画像は掲載できません。

 興味深かったのは、次の通り。
(1)1950年代の絵画を集めた部屋の電気がつかなくて、よく見えなかった
(2)美術は流行があり、古くなるものがある
(3)時代と共に消えてしまうようなものでも、新しい表現は喜ばれる
(4)子どもの女の子にも銃を持つことを勧める絵画まである

===

 本日の行事を終えたので、バスターミナルまで歩く。何か面白いことに出くわすかも知れない。


上:露店商が増えて来た
右:表通りから1本裏の路地に入ると、良い感じのおじさんも歩いていた


上:サンダルを売っている
右:この界隈は日用品が多く、食べ物は見当たらなかった。

.

 再び表通りに戻り、バスターミナルへ向って歩き出した。果物を売っている女性を発見。布で頭をおおい、熱心にコーランを読んでいる。私はリンゴを買って、それを食べたい。


上:リンゴ1個130レックかと思って1ユーロ(130レック相当)を出したら、彼女はレックしかダメだといった。しかし、隣の女が両替してくれたのだろうか、彼女はリンゴを売ってくれた。ただし、1ユーロと交換されたリンゴは4個。つまり、1キロ当たりの値段だった。多すぎるリンゴを手に入れた私は、しばらく歩いたところにあった教会(カトリック? 珍しい存在で、内装は何もなかった)の前にいた物乞いに1つ与えた。彼は嬉しそうに受け取り、珍しそうにリンゴを眺め回していた。

.


上:羊の薫製を作っている

左:脳天から首、胴体へと串刺しにしている。
 この写真は、作業中の人の許可を得て撮影した。

12:25 バスターミナルにて
 13時発(ギロカスタル経由)サランダ行きバスの先頭席に乗り込んだけれど、その席を確保できた時点で満足してしまい、バスを降りてしまった。15ユーロと5時間使えば、世界遺産『ギロカスタル』の街に到着するけれど、ゆっくりする方を選んだ。これで、往復の時間、待ち時間を含め15時間をセーブすることができる。もちろん、帰り道のルートにサランダを使えば、そこから、バスで45分の距離にあるもう1つの世界遺産を見学できるけれど、この後のスケジュールを考えると忙しそうになる。廻ることは簡単だけど、推測できる範囲になったので十分だ。


上:13時発(ギロカスタル経由)サランダ行きバス


上:これはティラナ市内バスだと思う。ベンツのエンブレムがついているけれど、それは怪しい。

12:40 ジュースを飲んで座り込む
 ターミナル近くの店でレモンジュースを買って(50レック、安い!)、その店先に座り込んでガイドブックを読む。たくさんの時間ができたので、これまでの旅をまとめる。日本に帰ってからの仕事をできるだけ減らしたいし、できるだけ新鮮な感動を書き留めておきたい。

.

 ティラナ市内への帰り道は、市バスに乗った。行き先も何も分からないけれど、真っすぐ行けば良いことだけは分かっている。切符もどうすれば良いのか分からないので、200レック紙幣を持って前(運転手がいる)から入る。「後ろで買え」と合図されたので、乗車し、車掌から購入(30レック)。

.

13:20頃 マケドニア行きのバスチケットを購入(13ユーロ)
 市内の中心地にあるチケット売り場で購入


上:バスチケットを発見する綺麗な女性
.
上:アルバニアの地図(クリックで拡大)。(東部国境地図

13:30 昼食
 焼きたてのビザ1枚(80レック)。

14:04
 マケドニア行きのバスチケットを購入した店の隣にある茶店でコーヒー(70レック)を飲みながら日記を書く。
 
15:15 コカコーラを貰う
 もう出て行ってくれの昆布茶ではないと思うが、コカコーラを貰ってしまった。どうもありがとう。両手を合わせて合掌です。何もしていないのにね。

15:30 トイレに行って、生ビールを頼む
 ドイツ産の生ビール(120レック)。安いのか高いのか分からないけれど、美味しいことは間違いない。
上:仕事中のマック

17:00
 疲れてきたので、カフェのトイレで歯を磨き、公園で夕寝することにしよう。

17:10 夕寝
 目の前にある公園の芝生は濡れていたので、ベンチに寝そべった。パソコンと鞄を枕にしていたので、寝首をかかれないように、顔を背もたれに向けた。両隣は老夫婦なので、大丈夫だろう。僕の服装は奇麗ではないので、すでに狙われていない限り大丈夫だと思う。大きな声や物音がするたびにチェックしていたが、とうとう浮浪者に絡まれてしまった。彼の同業者として認められたのだ。嬉しいと言うか何と言うか。僕は鞄を抱えて席を立たざるを得なかった。時計を見ると17:37だった。小腹が減ったし、これから3時間半のバスの旅になるし、現地通貨レックも残っているから、全て夕食に使ってしまおう。

17:45 夕食
 適当なレストランがないので、朝昼夕ともピザになるのを覚悟していたが、いきなりレストランを発見! そこは150レックのデザートが展示してあったので、ピザを食べた後にデザートとコーヒーを頂こうと思っていた場所だ。でてきたパスタはスパイシーで美味しかった。
.

19:00 ティラナ発
 さようなら、アルバニア! と書いておいたが、実際は大きく変わった。次に、要点を箇条書きにする。
(1)19:00発のバスは30分遅刻して、到着
(2)乗客は5人
(3)一番前の席に座った私は、1つ後ろに下げられてちょっと不機嫌
(4)目的地の到着時間は、22:30から23:00になりそう
(5)車掌にパスポートを預けておいたが、返却される
(6)バスが目的地と反対方向へ走る
(7)目的地と正反対の『ドゥラス』に到着する(最悪!)
(8)4箇所で乗客を拾い、私は後ろに移動させられる
(9)この間、乗客が足らないからだろうか、バスは同じ道を2回走る
(10)酷い渋滞に巻き込まれる(渋滞を待てない車が反対車線を走っている)
(11)今は、21:27
(12)スピリッツを飲んで、マックを開く
(13)こんなことなら、ギロカスタルへ行けば良かった

 ざっとこんなところだけれど、収穫は次の通りである。
(1)デゥラスは、ティラナより面白そうな街である
(2)民間のバス会社は、乗客が少ないと何をするか分からない
(3)民間のバス会社は、会社によって出発時間が違う(当たり前!)


上:バスの車窓から写したデゥラスの夜


上:デゥラスの街では、たくさんの人が乗り込んで来た。

.


続きをどうぞ!

私の日記 14日目

↑ このページのTOPへ


(c) 2010 fukuchi takahiro
[→
home]