このページは旅行記『ギリシャ&アルバニア 2010夏 2010 AUG.3 - AUG. 24  です

19日目 2010年 8月 21日(土)
===オシオス・ルカス修道院(世界遺産)====================
 11:00デルフィ(バス)→ ジャンクション(バスで一緒になった人の友達の車)
 → ディスティモ(大型バスのご好意に甘える、カメラを置き忘れる)
 → オシオス・ルカス
オシオス・ルカス修道院(世界遺産)
 16:30オシオス・ルカス(ヒッチ)→ディステト(バス)→リバディア
==========================リバディア泊(1/1)====

7:45 起床
 雨戸を開けると外は明るくなっていました。さっそく何か食べたかったので、地図とパソコンを持って街へ出かけました。このホテルには朝食がないのです。

7:55 ホテルの3軒隣のレストラン
 昨夜のレストランを覗きました。ガラスの扉は閉まっていましたが、遠くのテラス席の椅子の上に、私の緑色の傘が見えました。飲み過ぎで、置き忘れたものです。その隣に、高級一眼レフもあると思います。昨夜の話では「朝11:00開店」なので、また覗きにきます。とりあえず、一安心です。

8:10 朝食
 それから、メインストリーを歩きました。エスプレッソを出してくれそうなカフェを探しましたがありません。開いているのはホテル専用のレストランばかりです。どのレストランでも10ユーロ払えば喜んで食事を出してくれると思いますが、それは面白くありません。普通の店で食べたいのです。やっと従業員がいる1軒のカフェを見つけ、床掃除をしている女性に声をかけましたが、「クローズ」と言われました。早過ぎるのでしょう。不機嫌な返事だったので、がっかりでした。さらに歩き続け、建物がなくなりかけたところで、パン屋さんを見つけました。犬も歩けば棒に当たる、というものです。そこでハム入りパイ(2ユーロ)とミックスジュース(1.5ユーロ)を買いました。それを持って、昨夜寝そべった見晴らしのよい場所で食べようと思いましたが、その向い側に適当なカフェを見つけたので入りました。2人の男性がいて、彼らに「奥の席に行け」と言われました。


上:本日の朝食

 そこは、見晴らしが良いだけでなく、パソコン仕事に丁度良いテーブルと椅子がありました。私はエスプレッソを頼み、パイをかじりました。先ほどの男のテーブルにあった何種類かのパン?の方が良かったのですが、仕方ありません(私のパイは焼き立てですが、油を感じるので、朝1番はちょっと厳しいです。ただ、ボリュームがあるので他のパイを買わなくて正解でした)。ジュースは良く冷えていて美味しいです。エスプレッソはもう少しゆっくり出て来て欲しかったのですが、ありがたく頂戴しました。ここで1時間ほど日記を書くつもりです。その間、新しい客は来ないと思うので、こんな客でも桜として十分な役割を果たすと思います。

 もう少し、私の朝食について書きましょう。

 私は毎朝しっかり食べたい方ですが、ギリシャでは思うようにできません。結果として、果物のジュース、パンとマーガリンとチーズ、水、エスプレッソになれば十分になってしまいました。果物ジュースは前日に購入、パンは早朝から開いているパン屋で焼き立てを購入、エスプレッソはカフェに座って、という具合です。また、美味しくて安い果物を購入できるので、ホテルで1キロほど食べることも簡単ですが、ナイフを使って食べ続けると、まるでジュースを飲んでいるような感覚になります。ちなみに、今日の帰り道も果物を買って、ホテルで食べるつもりです。


上:レストランのテラスからの眺め
 遠くに『コリントス湾(イオアニア海、地中海)』が見えます。そして、眼下に『緑の樹木』が広がっています。しかし、デルフィが繁栄していた頃は、遠い国からたくさんの船が眼下を流れる河川を遡り、デルフィのアポロニア神殿の近くまで来ていたのではないか、と思います。

11:00 デルフィのバス停
 バスの出発予定時間20分前までホテルで仕事をしてから、昨日のレストランで置き忘れた傘とカメラを返してもらい、無事に『アテネ行き』バスに乗りました。バスは30分以上遅れで来ましたが、とくに問題はありません。私はここから15分ほどに距離にある『ディスティモ』で途中下車し、そこからタクシーかヒッチハイクで世界遺産のオシオス・ルカス修道院へ行くつもりです。
 


上:デルフィ市内を走る、鉄道の形をした無料観光バス
 運行間隔は不明です。11:00現在、このバスを待っている観光客は1人だけです。その観光客はドイツ人女性です。西洋の女性の一人旅はとても珍しいので、私たちはバスを待つ間、いろいろな話をしました。

11:30 デルフィ発
 30分遅れのバスに乗りました。彼女よりも早く出発しました。さようなら!


上:バスの車窓から見たデルフィ
 午前中は雲が広がっていましたが、暑い夏の季節においては嬉しい曇り空です。

11:45 アラホバあたりの幹線道路
 バスは、私の目的地『ディスティモ』を通過せず、私は何処か分らない交差点で降ろされました。幸いなことに、私と一緒に降りた青年が『ディスティモ』へ行くので、彼に助けてもらいました。彼は携帯電話で友達に連絡しました。それから10分後、ディスティモ近郊に住んでいる彼の友達が自家用車で迎えに来てくれました。私は、その車の後部座席に乗せてもらいました。ディスティモまでの道のりは10km弱だったと思います。どうもありがとうございました!


上:デルフィ〜アテネの幹線道路とディスティモへ向う道の交差点
 何もない道路を見てください。移動手段はヒッチハイクのみです。これは後から知ったことですが、この近辺を走るタクシーは4台しかありません。

12:15 ディスティモ着
 彼らは私を街の中心部で降ろし、カフェで寛いでいた2人の英語を話す女性を紹介してしから、何処かへ行きました。とても親切な人達でした。2人の女性は20才前後だと思いますが、片言の英語で『オシオス・ルカス修道院へ行く方法』と『アテネへ行く方法』を教えてくれました。ただし、私のように公共交通機関を使う旅人はほとんどいないので、周りの人に助けを求めていました。


上:ディスティモの中心地から『『オシオス・ルカス修道院』へ向う道を望む
 がらーん、としていますが、昼の12時はこんなものです。本当に何もないでしょ! タクシースタンドは正面道路の左手ですが1台もいません。電話でタクシーを呼ぶことになりますが、それよりヒッチしたくなるのは私だけではないでしょう。

 ということで、私はタクシーではなく、この道を直進する車をヒッチハイクすることにしました。

12:30 ディスティモの考古学博物館
 歩き始めて50mすると、その左手に考古学博物館の看板(写真下)を発見しました。扉を開け、「ヤーサス(こんにちは)」と声をかけると、女性が出てきました。入場無料だと言います。写真撮影できないことは残念でしたが、いろいろお話しながら展示物を見ることができたので、楽しかったです。


上:ディスティモの博物館

 中心地から1kmほど歩いたところで20分ぐらいヒッチハイクを試みましたが、失敗しました。「おじさんは駄目なのかな?」と悲観する方法もありますが、観光客の絶対数が少ないのが科学的な原因でしょう。地元民の車が何度か停まってくれましたが、修道院へは行かないようです。ちょっとナーバスになりましたが、私は街の中心部へ戻ることにしました。

13:30 昼食を奢ってもらう
 タクシースタンドに設置してある無料電話でタクシーを呼ぶことにしました。ちょっともたついている私を見て、すぐ目の前のレストランで食事をしている男性諸君(写真下)が私を手招きし、助けてくれました。自分の携帯電話でタクシーを呼んでくれたのです。それから、私は白ワインを勧められましたが、昼から呑むと世界遺産『オシオス・ルカス修道院』観光に差しつかえがあると思い、アンチョビの酢漬けとフランスパンだけを頂いていたのですが、待ち時間30分を過ぎたあたりから自然に白ワインが入りはじめました。これがトンでもなく美味しい地元産白ワインで、下の写真の右から2番目の男性の畑で採れる葡萄から造られているそうです。右端の男性はギリシャ古典の大学教授、中央は地元の大地主、その左は私、左端は世界を飛び回っている貿易商人で、日本にも2年滞在したことがあるそうです。つまり、ディスティモの名士達の集まりでした。彼らは、私の為にいくつかの料理を注文し、ドイツのビールや美味しい料理、そして愉快なお話で私をもてなしてくれました。英語はあまり通じませんが、とても素敵な時間を過ごしました。タクシーが来る気配はありませんが、タクシーや世界遺産などどうでも良い状態になりつつありました。


上:タクシースタンド前で出会ったディスティモの名士達と記念撮影

 かなり酔っぱらった頃、1台のバスが来ました。この近辺を走る大型の公共バスです。彼らは、そのバスの運転手に声をかけ、私をオシオス・ルカス修道院まで送るように頼んでくれました。運転手と彼らがどのような関係なのか知りませんが、通常では考えられないことでした。バスの乗客は10人ほどいましたが、とくに異義を唱えることはなかったというか、事情が分らないというか、とにかく、私はそのバスに乗せてもらい、通常のルートとは外れた道を走ってもらうことになりました。お金を払うことは失礼になるので、私は最高の笑顔で答えるしかない状況でした。それから、彼らとの写真は絶対に1枚撮影しなければいけないと思い、バスを待たせたまま、レストランのウエイターに撮影したもらったものが上の写真です。とても贅沢な時間でした。エフファリストー(ありがとう)!!

14:35 オシオス・ルカス(世界遺産)
 バスは、いつもとは違う道を走ってくれました。そして、私をオシオス・ルカス修道院の駐車場まで運んでくれました。私は、バスを降りる時、運転手と乗客全員に感謝の気持ちをいっぱいに伝えました。そして、バスが走り去って見えなくなるまで、両手を振り続けるつもりでした。しかし、両手を振り始めて3秒後、ふと私の足元にある荷物を見ると、カメラバックがないことに気付きました。あれっ、えっ、っ、と大きな鞄を何度かひっくり返しましたが、私はただの酔っ払いでした。止まってえ〜〜〜、と両手を振りながらバスを追い掛けましたが、すでに時遅し。時速20kmで走り去るバスに追い付くことはできませんでした。もしも、運転手が私をバックミラーで見ていたなら、「鬚のおっさん、両手を回しながら、よう走るわ!」と思っていたことでしょう。こけなくて良かったです。

 修道院のモザイクはとても奇麗でした。私がこれまでに観たギリシャのビザンチン時代の教会では最高の美しさです。長い時間をかけて見学する量はありませんが、拝見できて良かったです。それでは、下の画像をクリックして一緒に見学しましょう。


上:オシオスルカス修道院前の広場

 修道院の見学はいかがでしたか。有名なモザイク画は楽しんで頂けたでしょうか。

 ところで、帰り交通手段はヒッチしかありません。タクシーは4台しかないことを知っていますし、ディスティモの中心でも来てくれないのですから。それに、修道院の駐車場には10台ほどの車が停まっているので、エンジンがかかった車から順に声をかけば良いことです。

16:40 ヒッチハイク成功
 大型キャンピングカーに乗せてもらいました。その運転手は、修道院へ向う私を拾ってくれませんでしたが、目が合ったので頑張って声をかけてみました。簡単にオッケーを貰えたので嬉しかったです。行きに拾ってくれなかったのは、2つの家族が2台のキャンピングカーで走っていたからだと思います。


上:私を助けてくれたキャンピングカーの助手席からの風景

 彼らはイタリアから来た3人家族で、1人娘のお嬢さんは日本のテレビゲームがとても好き、ということでした。16日間の旅をしている途中で、ギリシャの海岸を中心に回っていますが、どの海岸も違う歴史と美しさがある、と教えてくれました。今日はこれからデルフィへ行くので、私はどこでも降ろしてもらえる状況にありましたが、結局ディスティモで降りました。ここには、私が置き忘れをしたバス会社のバスが通過するので、忘れ物が戻ってくる可能性が少しあるからです。

16:55 ディスティモ着
17:05 ディスティモのカフェ
 街には誰1人いない、といっても良いくらい人がいませんでした。まだ暑いからです。夕方になれば、きっとこのバーも人で一杯になるのでしょう。アテネ行きのバスは17:30に来るそうですが、少なくとも30分は遅れると思います(実は、アテネ直行バスはなく、リバリアで乗り換える必要があります)。


上:中心にあるカフェ

 予定時間17:30に来たバスは、反対方向へ行くバスでした。それでも、私はそのバスに乗り込み、「私はこのバス会社のバス内に忘れ物をしました! 誰か助けてくれませんか! 英語を話せる人はいませんか?」と訴えました。1人の女性が、運転手や車掌に通訳してくれ、ようやく事情をわかってくれました。そして、車掌はバス会社の電話番号を書いた紙をくれました。みなさんのおかげです!

 私はカフェへ戻り、電話を貸してもらいました。英語が通じるか不安でしたが、70%以上通じました。カフェのウェイターの協力も得て、私のカメラバックが戻ってくることが分りました。本当に感謝の気持ちで一杯になりました。そうこうしているうちに、予定していた17:30発のバスは通過してしまいしたが、まったく問題ありません。とても幸せな気分になった私は、次のバスが来るまで市内散策することにしました。1時弱の時間があります。


上:ディスティモのホテル
 もしもバスがなくなったら、このホテルに泊りましょう! このホテルの前には大きな教会があります。


上:遠くに見える風力発電

 それから、教会へ入りました。夕方のミサの時間でした。20分ほど、とても穏やかな空間に浸らさせて頂きました。この教会は、ディスティモで1番大きな教会だろうと思われます(写真下)。

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上:ディストモの教会


上:私がもらったお菓子
 めちゃくちゃ美味しいのです! ナッツ10種類ほどが入ってました。もう一度食べたいです。

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上:教会前でお菓子を分け合う人々

19:05 ディスティモ発
 バスはほぼ予定通りの時間に来ました。そして、約30分で終点リバディアに着きました。

19:35 リバディア着
 リバディアの大型バス車庫には、10台ほど停車していました。私はここで20:30に到着する最終バスを待ちました。私のカメラバックがそのバスにあるのです。

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上2枚:リバディアの長距離バスターミナル

 疲れていた私は、ターミナル外のベンチで横になっていました。19:55、アテネ行き最終バスが出発する5分前に掃除のおばさんに揺さぶり起こされました。私は「最終バスの到着を待っている」と言いましたが、英語がまったく通じないおばさんは私を切符売り場まで連れていきました。そして、私が何をしたいのか売り場のお姉さんに聞きました。お姉さんは、私の電話を受けた女性なので、事情をよく知っていました。掃除の女性は「どうも、どうも」と言って納得していました。

20:30 カメラバッグを受け取る
 予定時間ちょうどにバスが帰ってきました。運転手に心からのお礼を述べました。本当にありがとうございました!


上:リバディアの長距離バスターミナルを出たところ

 それから、リバディア中心部を目指して歩きました。1kmほど先の小高い丘にあるようです(写真上)。

 中心部に着いた頃、あたりはすでに暗くなっていました。人通りはまばらでしたが、これからどんどん増えていくと思います。


上:リバディアの街


上:街の中心となる広場?


上:写真屋さんの店頭

 21:00を過ぎましたが、本日の宿がありません。ようやく見つけたホテルに入りましたが、フロントの返事は「満室」でした。他のホテルの場所を聞くと、タクシーで移動するしかない、ということなの残念でしたが、仕方ありません。私はホテル前にいるタクシーを使い、リバディア近郊にあるホテル『イリノス』へ向いました。タクシー料金はメーター通りで、3ユーロぐらいでした。

21:20 ホテル『イリノス』にチェイクイン
 57ユーロと言われましたが、ちょっと頑張って50ユーロにして頂きました。このホテルは高級な部類で、無線ランでネットにつながったり、プールや朝食や冷蔵庫も付いているので恐縮でした。


上:ホテル『イリノス』

右:私の部屋

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 お腹が空いていたので、すぐ外へ出かけました。近くには何もありませんが、10分歩けば何かあるでしょう。


上:暗い夜道を歩く

 途中で、たくさんの車のクラクションが鳴っていました。お祭りかな? と期待しましたが、結婚式を終えた新郎新婦が車に乗って動き始めたところでした。


上:結婚式後の教会前

21:40 夕食
 10分ほど歩いたとこで、3軒ほどのレストランがある広場を見つけました。良い感じです。英語のメニューもありました。とりあえず、水を入れると無色透明だったものが白濁する蒸留酒『ウゾ』を注文しました。下の写真は、氷が溶けて自然に白濁してしまったウゾです。


上:ウゾと氷水(1.2ユーロ)

 次に、牛肉とチーズの焼き物(6ユーロ)を頼みました。ウゾはすぐに出て来ましたが、肉が出てこないので、メニューを見て何だか分からない『』という名前の物を頼みました。ニンニク入の素敵なマヨネーズでした。パンをそれと追加注文した『白ワイン』でかなり満足しました。ワインは昨日の方が圧倒的に美味しかったのですが、それは仕方ありません。合計13.3ユーロ


上:白ワインとニンニク入りヨーグルト(美味)

右:本日の夕食

 ポーランドのビール『アムステル』も飲んで、かなり御機嫌になりました。今回は、忘れ物をしないように十分に注意しました。

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24:00 消灯
 みなさん、おやすみなさい。

続きをどうぞ!

私の日記 20日目

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