クロッキー F 美術館

クロッキーゼミ2010-6の記録 

2010年2月23日(火)17.15-18.30
東生涯学習センター美術室(名古屋市)
model:ながあめ
教師:F

ゼミ生 ゼミ生の課題
理論的な解決策
Tさん

(ア)ポイントになる部分が見えない(立てひざ、片足を曲げるポーズなど)ときは?
 (1) 線描(1本の外郭線で描く)には限界がある、ことを知る
 (2) その他の部分でポイント(重さ、方向など)を感じさせるように描く
 (3) 練習中は、ポイントが見える位置に移動して確認するとよい

(イ)奥行きがあるポーズの描き方は?
 (1) 手前の部分をしっかり描く
 (2) 体重がかかっている部分をしっかり描く
 (3) (1)と(2)が描ければ、他はあまり描かなくもよい
  ※ むしろ描き込むほど、わからなくなってしまう

杉さん (ア) いつでも安定したクロッキーが描けるようにしたい
 (1) 画面よりもモデルを見るようにする
 (2) 何もない空間を、モデルと同じ立体として捉える
 (3) 描くことより、面白い部分を探すことに力点を置く

note
 中腰の姿勢、腰回りが見えないようなポーズを中心に行った。写真中の線描は、私が描いたもの。

 

 

ゼミを終えて
 Tさんの課題『ポイントになる部分が見えないとき』は、写実を目ざした「線描の限界性」を教えてくれた。これは私にとって重大な発見だった。

線描の限界性
 上の4枚の写真には、私がパソコンで描いた線描がある。それは『いわゆる上手』なものであり、写真を使えば誰でもできる。わざわざ生身をモデルを使う必要は全くない。描き手に求められることは、次の3点である。

(1) モデルをカメラで撮影するように見ること
   ※ 機械になりきること
   ※ 一切の人間的な感情、知識や経験を滅すること
(2) ひたすら輪郭線を追い求めること
(3) 絵画らしい『鉛筆の動かし方』で描くこと
   それは『1本の線における筆圧とスピードの変化』として要約され、
   線を変化させる要因は次の3点である。
   (ア) 体重、重力、重心
   (イ) 奥行き、立体感
   (ウ) 骨や筋肉やいろいろな皮膚などの質感

 以上3点ができれば、『上手な線描クロッキー』は完成する。さらに、これを『芸術的』にするためには、次の2点を付加して鉛筆を動かせば良い。これらは作家の主観に属するものであり、完全に独自なものである。

 (4) 全体の動き、エネルギーの方向
 (5) 感情や情感などの意識

 なお、線描の方法は別ページ『1本の線で描く(線描)』を参照。

このゼミについては『クロッキーゼミ2010へのお誘い

日時と場所については『Fへのお誘い』をご覧下さい

2010年3月7日公開

←前のゼミ記録

→ 次のゼミ記録

↑ TOP


Copyright(c) 2010   All rights reserved.