このページは、Mr.Taka による中学校理科の授業記録 1年(1999年度)です |
金星の見え方
2000 01 20(木)
地球から金星を見ると、大きさが変化する
だけでなく、月のように満ち欠けします。
今日は、天の北極から見た図を使って、金
星の見え方を説明できるようにします。(右:Aさんの学習プリント)
◎ 授業の流れ
1 2つの視点
学習プリントに『太陽』『金星』『地球』の位置関係を確かめながら、次の2つの視点から見た場合の金星を図を書かせます。
(1) 宇宙(天の北極)から見た場合
(2) 地球から見た場合
<指導手順>
1 天の北極から見た太陽を書く
2 金星が内惑星であることを確認する
3 金星と地球を書く
4 金星を公転させる(方向も確認)
→ 実際は地球も公転しているが、本時は、地球を動かさずに考えれば良いことを確認する。
5 金星について、太陽の光が当たっている部分を赤く塗らせる。 → 全員が正解を書くでしょう+
+++
ここまで、天の北極から見た金星
ここから、地球から見た金星
+++
+6 地球から見た金星を書くためのスペースを準備させる。具体的には2cm四方の四角形を書かせます。これは、見かけの金星の大きさの変化を捉えさせる上で有効になります。
7 5を地球から見た場合、どのように見えるか、順に1つずつ発問する。
「地球と太陽が一直線上に並んでいる1番下の位置にある金星は、どのように見えますか?」「全部光っていますか?、それとも、見えませんか?」 → クラス全体から「見えない」との返事が返ってくる 「(公転したの)次の位置にある金星は?」 → 月の見え方を学習している場合は、何の問題もなく答えが返ってくるでしょう。月の復習問題として取り組んで下さい。
8 6と7の位置にある金星が地球からどのように見えるプリントに書かせる。
9 7、8を繰り返す。
発問「次の位置では、どのように見えますか?」
「大きさが変化しますが、大きくなりますか?小さくなりますか?」
→ クラス全体から「小さくなる」との返事が返ってくる
→ その理由についは数人が挙手で答えた「遠くなると小さく見える」
10 発問「また、3日月のように光るのは左? 右?」
→ 全員に挙手させたところ、ほとんどが正解
11 7〜10をくり返す。教師は机間巡視する。
→ 生徒は応用して答えることができる。
(上:Aさんの学習プリントから)
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(上左:B君の学習プリント)
(上右:Cさんの学習プリント)2 教科書を読んで、本時の復習をする
1) 金星が真夜中に見えない理由を考える
→ 数人の生徒が答えるが、トンチンカンな解答も多い
<例>太陽に照らされているから。太陽の光が反射しているから
→ 正解は「金星が地球の内側を回っているから」であるが、それだけの説明では理解できない。「金星は昼間の方向を公転しているから」あるいは「地球の夜の方向に、金星は来ないから」等と説明する。また、そのことを地球に図示してやると分かりやすい。
(上のB君の学習プリントには『地球の夜』の方向が描かれている)2) 教科書の問題を解く
分かりやすい問題が付属している
→ ほとんどの生徒が問題なく正解を出した
◎ 授業を終えて
今日の授業にはいくつかの嘘があり、しかも、実際の(入試)問題で誤解を招く点が2つある。
・ 『太陽』『地球』『金星』が一直線所に並んだとき、地球は真昼になるので金星は見えない
・ 金星が半月に見えるのは『太陽』『地球』『金星』が直角の関係にある。
以上については、次時、プリントで問題を解くときに解説する予定である。
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