このページは、中1物理1999/takaの授業記録 です

実験4 いろいろな力
                   2000 2 9(水)

 みんなで静電気の実験をしましょう。ストロー2本、ムシピン1本だけの簡単な材料でますが、ストローが敏感に動き回り、生徒達が大喜びすることまちがいありません。先生も無邪気に遊んで下さい。

(右:ハンド・パワーでストローを動かす生徒)


授業の流れ
  以下の授業内容は、クラスによって2時間行ったところもあります
1 導 入
 
今日から新しい小単元力とそのはたらきに入ることを知らせます

2 理科であつかう力

 何でも良いから『力』のつく言葉を書き出させます。その中から、理科で扱う力を選びだすことで力について興味を持たせます。生徒の元気がない場合は、先生が面白い例を出してあげましょう。例えば、ジェスチャーをつけて力こぶ、元気、筋力、協力、力士、権力などいくらでもあります。学級の雰囲気にあったものをいくつか出して下さい。
<手順>
1 プリントに20個以上書かせる
2 しばらく待つ
3 黒板に発表させる
 出席番号が偶数の男子→ 女子→ 奇数の男子→ 女子
4 これから学習する力をチェックさせる

(上、右:生徒の学習プリント)

3 5つの力についてまとめる
   1) 弾性の力
   2) 摩擦の力
   3) 磁石の力
   4) 電気の力(静電気)
   5) 重 力

1) 弾性の力
  弾性: 変形した物体が、元の形に戻ろうとする性質

次の演示を行うと効果的に説明できます
演示実験 何も入っていないペットボトルを高さ30cmから教卓の上に落とすだけです。ぽーん、と大きな音を立てて跳ねたとろを捕まえ下さい。。蓋をすると大きな音を立て20cmぐらい弾みます。1メートルの高さから落せば70センチメートルほど弾むと思いますが、キャッチするのは難しくなります。シンプルな実験が美しい感動と新しい視点(変形したペットボトルが戻ろうとして、また、変形した教卓が戻ろうとする弾性)を学ぶ喜びを増加させます。

演示実験 つる巻きばねに『分銅』をつり下げて、ぶらんぶらんさせます。これもシンプルな実験ですが、ユーモラスな動きに生徒達は喜ぶでしょう。これは、地球と分銅が互いに引き合っている力(万有引力、あるいは、重力)の説明へつなぐことができますが、ここではつる巻きばねの弾性だけに着目させ、早々に引きあげたほうが無難でしょう。重力の説明をする時に、また同じ実験をするほうが良いと思います。

2) 摩擦の力

 「右図にある力は何ですか?」と発問しても、摩擦力という答えはなかなか出てこないと思います。そこで、次のように切り返してみると良いでしょう。

 地面が柔らかい場合は?
 下が氷だったら?
 なぜスパイクを履くのだろう?

 生徒の理解度が高い場合は、ここでニュートンの運動の第3法則作用反作用の法則を説明しても良いでしょう。右図にはいろいろな例があります。
例1 ボールを蹴る力 VS ボールが跳ね返す力
例2 左足が前進を止める力 VS 地面と靴の摩擦力
例3 地面を蹴る力 VS 地面と靴の摩擦力


  
3) 磁石の力

 引力: 引き合う力
 斥力: 斥けあう力

   (これは教科書では扱わない)

 右図のような簡単な実験を演示して下さい。目に見えない力を確かめようとして、あるいは、自分の知識を確かめようとして生徒達の熱い視線が注がれるはずです。他にも、いろいろな実験が工夫できるはずです。ここでも、生徒の理解度が高い場合は、作用反作用の法則を説明できますが、次の生徒1人ひとりが行う静電気の実験を優先させて下さい。

(右:C君の学習プリント)

4) 電気の力(静電気)

 方法を演示しながら説明し、生徒1人ひとりに実験させます。

準 備
ストロー3本、虫ピン1本

実験装置の作り方
1 ストロー中央に虫ピンを刺す(右上図)
2 1を、もう一方のストローに入れる
3 完成!
4 その他に、何も加工していないストローを準備します

実験方法
1 虫ピンを刺して回転するようにしたストローと何も加工していないストロー2本を、頭髪やセーターなどいろいろなものと擦りあわせてス静電気を発生させる(右下図)。純毛のセーターは良く帯電させます。
2 虫ピンを刺したストローをセットする
3 擦ったストローを近づける
4 ストローの動きを調べる
5 その後、
ハンド・パワーで動かします、と紹介してから、えいっ、の掛け声と共にストローを動かします(下図)



(上:髪の毛で指を擦った場合は、ストローが引っ付いてきます)

 引力: 引き合う力
 斥力: 斥けあう力


(上: 実験結果をまとめたDさんの学習プリント)

→ その他の静電気の実験(次時)


授業を終えて
 ストローの実験はとても反応が良いので、生徒も盛り上がります。また、場合によって一方のストローが『プラス』に帯電して引っ付いてくる場合があるので、その理由を考えさせるのも面白いでしょう。なお、時間にゆとりがある場合は、静電気の実験を次時に回しても良いと思います。

 その理由
 2種類の物質を擦りあわせると、物質内のマイナスの電気を帯びた小さな粒(電子)が移動します。その結果、マイナスの粒を失った物質がブラスに、粒を受取った物質がマイナスに帯電します。どちらが電子を失うか、あるいは、受取るかは2種類の物質の組み合わせによって決まります(下図)。ですから、ある物質が必ずプラスになるとかマイナスになるとかは決まっていません。


(上: 物質の帯電性をまとめたEさんの学習プリント)
 例えばガラスに着目した場合、毛皮を擦りあわせればマイナスに、雲母と擦りあわせればプラスに帯電します。

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