このページは、中1物理1999/takaの授業記録 です

いろいろな力(続き)
                   2000 2 10(木)

前時の続きです

5つの力

(1) 弾性の力
(2) 摩擦の力
(3) 磁石の力
(4) 電気(静電気)の力

(5) 重 力(今日はここからです)


授業の流れ
1 前時の復習
2 万有引力の法則について考える

万有引力の法則: 全ての物体は互いに引きあう
 教科書では扱わない内容ですが、何人かの生徒は目を輝かせて先生の説明に聞き入り、物理学や天文学に深い興味関心を持つでしょう。長い説明や深追いは絶対に避けて下さい。

説明の例
1 小さなチョークのかけらを床に落します
2 発問「これを宇宙から見ると、どのように見えるでしょう?」
 →チョークが地球の中心に向かって落ちる

3 地球の裏側はどのように見えるでしょう?
 →地球の中心に向かって進む

補足: 地球の中心方向(鉛直方向)を説明するために、分銅をつけた糸や前時に利用した分銅をつけたバネを提示すると良いでしょう。どんなに立派な建築物でもピラミッドでも、糸に吊るした小石が基準になります。

4 リンゴを大きくしたらどう見えるでしょう?
 →地球の中心に向かって進む

5 リンゴを飛行機の大きさにしたら?
 → 同 上

6 リンゴを月の大きさにしたら?
 → (生徒は困り始めます)

7 さらに、リンゴを大きくして地球と同じ大きさにしたら?

8 ここまで大きくすると、もやはリンゴが地球の中心に向かって進むとはいえませんね。互いに引きつけあっている、と説明する方が納得できます。これを1番はじめに気がついた人がニュートンです。彼はリンゴがリンゴの木から落ちるのを見て発見したそうです。天才と言われる人は発想のスケールが違いますね。これを万有引力の法則と言いますが、意味は、全ての物体は互いに引き合っているという意味です。さらにリンゴを大陽の大きさにすれば、逆に、地球が大陽に落ちていくように見えます。しかし、この場合でも、万有引力によって互いに引きあっている、と説明できます。では、もう一度はじめと同じ質問をします。よく見ていて下さい。

9 小さなチョークのかけらを床に落します
10 発問「これを宇宙から見ると、どのように見えるでしょう?」
 → チョークと地球が引き合っている
11 そうですね。地球はとても大きいのでほとんど分かりませんが、ほんの僅かにチョークと引き合って動いた、と説明できるのです。みなさんが、こうして椅子に座っていられるのも、地球という物質と椅子、机、筆箱、鉛筆、そして、みなさんと引き合っているからです。

12 もっと小さな万有引力を確かめることができれば、先生とA君は引き合っていることになります。もちろん、Bさんとも引き合っています。A君とBさんも引き合っています。好き嫌いとは関係なしに引き合っています。この学級のみんなは万有引力で全員引き合っています。とても不思議ですが、もし、みなさん独り1人が地球と同じぐらいに大きければ、正確には同じぐらい大きな質量(重さ)なら、本当に引き合ってぶつかりあうことでしょう。

まとめ
 引力重力を混同する生徒が多いので、次のようにまとめると良いでしょう。
1 地球が物体を引く力(引力)を重力という
2 月が物体を引く力(引力)は地球の1/6である

3 いろいろな力を図示する(前時の復習)

 右図のように、天井から1本のバネを吊るし、手で引っ張ったときの力(4つ)を図示する

 生徒は次の順で答えるでしょう
1 手がバネを引っ張る力
2 バネが戻ろうとする力(弾力)
3 天井がバネを支える力
4 3に対するバネの弾力

 なお、1と3を作用、2と4反作用と言います。(ニュートンの運動の第3法則)

  (左:Aさんの学習プリント)

4 静電気の実験の続き

 ストローを帯電させてから、ちょろちょろ出した水道水に近づけます。すると、驚くほどに水が曲がります。

この理由は、水の分子構造によるので触れない方が良い。だたし、冬、静電気が発生しやすい原因の1つが『空気の乾燥』であること。また、水分が不足している髪は、電気を発生し易いことを知らせも問題ありません。

(左:水が+電気に寄ってくる)

5 いろいろな力のまとめ

物体に力が働いているのは、次のような場合である。
1 物体の形を変えるとき
2 物体を持ち上げたり、支えたりするこき
3 物体の動きを変えるとき


授業を終えて
 前の時間と合わせて2時間、力学分野の導入としていろいろな力を調べてきた。さて、これからの授業展開だが、本時が知的な喜びに重点をおいたので、次時は実験の喜びとデータの美しさに感動させたい。

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(C) 2000-2005 Fukuchi Takahiro