このページは、中1物理1999/takaの授業記録 です

実験5 フックの法則
                   2000 02 14(火)

 今日はバネを使った簡単で美しいデータが得られる実験です。実験が早く終わった生徒にも、いくつかの応用実験を用意してあります。バネの弾性力と重力の実験です。

 (右:バネの伸びを測定する)
バネは100gと200gの2種類
用意しまた


授業の流れ
1 フックの法則をまとめる
 
<フックの法則>
 物体に力を加えたとき、変形した大きさ加えた力が比例する

                       (弾性限界まで)

2 力の大きさの単位をまとめる
 力の大きさは、1kgの分銅にはたらく重力の大きさを単位とする。
        (1kg重)
→ これは地球の場合です。月面上では1/6になることを知らせると力に対する理解が深まります。


(上:Aさんの学習プリント)
→ 上の矢印は、定規で2.5cm正確に書かせた。その理由は後日する

力の大きさの単位について
 1999年度は
g重ぐらむじゅうを使うことができましたが、2002年度は国際単位系(SIに準じてニュートンを使わなければなりませんでした。1g重とは質量1gの物体に働く地球の重力であり、比較的説明しやすいものでした。しかし、1Nの定義は難しく教科書の記述も曖昧にならざるを得ない状況になりました。

 私は基本的に国際単位系(SI)を学習させることに賛成しますが、力の単位については生徒の発達段階から判断してg重を採用する方が適切であり、生徒実験をさせたときのデータ処理の負担が少なくなると思います。地球の引力と重力の関係が理解しやすいです。さらに私は、ニュートンの万有引力の法則について学習することを勧めます。

2つの力の単位

ぐらむじゅう
g重

ニュートン
質量1gの物体に働く地球の引力(重力のじゅう
 ※1Nは100gのおもりにはたらく重力と同じである(中学校理科1分野上、大日本図書株式会社、平成14年)
0001g= 1g重
0010g= 10g重
100g= 100g重
1000g= 1000g重
2000g= 2000g重
0001g= 0.01N
0010g= 0.1N
100g= 1N
1000g= 10N
2000g= 20N

3 実験1(100g用バネ)

1) 方法を演示する
・ 鉄製スタンドの自在ばさみの一端に「バネ」を引っ掛ける
・ 分銅を1つ掛け、バネを少し伸ばしてから定規を設置する
 → 始めに少し伸ばした方が、正確になる
 → 定規はセロテープでとめる
 → 短い場合はテープでつなぐ
 → 『定規の0』は「バネの下端」に合わせる

2) 実験する
  → 信じられないが、常に分銅の下端で測定している班がいくつかある。一見「比例」しているように見えるが、測定したいのは「バネの伸び」だけである。

(右:実験の様子)

4 実験2(200gバネ)
 100gの実験を完了し、グラフにできた班から「200gのバネ」を渡した

(上:左右とも生徒の学習プリントから)

実験結果は上々である。さすが、実験用『つるまきバネ』である。

尚、グラフの書き方は全体での説明後、班単位で指導した。
<留意点>
・ 原点を通る
・ 全ての点を通らない
・ 全ての点の平均とする
 例えば「点4つ」の場合、線より上に2個、下に2個となる
→ 生徒のグラフは、ご覧のとおり上々

5 実験3(発展)
 早く終わった班には、<筆箱の重さを測る>実験をさせた
1) 筆箱を吊るし、バネの伸びを測定する
2) 自分のグラフから、筆箱の重さを求める
3) 電子てんびんで正確な重さを知る
4) 測定誤差を知り、原因を考える


(上:Aさんの学習プリントから)
 Aさんの場合、バネの伸びは16cm→ 力の大きさ152g


授業を終えて
 事前に「30センチ以上の長さの定規を持参すること」と連絡しておいたが、実際は数人しか持参しない。それでも、いつも筆箱に入っている短い定規をセロテープで繋ぎ合わせて実験しているさまは、なかなな良い。

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(C) 2000-2005 Fukuchi Takahiro