このページは中学校2年理科『化学』/takaの授業記録2000です

  実験4 使い捨てカイロ
              
 2000 04 25(火)

  みなさんに質問です
  使い捨てカイロの中身は何でし
  ょうか?

  その仕組みを考え、生徒と一緒
  に検証しましょう。

  (右:実験装置の全容。ペット
   ボトルの中にあるオレンジ色
   がカイロ
。)  


 <<授業内容>>
 1 カイロの仕組みを考える

  1 「中身を見たことありますか?」
   生徒の答え ・ 黒い粉
         ・ 砂
         ・ 鉄粉
         ・ 砂鉄


  2 「使い方を確認しましょう。」
   1) 袋を破る
   2) 振る

  3 「つまり、どういうことかな?」
   生徒の答え 空気中の酸素と反応させる

  4 「では、化学反応式で表わしましょう」
  
   ・ 『酸化鉄』の代わりに『熱』と答える生徒もいる
   ・ 熱は化学反応によって発生すること。さらに激しい場合、
    光(燃焼)や音を発生(爆発)することも確認する。

  正しい使い捨てカイロの化学反応式は、
  2Fe+ O
→ 2FeO+ 熱エネルギー ではなく、
  Fe+  3/4O
+ 3/2HO→ Fe(OH) + 熱エネルギー ですが、
  本年度は化学反応式を扱っていないので、ここまで指導する必要はないでしょう。

 2 実験装置の説明
  
  (上:Aさんのプリント。右上には内容物が添付してある)

  1 ペットボトルの底を切る
  2 水槽に水を張る
  3 割り箸に『カイロ』を挟んで、セットする
  4 ペットボトルの栓を開けて、かぶせる
  5 必要に応じて酸素を入れる
   ※ 空気中の酸素量は約20%
   ※ 過酸化水素水(10%)、二酸化マンガン、ゴム管ゴム栓セット
    を準備しておいたところ、ほとんどの班が利用した

  これは余談となるが、準備室に粉末
  の『二酸化マンガン』しかないので
  激しい反応になった。
  さらに演示は『過酸化水素』原液で
  
ジュワー
  反応熱で水が沸騰し激しく盛り上が
  った。

  (右:10%過酸化水素水での反応)


  6 栓をする
  7 水位の変化を観察する
   ※ 上昇することを確認しないと、分からない生徒がいる

    
    (上:B君の学習プリントから)

 3 生徒実験
 (右:よーく観察すると、水
  位が約1cm上昇している)

  
  (上:始めの位置をマジッ
   クで書く班もある)

  遅くとも1mm/分で上昇する。

  また、教科書によると「燃えているロウソクを入れる」とあるが、
  ロウソクの火はついたままで失敗。(もっと時間をかければよい
  と思うけど、、、)  
  
  ◎ 前時に『実験装置の説明』まで終わっていたクラスでは、ロウ
   ソク大成功!! 20分放置すれば良い


  授業を終えて

  思ったより、良い結果が得ら
  れて満足している。(写真右
  の班では半分以上侵入した)

  最近は、実験のやり過ぎで
  授業進度に支障が出るので
  はないかと心配である。生
  徒は喜んでいるけど、、、

  <参 考>
  生徒が持参した『市販のカイロ』の成分を紹介する
  ◎ ロッテ ホカロン 
   鉄粉、水、活性炭、食塩、バーミキュライト、木粉
  ◎ ホッカイロ 白元
   鉄粉、水、活性炭、塩類、バーミキュライト
  ◎ ぬくっ子
   鉄粉、水、活性炭、塩類、珪藻土、木粉
  ◎ ポカポカカイロ
   鉄粉、水、活性炭、塩類、バーミキュライト
  ◎ カイロ サンホッカー
   鉄粉、水、活性炭、塩類、バーミキュライト、珪藻土
  ◎ カイロちゃん
   鉄粉、水、活性炭、塩類、バーミキュライト、木材チップ
  ◎ ホットヒーロー
   鉄粉、水、活性炭、塩類、バーミキュライト、珪藻土、PSA樹脂
  ◎ カイロ暖暖
   鉄粉、水、活性炭、塩類、木粉、珪藻土、PSA樹脂
  ◎ ハッピーウィンター カイロ
   鉄粉、水、活性炭、塩類、バーミキュライト、珪藻土、活性シリカ、活性アルミナ
  ◎ きりばい温泉気分のカイロ
   鉄粉、水、活性炭、食塩、ヒル石
  ◎ キリダンボ
   鉄粉、水、活性炭、食塩、ヒル石
  ◎ サロンシップ直貼 久光製薬
   成分表示なし
   

  (上: 生徒の持参したカイロの一部)

   

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