このページは中学校3年理科『生物』/takaの授業記録2001です

自然界の物質循環
                    2001 9 25(火)

 炭素(C)と酸素(O)に着目しますが、難しくありません。これまでくり返し学習してきた光合成と内呼吸の復習です。具体的に扱う物質は、酸素、二酸化炭素、水です。また、生物にとって欠かせない窒素(N)についても簡単に触れました。


授業の流れ
1 導 入

 学習プリントを配り、本時のねらいを説明します。そして、プリントの中央に大きな木(図1)を書かせ、これを中心に物質の循環を考えることにしましょう。


  図1 大きな木を中心にしてまとめたAさんの学習プリント

2 光合成の復習
 学習プリントの左側にまとめさせて下さい。まとめる手順を下に示します。
1 太陽と太陽エネルギーを書く
2 大気中から植物に取り込まれる気体と排出される気体、および、地中から植物に取り込まれる物質、さらに、植物によって合成される物質を考えさせる
3 2の答えを確認する(キーワードは酸素、二酸化炭素、水、ブドウ糖)
4 大気成分を確認する(表2)

表2 地球の大気成分

窒 素 80%
酸 素 20%
二酸化炭素 0.03%
水素やアンモニアなど、その他の気体が発表された場合は、その他(0.01%)として扱えば良いでしょう。

ワンポイント:植物が生産する有機物
 植物は、まず光合成によってブドウ糖(C
12、有機物)を作ります。次に、土中から取り込んだ無機物(肥料)とブドウ糖を使い、その植物固有の有機物を作ります。リンゴの木で例えるならば、図2のように、リンゴの味がする実ができます。しかし、この時点で植物固有の有機物については触れません。光合成で話を区切り、次の食物連鎖へ進みます。そして、食物連鎖によって、いろいろな動物がそれぞれの体内において固有の有機物を合成することを確認し、さらに、分解者の働きを確認してから説明を再開して下さい。その方が、無機物(肥料)の役割が明確になります。

図2 植物が生産する有機物についてまとめたAさんの学習プリント部分

3 食物連鎖
 図3ように学習プリントの右側にまとめさせて下さい。


図3 食物連鎖についてまとめたAさんの学習プリント部分

ポイント
第1次消費者:ウサギ
第2次消費者:ライオン
分解者:ミミズ、ダニ、菌類

4 有機物を無機物
 図3に、紫色で私が書き込んだ部分が今日の学習のメインです。答えは図1にあります。

5 空中窒素固定細菌
 とても不思議な生物の例を紹介します。

生徒への紹介例
 地球の生物のからだはタンパク質(アミノ酸)でつくられています。したがって、自然の物質循環を考える上で、アミノ酸を構成する元素、窒素(N)を外すことはできません。私達ヒトも例外ではなく、細胞から排出されたアンモニア(NH
)を尿素に変え、毎日体外に出しています。

 このように、窒素はとても重要な元素ですが、窒素は大気の80%を占めています。これほどたくさん存在するのに、ほとんどの生物は利用することができません。ヒトも、空気中の窒素は食べることができないので、タンパク質や脂肪を食べることで窒素を摂取しています。しかし、よくよく調べてみると、マメ科の植物の根にひっついて生活しているある根粒菌は、空気中の窒素を直接取り込むことができるのです。かれらは空気を吸ってタンパク質を合成し、どんどん成長することができるので究極の生物とも言えるでしょう。

◎ Bさん学習プリント


図4 Bさんの学習プリント

← 前 時
実験1.2 土の中の生物の呼吸

次 時 →
かび(菌類)の観察


[→home

(C) 2001 Fukuchi Takahiro