このページは中学校3年理科『生物』/takaの授業記録2001です

かび(菌類)の観察
                    2001 9 26(水)

 1週間ほど前から、カビを作っおくように指示しました。簡単な方法の1つは、食パンに水をつけて放置しておくことでしょう。その他にもいろいろな方法でカビがつくることができますが、たくさん発生させて家の人に怒られたり、新種のカビで原因不明の病気にならない注意をすることも非常に重要です。実験が終わったら、先生が確実に処理して下さい。

 また、カビを持参した生徒にはボーナス得点を出しましたが、今日のような授業は、90%以上、始業のチャイム前に終了しています。そうした意味でも、事前に得点を加算することを知らせることは必要です。

 写真1〜3は生徒が持参したカビです。


写真1 なんだか分からないカビ


写真2 食パンに生えた数種類のカビ

写真3 ソーセージに生えたカビ


授業の流れ
1 カビの紹介

 クラス全体に、持参した生徒のカビを紹介します。ほどんどの班で、少なくとも1人は持参してきていました。また、大人しい生徒の場合は、せっかく自宅から持参しても友だちの前に出さない場合があるので、先生が1人ずつ確実に聞いて回りましょう。

先生による点検
 カビを持参した生徒にはボーナス得点を出しました。図4の右端にあるように、私の検印の横に、持参した主な食材とその種類数を書きました。この場合は、パンや小豆を含めて7種類の食材に生えるカビを持参したという意味です。


図4 Aさんは7種類の食材に生えるカビを持参

2 カビのからだ
 前の時間に学習したクラスは省略しました。また、カビ(菌類)は、動物や植物と同じように大きな独立した特徴をもつ生物として分類すべきだと思います(表5)。詳細については、生物の分類を御覧下さい。

表5 taka先生による中学生のための生物の分類
分類名 生物例、備考
動 物 ・脊椎動物(クジラ、カエル)、無脊椎動物(タコ、昆虫)
  ミミズ、ウニ、サンゴ
植 物 ・種子植物(桜、イチョウ)、シダ、コケ
その他 カビ、キノコ、乳酸菌
・ゾウリムシ、ミドリムシ
菌類、細菌(類)という語句は使わないで下さい。それらに該当する生物が出
てきた場合は、 具体的な生物の例としてその他に分類して下さい。

3 カビの観察
 カビを持参した生徒は、ルーペや肉眼で観察します。また、顕微鏡とテレビ投影装置を使って、カビの菌糸や胞子(のう)などを紹介します。カビは胞子をつくって子孫を残します。写真4、5は理科室のテレビに映されたカビのからだです。


写真4 カビの胞子

写真5 カビの菌糸

◎ 生徒の観察ノート
 図6〜9は生徒の観察ノートです。菌糸と胞子が観察できたようでした。

図6 Bさんの観察記録


図7 Cさんの観察記録


図8 D君の観察記録

 D君の記録(図8)にはおばあちゃんが登場します。もし、おばあちゃんがカビが生えたパンを食べてしまったら・・・納豆菌や酵母菌など食材になっている菌類にも話が膨らんだことでしょう。また、Eさんの記録(図9)では、ふろ場が「パンの家」となり、カビが成長する姿に感動している様子が書かれています。


図8 Eさんの観察記録


授業を終えて
 いろいろなカビが見られて満足している。このページに掲載した画像よりも、実際のカビは美しいと思う。今日で、2年生物学分野は終了するけれど、最後に実物の観察ができて良かった。次回からは、同じく第2分野「地学」に入る。覚えることはたくさんあるけれど、観察中心の面白い授業になると思う。

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(C) 2001 Fukuchi Takahiro