このページは、Mr.Taka 中学校理科の授業記録:化学 3年(2001年度)です

実験9 乾電池の分解
              
 2001 5 15(火)

  

 今日は乾電池の解剖

 生徒は自宅から乾電池を持参したが、メーカーによって内部構造が違う。しっかりした作りのものや、すぐに分解できるもの。また、新品の電池では、発熱をはじめるので危険な感じもする。

 アルカリ電池では、どろどろヌルヌルの液体が出てきて、指がかさかさになる。やっぱり危険であるが、生徒達は楽しそうに分解を続けた。

 注意:マンガン電池でも危険な場合があるので十分に注意して下さい。責任はとれません!

 (右:マンガン電池)
 炭素棒(プラス極)を中心にして、二酸化マンガンを主体としたプラス極合剤(真っ黒)がある。生徒がむしっているのは、紙製のセパレーターであるが、この外側にはマイナス極となる亜鉛缶があった。


<授業の流れ>
1 乾電池の内部構造(10分)
 乾電池の解剖の予習として、マンガン電池のしくみをまとめる。


2 乾電池の解剖(25分)
 先に学習した内部構造図を見ながら、乾電池の分解をすすめる。

(上:男女を問わず上手い者は上手い)

(上:分解した東芝の乾電池をまとめる)

3 分解した乾電池を調べる(10分)

 
 分解したものを、再び組み立てて豆電球につなげてみる。当然のように豆電球が点灯するけれど、生徒達はまるで、自分が乾電池を作ったかのような錯覚に陥って楽しんでいた。

 また、中心にある電極を逆さまに差し込むなど、単純な応用もできるが、危険な状態になったり有害な物質が生成するかもしれないのでお勧めすることはできない。くれぐれも直接手で触れないように注意して下さい。

4 次時の予告(化学電池の演示実験)と本時のまとめ
 塩酸の中に銅板とマグネシウムリボンを入れて豆電球を点灯させました。生徒には、塩酸のかわりになる酸っぱい果物、および、比較するために必要なさまざまな水溶液(果物、ジュース)を持参するように指示しました。

◎ C君の学習プリント


授業を終えて
 次回は、たくさんのフルーツが集まることを期待している。

 さて、少し難しい問題点を指摘すると、新しい教科書ではマンガン乾電池の分解を扱っているが、そこでは乾電池の内部構造と現象を扱っているだけで、これまで学習してきた水溶液や電気分解との関連がほとんどない。「乾電池と電気分解は逆の関係だよ。」とだけ指導すれば一応誤魔化せるとは思うけれども、そなん中途半端なことなら全部カットしても悪くない。私の考えは、むしろ積極的に電子の移動やイオンから理解をさせた方が良いと思う。授業時間を5時間追加してくれれば、旧指導要領のように系統だった学習が可能である。今年度は、私自身も右往左往してしまい、十分に反省する必要がある。

  

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