このページは、Mr.Taka 中学校理科の授業記録:化学 3年(2001年度)です

実験15 中和するときの量
               
2001 6 11(月)

今日は、ちょっと難しいです
がんばって下さい

<本時のねらい>
 硫酸と水酸化バリウムを使って、中和するときに必要なイオンの量について考える。

(上:水酸化バリウムの量を一定にして、硫酸を加えていきます)
一番左から、5ml1ml= アルカリ性
      5ml2ml= アルカリ性
      5ml3ml= 酸 性
      5ml4ml= 酸 性
      5ml5ml= 酸 性
      5ml6ml= 酸 性
      ※ BTB液によって着色します
      ※ ここで着目したいのは白色の沈殿物の量


<授業の流れ>
1 導 入

はじめに次の2つを発問しました。
みなさんも考えて下さい
問1 濃い水溶液とは?
<主な生徒の答え>
・ 強 い
・ 濃度が高い
・ 飽和に近い
・ 密度が高い
・ 物質(溶質、イオン)がたくさん溶けている
・ 水が少ない

問2 中和するとは?
<主な生徒の答え>
・ 真ん中
・ 合わせること
・ 酸性とアルカリ性の真ん中にすること
・ 水素イオンと水酸化物イオンとの数を同じにすること

  
私はこれらの2つの問題を考えさせることで、『
中和条件は量ではなく、水溶液に含まれるイオンの数である』ことを気付かせようとしたのですが、生徒には難しすぎて失敗しました。兎に角、実験を始めた方が良さそうです。

2 中和反応式の確認

 (上:もう何回もやっている化学反応式なので問題ありません。)

3 生徒実験
1) 水酸化バリウムをろ過する
2) 
5mlずつ6本の試験管に測りとる(下図)

<注意点>
・ 駒込ピペットの使い方を確認する

 「自分のシャープで真似してごらん」
 「全体を包むようにして持ち、親指で操作します」

・ ピペットは5mlと2mlを使い分ける

 「5mlの場合、1回でちょうど5mlとれるようになっています」

3) 硫酸を加える

(上:左から順に1、2、3、4、5、6mlずつ加えます。)
<注意点>
・ 
硫酸の濃度は、実験前に調節しておきます。
・ 
水酸化バリウム5mlに対して、3.5mlで中和するようにします
・ 良く混ぜてから5分間放置させる(上図は混ぜる前)

4) 片付け
 沈殿が観察できるようになるまで5分以上必要なので、ここで実験装置を片付けさせます。

5) 沈殿量の測定
 「では、ここで質問します。」
 「正しく測って実験した場合、沈澱量はどうなりますか。」
 <生徒の結果>
  
・ 青色のところは、だんだん増えていく
  
・ 黄色の部分は、変わらない(8班)だんだん増えていく(2班)

(上:試験管の底にたまっている白い沈澱に着目して下さい。)
 正確に実験したところは、沈澱量がみごとにそろっている
・ ただし、上の班にはばらつきがあります
・ その理由は、初めに測りとった水酸化バリウムの量にばらつきがあったからです。
・ 左から2本目の試験管は、沈澱するのに時間がかかっています。

 ◎ 生徒のノート

最後に、次の発問をして授業を終えた
問3 中和点を過ぎると白い沈殿(BaSO)が増えなくなる理由は?
(答え)
 
Ba(OH)の量に限りがあるから
 → 水酸化バリウムの量が、生成する塩の量を決めている
 → 限定要因


◎ Aさんの感想


<授業を終えて>
 さあ、こでれで限定要因という語句に対して、普段騒いでいる生徒が反応した。「えっ、俺たちが限定要因じゃん!?」つまり、友達がいくら真面目に授業に取り組んでも、ある生徒がちょっかいを出して妨害すれば、実験が失敗することになる。

  

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