このページは、Mr.Taka 中学校理科の授業記録:生物学 3年(2001年度)です

観察2 火山噴出物
                     2001 10 4(木)

標本(写真1)を使って、火山噴出物を観察する。
どのような共通点があるだろうか。


  写真1 火山噴出物標本:左から軽石、火山礫、火山灰、火山砂、溶岩


授業の流れ
1 本時のねらいを知る

・ 火山噴出物を観察する
・ 共通点やそれぞれのポイントから、火山やマグマの特徴を考える

2 写真上の5種類の他に、硫黄と火山弾を観察する

3 次の3つを学習プリントに添付する
・ 溶 岩 (富士山)
・ 火山灰 (桜 島)
・ 硫黄

  (上:Aさんの学習プリント)

4 それぞれの観察ポイントを確認する

A 軽 石(浮石)
(1) 輪郭を四角く書いたか?
→ 輪郭の形には意味がない。標本にするために加工しただけ。丁寧に輪郭を書き、そして、元気よく挙手した生徒はずっこける。
(2) たくさんの穴を書いたか?
→ 穴があいた理由を考えさせる。理由は「冷え固まるときに気体が抜けたから」。
→ その気体を教科書で調べるさせる。教科書によると水蒸気、二酸化炭素、二酸化硫黄。

B 火山灰・火山砂・火山礫れき
(1) 火山灰を灰色にしたか
→ 灰色は何色を混ぜたものか答えさせる。「白と黒を混ぜても一応できるが、赤とある色を混ぜるとできる。それは何色か? 答えは緑で、他に『青とオレンジ』『黄と紫』がある。これらは補色関係にあることを美術で学習しているはずであるが、ここでは「全ての色を混ぜたもの」つまり、「全ての物質を混ぜたもの」であると説明する。
(2) 灰と砂の粒の大きさを変えたか
→ 灰、砂、礫の順に大きくなる。その説明方法として、ぽきぽき色チョークを折りながら、さらに粒の大きさを変えながらを使って、模範スケッチするとよい


  (上:Bさんの学習プリント)

C 火山弾
(1) 全体に丸みを帯びているか?
→ 丸みを帯びている理由を考えさせる。キーポイントは2つあって、空中で固まったことと表面張力。また、山を転がり落ちたことは全く違う。
(2) ひび割れを書いたか?
→ 空中で急に冷えたのでひび割れする。熱した試験管を急冷すると割れるのと同じである。

D 溶 岩
(1) 不規則な形である
(2) マグマが冷え固まったもの

E 硫黄
 硫黄そのものの匂いはたいしたことはないが、さまざまな物質と結合して「くさった卵」の匂いを放つ。とくに、水素と化合した硫化水素は極めて有害である。



 (上:Bさんの学習プリント)
  ・ 観察したポイントが詳細にまとめてある
    


  授業を終えて
  想像した以上に楽しそうに観察していた。
  マグマと溶岩を混同している生徒については、「溶岩は何が固まったもので
  すか?」と発問してやると良い。また、マグマの種類によって色々な溶岩が
  あることを見せてやりたかったが標本が無くて残念。また、私の持って来た
  火山弾は迫力があるけれど、市販されている標本は規格サイズに加工され、
  品質が均一になっているものなので面白く無い。

  ◎ Cさんの学習プリント

  ◎ Dさんの学習プリント

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