このページは、中3地学/takaの授業記録2001 です

日本付近の震源
                     2001 秋

このページは2005年夏、4年前の記憶によって書かれたものです。
また、画像資料として利用したのはCさんの学習プリントだけです。



授業の流れ
1 学習プリントの配付、導入
(3分)
 あらかじめ、教科書の地図を印刷しておきます(図1)。このプリントをもらった生徒は、何やら難しそうな地図が印刷してあるので興味をもつと思います。そして、今日の授業の流れとねらいを紹介します。

授業の流れ
教科書を読む
 
教科書の図(図1上)を写す
 
教科書の図(図1下)を写す
 
平面図と断面図の関係を理解する
(図1上と下の関係)
 
本時のねらい

本時のねらい
 日本付近の震源地を調べると、太平洋側は浅く、内陸部は深くなっています。そして、震源地の断面図を調べると、大平洋の海底プレートの形と一致していることが分かります。


図1 Cさんの本時の学習プリント        

2 地震の発生する場所(7分)
 まず、教科書の平面図をみて、地震の発生する場所を発表させます(図2)。すると、どこでも同じように発生するのではなく、震源地にかたよりがあることが分かります。これは日本周辺だけでなく世界全体を見渡しても同じです。このように震源地にかたよりがあることから、地震が発生する原因にもかたよりがあることが推測されます。さらに、震源の深さにも着目させ、地震の原因に迫る準備をします。図2では、深さを「愛知県の下の方」「海の上の方」と表しています。


図2 日本付近における地震の発生する場所

3 震源の深さを色分けする(平面図)(15分)
 教科書の平面図をみて、まったく同じように色分けします。深さの区分けは、図3のように100km単位です。色は各自の好みで構いません。作業時間は10分必要でしょう。このとき、内陸部に向かって震源位置が深くなっていることに着目させます。

図3 平面図でみた日本付近の震源の深さ

4 平面図を任意の直線で切る(5分)
 ここが少々難しいポイントです。図3を見て下さい。左端の点B、右端の点Aが分かるでしょうか。この2つの点を赤線で結びます。そして、その上に船を走らせます。船を走らせる必要はないのですが、こうすると生徒の理解度が高まります。そして、これから直線ABにおける垂直断面図を調べます。

5 震源の深さを色分けする(断面図)(10分)
 この図は適当です。もちろん、平面図と断面図を一致させなければ意味がないので、両者の幅を同じしたり、断面図の縦軸の目盛り配分に注意したりしていますが、平面図から断面図へ正確に写すことは必要無いでしょう。図3の平面図を見て、直線AB上を走る船で観測したとき、震源がだんだん深くなっていくことが分かれば十分です。船は陸地を走ることはできませんが、とにかく走らせて下さい。生徒は素早く理解すると思います。そして、図4のように震源の深さを書き込みます。

図4 断面図でみた日本付近の震源の深さ

6 本時のまとめ(5分)
 日本付近の震源の分布は、ほぼ大平洋プレートと大陸プレートの境目にあることが分かります。これについて、前時に学習した世界地図で確認することも大切です。

7 本時の感想・疑問・発見(5分)


授業を終えて
 簡単な授業のように感じますが、実際は違います。平面図を任意の直線で切り、断面図にすることは中学生にとって難しいことです。同じような思考方法として、気圧配置図(気象)、地勢図(社会科での山の高さ)、設計図(技術科での製図)、平面を回転させてできた立体(数学科)などがあるので、関連する教科担当の先生と相談しながら行うことが大切です。生徒の理解がスムーズになるでしょう。

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(C) 2001-2005 Fukuchi Takahiro