このページは中学校1年理科『生物』/takaの授業記録2002です

実験2 光合成で使われる気体(二酸化炭素)
             
                   2002 6 3(月)
                   理科室

 今日はタンポポの葉を使って、光合成に二酸化炭素が使われることを学習しましょう。小学校で学習した石灰水の性質を利用すれば、簡単に確かめることができます。下の写真左は、石灰水が二酸化炭素に反応して白濁したものですが、タンポポの葉に光合成をさせた右は、変化していません。


(左上:石灰水と二酸化炭素)
(右上:石灰水と二酸化炭素とタンポポの葉)


授業の流れ
1 本時のねらいを知る
2 石灰水について復習する
・ 無色透明(二酸化炭素を加える)→  白
・ 石灰水は、水酸化カルシウムを水に溶かしたもの

3 教科書を読み、実験手順を知る
4 先生の演示実験をみて、手順を確認する

演示実験の方法
1 2本の試験管A、Bに、ガラス管で二酸化炭素を吹き込む
2 我慢したほうが二酸化炭素量が増える
3 試験管Aに水を入れる
4 試験管Bに石灰水を入れる
5 両方の口をふさいで、同時に振る

演示実験の結果
試験管A: 変化なし (二酸化炭素がない)
試験管B: 白くにごる(二酸化炭素がある)
・ 空気中の二酸化炭素量は0.03%なので
「二酸化炭素は空気中にない」と考えて良い

生徒との会話
「空気中に二酸化炭素はありますか?」
「ある、ある。」
「何%ぐらいあると思いますか?」
「たくさん。」
「詳しく調べると、たったの0.03%しかないので、、、。」

5 生徒実験

手 順
1 タンポポの葉を校庭から採取する
 ・試験管に入るなら大きい方が良い
 ・けど、光合成ができなくなるようでは×


2 試験管A、Bに二酸化炭素を吹き込む
 ・ガラス管を使用させた
 ・口元を切らないように注意させたい
3 試験管Aにタンポポの葉を入れる

4 試験管A、Bにセロテープでふたをする

5 それらを直射日光の当たる場所に置く
(太陽が出ていなくても光合成は行われてい
  ますが、、、)

6 20〜30分そのままにする



7 試験管A、Bに少量の石灰水を入れる

8 よく振って、二酸化炭素の有無を調べる

9 試験管Bが反応しなかった理由を考える

模範解答:タンポポの葉が、二酸化炭素を使
      って光合成をおこなったから

・酸素が発生したかどうかは、 線香を使って
確かめることができるが、ここでは検証して
いない。

===
太陽の光を浴びさせている時間を利用して、班毎に石灰水を作らせるとよい。
  

石灰水の作り方(簡易)
1 水酸化カルシウム1グラムをもらう
2 20ml の水に溶かす
3 ろ紙を4ツ折りにする
4 ろ紙を
50mlのビーカーにのせる
 ・ ぴったりはまります
 ・ ロウトは使いません

5 ろ紙を水で濡らす
6 水酸化カルシウム液をろ過する

石灰水の作り方2
 右の写真は次の点を留意しています
・ 静かに入れる
・ ガラス棒を使う
・ 低い位置から伝わらせる
・ ろ紙は3重になった部分に当てる
・ ロウトの先端はビーカーに当てる
・ 先端の切り口の長い方を当てる


評価基準
1 自然事象への関心・意欲・態度
2 科学的な思考
3 実験・観察の技能・表現
 A 石灰水の性質を利用した実験結果から、光合成で二酸化炭素が使われていることを検証することができる

4 自然事象についての知識・理解
 B タンポポの葉が二酸化炭素を使って光合成をすることが理解できる

授業を終えて
 非常に簡単な実験で、はっきりとした結果が得られるので嬉しい。昨年度まで行っていた「BTBを使ったオオカナダモ」の実験よりも単純で分かりやすい。

 ツベルクリン注射と重なり、小学校の復習で終わってしまったクラスもある

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植物の呼吸

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