このページは中学校1年理科『化学』/takaの授業記録2002です

 実験10 みりん、ワインの蒸留
              
                   2002 9 6(金)
                   第2理科室

  沸点の違いを利用して、混合液を分けることを蒸留という。

  (上:赤ワインを蒸留してアルコールを取り出す)

  


  前時、エタノールの沸点が78度Cであることを確かめた。今日は、自宅か
 ら「みりん」「日本酒」「ワイン」「ウイスキー」「ラム酒」などを持参させ、
 それらからエタノールを取り出す実験を行った。

 <授業の流れ>
 1 蒸留についてまとめる
 2 水とエタノーの混合物を分ける方法を考える
  
  (上:A君の学習プリント)

 3 実験装置を確認する
 4 実験手順を確認する
  
  (上:B君の学習プリント)

 5 実験する
  <注意点>
  ・ 試験管に入れる量は1/5とする
  ・ 沸騰石は必ず入れる
  ・ ゴム管が閉鎖しないようにする
  ・ ガスバーナーは、青く小さい炎にする
  ・ 混合液を加熱して発生した気体は、水で冷やして液体に戻す
  ・ 試験管に1/5集まったら、次の試験管に換える
  ・ ガラス管は78度C以上になっているので火傷しない
  
  (上:炎の大きさを調節し、試験管を交換する)
  混合液の量が少なくなってくると、粘度が高くなるので炎を小さくする
  また、試験管は垂直に近く立てても良い

  
  (上:みりんを蒸留して4つの試験管に分けた。1本目は左。)
     1本目: エタノールが含まれている
     2本目: ほどんど水
     3本目: これも水
     4本目: 糖分を含む
     

  
  (上:燃えるエタノール)
  ・ ピンセットに脱脂綿を少量取り、1本目の液体をつける
  ・ 液体がエタノールなら、脱脂綿は燃えない
  ・ 液体が水なら火はつかない
  ・ 脱脂綿が燃えるの場合は、エタノールが燃え尽きた後である
  ・ 同様にして2本目、3本目を調べる。
  
 6 結果をまとめる
  <ポイント>
  ・ 手触り
  ・ 臭い
  ・ 色
  ・ 燃えるか燃えないか

  (上:A君の学習プリント)


  (上:B君の学習プリント)
  

 <評価基準>
 1 自然事象への関心・意欲・態度
  A 自宅から2種類以上の試料を持参することができる
  B 自宅から1種類の試料を持参することができる

 2 科学的な思考
  A 実験結果と『試料の成分』を正しく比較・考察することができる

 3 実験・観察の技能・表現
  B 混合液からエタノールを取り出すことができる

 4 自然事象についての知識・理解
  B 蒸留のしくみについて正しく理解できる


  授業を終えて
  みりんに含まれるエタノールの割合は少ないので、弱火でじっくり蒸留しな
  い限り成功する確率は極めて低い。そこでエタノールを2ml加えて実験させ
  るとよい。ウィスキーはエタノールを約40%含むのでほとんど成功する。ま
  た、エタノールと水を50%ずつ混ぜたものは、ゴム栓が外れたとき試験管の
  口で発火し危険な感じがするが、万一発火しても燃焼温度が低いので慌てる
  ことはない。ガスバーナーの火を止めて試験管の口を濡れぞうきんで塞いで
  やれば簡単に消火する。

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