このページは中学校1年理科『地学』/takaの授業記録2002です

観察7 地層をつくる岩石(堆積岩)2 
              
                   2002 10 30(水)
                   第2理科室

 今日は堆積岩の中に含まれる成分によって3つの岩石に分類しましょう。
 

(上:チャートをさがす生徒達)


授業の流れ
1 堆積岩を粒の成分によって3つに分類する

 1) 石灰岩 : 炭酸カルシウム
 2) チャート: 二酸化ケイ素
 3) 凝灰岩 : 火山噴出物

  (上:A君の学習プリント)

2 それぞれの特徴をまとめ、スケッチする
・ 岩石標本を参考にさせる
・ 教科書、理科便覧も参考にさせる
石灰岩 チャート 凝灰岩
炭酸カルシウム 二酸化ケイ素 火山噴出物
・ 生物の死がい(サンゴ、フズリナ、貝)
・ セメント、石灰は同じ成分
・ 塩酸をかけると二酸化炭素を発生する
・生物の死がい(ケイソウ、便覧14参照)
・ いろいろな色がある(白、黒、赤、黄、緑、茶)
・ 塩酸に反応しない
・ 火山灰、軽石などを含む

ポイント
・ 岩石の輪郭を丁寧にスケッチしても無意味である
・ 粒の成分についてまとめる
・ チャートにはいろいろな色がある
・ 理科便覧を見て『ケイソウ』を確認する

 → 「えっ、これが死ぬと石(チャート)になるの!」と驚きの声が上がれば成功

・ 火山噴出物の代表として『軽石』がある
・ 本校には『火山噴出物』の標本がなかったが、是非とも1時間観察・スケッチさせたい

  (上: 左から石灰岩、チャート、凝灰岩2種)

3 石灰岩と塩酸の反応を確認する
   石灰岩(炭酸カルシウム)+ 塩酸 → 二酸化炭素
1) 各班ごとに教師が演示する
2) 次に、生徒が校庭で拾ってきた岩石を調べる
3) 石灰岩をもらう
4) 塩酸をかけて二酸化炭素が発生することを確かめる
5) 石灰岩をプリントに添付する

(上:教卓に塩酸を準備しておく)

ポイント
・ 塩酸は約10倍に薄めたものを使う
・ 貝殻を1つ置いておくと良い
・ 校庭に落ちている『セメントのかけら』も二酸化炭素を大量に発生する

(上:貝殻に塩酸をかける)

4 校庭でチャートを探し、プリントに添付する

ポイント
・ チャートにはいろいろな色(白、赤、黄、緑、青、茶)がある
・ ハンマーで適当な大きさに割る
・ ガラスのように割れる
・ 力いっぱい叩くと、岩石が飛び散って危険
・ ハンマーの重さだけで叩くようにする
・ また、角で叩くようにするとよい


(上:ハンマーの使い方の例)

<生徒の感想>

  ◎ C君の学習プリント

  ◎ Dさんの学習プリントの一部


評価基準
1 自然事象への関心・意欲・態度
 A 自分だけの観察や発見をプリントにまとめることができる
 B 3種類の堆積岩について、丁寧にまとめることができる

2 科学的な思考
 B 表面的な色ではなく、成分によって分類することができる

3 実験・観察の技能・表現
 A 2種類以上のチャートを探し、美しくまとめることができる
 B 1種類のチャートを探し、プリントに添付することができる
 B 石灰岩を添付することができる

4 自然事象についての知識・理解
 B 石灰岩、チャート、凝灰岩について正しくまとめることができる


授業を終えて
 校庭でチャートを探すのは、想像以上に楽しい時間だった。初めは違いが分からなくても、一度コツを飲み込むと次から次へと違う色のチャートを発見する。また、チャートは硬い岩石であるが弱い力で割ることができるので、それも楽しい時間となった。

 石灰岩が校庭に落ちていることは少ないが、貴校が産地の近くなら大量にあるので下調べが必要である。あるいは、「宝探しだー!!」と言って教師がまいておくのも楽しいかも知れない。次回やってみよっと。楽しみだなあ。他の岩石についても応用できそうだ。


(上:堆積岩10種類の標本)


岩石の風化について
 準備室を整理していたら『岩石の風化』標本が出てきた。2種類あるが、こんなもの(写真下)を見るのは初めてである。上段の『花崗岩』(左上、ピンク長石を含んむ)は、風化すると全体が白くなり、さらに進むと小瓶に入っているような『粘土や泥』になる。また、下段の『斑れい岩』(左下、黒)も同じように退色し、最終的に泥や粘土になる。これが海底に堆積して堆積岩となる。


(上:岩石『火成岩』の風化標本)

カリキュラム:大地の変化
 したがって、全ての岩石の源は火成岩であると指導しても間違いではなさそうなので、次回指導するチャンスがあれば、マグマ→ 火成岩→ 風化→ 堆積岩→ 地殻変動→ 地層の順にしたい。

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