このページは中学校1年理科『地学』/takaの授業記録2002です

地震の大きさ(震度とMマグニチュード
              
                   2002 12 6(金)
                   第2理科室

 今日から地震の学習です。例年は縦ゆれ(初期微動)と横ゆれ(主要動)の学習から入りますが、今年は震度とマグニチュードの違いを取り上げました。昨日、防災訓練(東海沖地震)の一貫として全校集会を行ったのですが、その時見たビデオ内容について、生徒から初歩的な疑問の声が聞こえたからです。


授業の流れ

地震の発生

震源と震央

ゆれの広がり

震度とマグニチュード


1 地震の発生

 <生徒のへの指示>
 「それでは、地面を書いてその上に自分の家を建てなさい。」
 「お城でもいいよ。」
 「えっ、お金がないなら段ボールの家にしなさい。」
 ===
 「次に、家の下に爆弾を仕掛けてください。」
 「爆発させれば、つまり、地震です。」

  (上:A君のビルには自分の旗が立ってる)

2 震源と震央
<生徒のへの指示>
 「では、爆弾の位置とその真上の位置を何と言いますか。」
 「教科書や理科便覧で調べて書きなさい。」

震源: 地震の発生場所
震央: その真上(地上)
   → この図は断面図なので、実際は360度広がっていることを確認する。

3 ゆれの広がり
<生徒のへの指示>
 「地震の波が伝わっていきます。」
 「爆弾のまわりに輪を書きます。」
 「池に石を入れたように広がっていきます。」
 「同じ間隔の輪を書いて下さい。」
 「震央、地上に到達するまで黒板では4つになりましたが、みなさんは何本でも構いません。次回、正確に書いてもらいます。」

(上:B君は家の周りを塀でブロックしている)

4 ゆれの大きさ
 <生徒のへの発問>
 「地震のゆれの大きさは、震央から遠くなるほどどうなりますか?」
  答え: 遠くなるほど弱くなる

5 震度の階級
・ 地震のゆれの程度は『震度』で表わされる
・ 測定場所によって違う
 (遠くなるほど弱くなる)

・ 震度0は、人体に感じない
・ 震度7を最大とする
・ 10段階(2002年現在)に分かれている
・ 日本だけで適用されている
・ 震度計で正確に計測して発表されるが、現場の被害状況から考えるといい加減(仕方ありません!!)
  
  (上:C君は震度3まで体験したことがある)

6 マグニチュード
・ 震度では、地震そのものが大きさが分からない
・ そこで、マグニチュードという単位で表わすことにする
・ 測定方法は相当難しいので、中学生用に脚色して次のように説明した。
<生徒への説明>
「震央から100キロメートル離れたところに計測器を置きます。」
「そこでの揺れ幅で、地震そのものの大きさを決定します。」

  (上:D君の学習プリントから)

<揺れ幅の説明>
「じゃあ、揺れ幅1cmをやってみるよ。」
首を左右に1cm振る。
「今度は、縦に1cmやってみるよ。」
貧乏揺り1cmを連続する。プロとしての誇りを持ったまま、貧乏揺すりをしながら
「今度はマグニチュード8。だから揺れ幅10cmっ!!」
「ででででで、ぎまぜん!」
「だだだだだれか、やってくればばばばばせんか。」
「!!君お願いします。」

 ここまでの芸当ができない場合は、チョークケース等を縦横に振って見せるだけでも生徒の理解度は全く異なる。

 全員で、揺れ幅1cmで机を動かすのも面白いだろう。そのクラスのノリで愉しんで下さい。

◎ 生徒の感想


  ◎ Eさんの学習プリント

評価基準
1 自然事象への関心・意欲・態度
 B 震度とマグニチュードをきちんとまとめることができる

2 科学的な思考
 A 震度とマグニチュードの違いを指摘することができる

3 実験・観察の技能・表現
4 自然事象についての知識・理解
 B 地震のゆれの大きさが10段階の震度に分かれていることを理解できる
 B マグニチュードが地震そのものの大きさを表わすことを理解できる


授業を終えて
 本当は『震度とマグニチュードの違い』を重点的に教えたかったけれど、生徒のキャパシティーが一杯になり断念。1クラスだけトライしたが、理解できた生徒は30%に留まった。これでは震度とマグニチュードに混乱を招くと判断し、他のクラスは教えなかった。(尺度が2つあることが分かれば十分)

 それから次時はどうしようか悩んだけれど、これ以上深追いするのは得策ではないと判断し、この単元の終わりまで待つことにした。

 次時は、生徒のつぶやきから「どうして地震が起きるの?」を考える。

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