このページは中学校1年理科『地学』/takaの授業記録2002です |
実習1 地震波の伝わり方
2002 12 17(火)
第2理科室本時内容
1 震源からの距離と地震のゆれが到着する時間は比例する
2 震源からの距離と地震のゆれの大きさは比例する
3 震源からの距離と初期微動継続時間は比例する
授業の流れ
阪神淡路大震災の
地震波の広がり→ 震源からの距離と
地震波が届くまでの時間→ 震源からの距離と
初期微動継続時間
1 阪神淡路大震災(兵庫県南部地震、1995年1月17日午前5時46分)の地震波の広がりを調べる
・ 教科書のコピー(学習プリント)をもらう
・ P波の広がりを20秒毎に色分けする
・ 発見したことや感想を書く
→ 以上は比較的簡単な内容なので、作業中は教室が静まり返っていた
(上:Aさんの学習プリントから)◎ 生徒の発見など
2 大阪、彦根、福井の地震計
ここからが今日の本番です。まず、大阪、彦根、福井の3地点における地震計の揺れを1つのグラフに書き込みます。そして、3地点の初期微動が始まった時間、主要動が始まった時間を結び、それらが比例していることを確認します。さらに、初期微動と主要動の開始時間を結ぶ2つ直線が一致したところが、地震の発生時間を示していることを確認します。説明の例
「震源から大阪までの距離はいくらですか?」
「そうですね、教科書に45kmと書いてあります。」
「縦軸に『震源からの距離』と書き、45kmのところに定規でうすく線を引きなさい。」
「できたら、P波とS波が届くた時間に点を打ちます。」
「何秒かかりましたか?」
「教科書の表に載っていますね。」
「P波が8秒、S波が14秒です。」
「ここで、大阪にある地震計の記録を書きますよ。」
「A君、黒板を見て下さい。」
「地震が発生しましたが、まだ、大阪は揺れていません。」
「1秒、2秒、3秒、4秒まだ揺れていません。」
(チョークで4秒のところまで直線を書く)
「5、6、7、8、カタカタカタカタカタ」
(8秒まで書いたら、全身を揺すりながら縦揺れを表現する)
(生徒が笑っても無視する)
「あっ、地震です。」
「9、10、11、12、13、14、ユッサユッサ」
(14秒になったら、全身を横に揺すりながら黒板に揺れを記録する)
(ちょっと難しいですが、頑張って下さい)
「主要動になりました。横揺れです。気をつけて下さい。」
「そして、このように約55秒まで記録されていますが、まあ適当です。」
「では、みなさんもプリントに書いて下さい。」
(揺れながら書いて下さい、と指示しても面白かったかも!)
(上:Cさんのプリントから震源からの距離と地震波(P、S)が届くまでの時間)
生徒への説明の続き
「次に、彦根を書きます」
「震源からの距離はいくらですか?」
「そうですね、134kmのところに同じようにうすく線を引きなさい。」
「P波、S波の到着時間に点を書きなさい。」
「今度も同じように、地震の揺れを書きますが、大阪との違いは分かりますか。」
「全体に、揺れ幅を小さくしなければなりません。」
「その点に注意して書きなさい。」
「できた人は、同じように福井での揺れを記録しなさい。」3 震源からの距離と初期微動継続時間
<生徒への説明>
「では、直線を2本ひいてもらうので定規を準備しないさい。」
「1本目は、原点と大阪・彦根・福井のP波到着時間を結ぶ直線です。」
「正確に書いた人はほどんど直線になりますが、いい加減に書いた人はなりません。」
「どうしても無理な人は、原点は必ず通るよう注意すること。」
「また、大阪・彦根・福井の3つは全て通らないように、かつ、平均になるようにすること。」
「同様にして2本目を引きましょう。」
「原点と大阪・彦根・福井のS波到着時間を結ぶ直線です。」
(上:B君の学習プリント)
<説明の続き>
「グラフができたので、ここから本番です。」
「2本の直線で挟まれた部分を見て下さい。」
「福井では、31秒から55秒の間です。」
「ここは初期微動、つまり、縦揺れをしていた時間ですね。」
「これを初期微動継続時間と言います。」
「C君、計算して下さい。」
「そうですね、55-31で24秒です。」
「Dさん、彦根の初期微動継続時間を計算して下さい。」
「E君、大阪の初期微動継続時間を計算して下さい。」
4 本時のまとめ
初期微動継続時間は、震源からの距離が遠いほど長くなる
評価基準
1 自然事象への関心・意欲・態度
B 兵庫県南部地震1995年の記録を丁寧に書くことができる
2 科学的な思考
B 初期微動継続時間から、震源までの距離を推測することができる
3 実験・観察の技能・表現
B 兵庫県南部地震1995年の記録を、震源からの距離の違いに注意して正確に書ける
4 自然事象についての知識・理解
B 震源からの距離が遠くなると初期微動継続時間が長くなることを理解できる
授業を終えて
全員で3つの地点における揺れを真似(貧乏揺すり、よこ揺れ)したり、机の下に避難したり、避難するまでの時間が8秒しかないことを疑似体験したら面白かったと思う。授業を終えてからアイデアが出てきてしまった。次回チャンスがあったら、是非やってみたい。地震本部に有名生徒を指名するのもいいだろう。また、縦揺れの時間によって、震源までの距離が分かることも体験させたい。時間によって距離を推測させることもできる。震源からの距離と初期微動継続時間(縦ゆれ時間)の関係は、ゆっくり1時間かけて説明すれば全員が理解できますが、家で復習しないと忘れてしまう難しい内容です。
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