このページは中学校1年理科『物理』/takaの授業記録2002です |
実像を作図する
2003 2 6(木)
第2理科室前時の反省を踏まえ、今日は作図に専念した。6つの課題ができた生徒は凸レンズを持って校庭に飛び出していった。紙を燃やしたいのである。
(上:A君の学習プリント)
凸レンズがつくる実像は、2本の直線によって求めることができる
1 レンズに垂直な光
2 レンズの中心を通る光
実際は、ロウソクも焦点距離も書いてありません。
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<授業の流れ>
1 本時の手順説明
「今日は、6つの図が作図できた人から自習にします。希望者は校庭で燃やす実験
をしても良いですが、作図ができない人は帰れないので、そのつもりで頑張って下
さい。」
2 実像の作図
「書き方は前の時間と同じです。」
「ロウソクの炎は先端まで、1.5cm。」
「焦点距離は3cmに変更します。」
「また、ロウソクの位置は上から順に12、9、6、5、4、3cmです。」
「はい、学習プリンの左端にメモしなさい。上から順に12、9、6、5、4、3。」
「では、始め!」
<説明手順>
学習プリントには『目盛りの付いた光軸』と『凸レンズ』を印刷しておく
1 ろうそくを12cmの位置に書く
2 ろうそくの炎の先端まで、1.5cmと書く
3 炎の先端から、色チョークで『レンズに垂直な光』をレンズの中心まで書く
4 黒板に『レンズに垂直な光は@@を通る』と書く
5 ここで机間巡視、できない生徒に指導する
→ 2時間めなら、できない生徒は1割程度
(上:説明手順1〜5までの板書)
6 できていなかった生徒を指名して、@@を答えさせる
7 本時の焦点距離は3cmであることを確認し、光軸に書き込む
8 『レンズに垂直な光』の先端と焦点を、ゆっくり結ぶ
9 これで、『レンズに垂直な光』はできあがり
10 続いて、『レンズの中心を通る光』の説明に移る
12 炎の先端から、色チョークで『レンズの中心を通る光』を書く
13 黒板に『レンズの中心を通る光は@@する』と書く
14 ここで再び机間巡視、できない生徒に指導する
→ 先程、できなかった生徒だけチェックする
(上:説明手順10〜14の板書)
15 できていなかった生徒を指名して、@@を答えさせる
16 『レンズの中心を通る光は直進する』ことを確認する
17 いよいよ次が、答え!
18 2本の交点に小さな点を書かせる
19 その点が、レンズによって得られた炎の先端の『像』である
(上:その前に、レンズによってできる像が2本の光で求められること確認する)
「炎の先端の光は四方八方に広がっていますが、今はレンズを通った『像』を調べ
ています。本当は、レンズを通ったたくさんの光を調べなければなりませんが、実
際は2本の光で求めることができます。1本はレンズに垂直な光、もう1本はレン
ズの中心を通る光です。それらの間にも何本も光がありますが、それらは全て同じ
点に集まります。それが凸レンズですからね。光が屈折して、同じ点に集まるよう
に作ったのが凸レンズだからです。もう1本、黒板に書いて確かめましょう。レン
ズの下半分に当る光は上に屈折して、同じ点を通りました。もっと下の光は、、、
あれっ、レンズに当らなかったから、そのまま直進して空振りです。」
20 その先端を使って、『ろうそくの像』を書く
21 それを『実像』ということを確認する
22 実像は、『倒立像』であることを確認する
23 ここで気持ちを切り替え、生徒各自が作図した『実像』の大きさを調べさせる。
24 0.4〜0.6cmなら、正確な作図であったことを知らせ、誉める
25 これで、1つめの作図は終了
26 同様にして、2つめの作図に取り組ませる
(上:A君の学習プリント)
できた生徒について、1人ずつ確認する。合格した生徒は校庭で自習しても良い。
できない生徒はできるまで頑張る。友達どうし助け合う姿がたくさん見られる。
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全員できたところで集合、本時のまとめをする
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3 凸レンズがつくる実像のまとめ
正確な作図ができた生徒は、まとめもスムーズである。実際、満足していた生徒は
初日(1時間め)で6割以上、2時間めで8割以上、最終回となる3時間めでは全
員が満足できたと思う。
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ロウソク | 実像 | |
12cm | (遠くなる) ↑ |
1.5cm | 小さくなる ↑ |
9cm | 1.5cm | ||
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1.5cm | 変わらない(1.5cm) |
5cm | ↓ (近くなる) |
1.5cm | ↓ 大きくなる |
4cm | 1.5cm | ||
3cm | 焦点距離 | 1.5cm | 実像はできない |
◎ D君の学習プリント
◎ Bさんの学習プリント
<評価基準(前時と同じ)>
1 自然事象への関心・意欲・態度
B 定規を使って美しくまとめることができる
2 科学的な思考
B 凸レンズが作る実像は、2本の直線によって求めれることを理解できる
3 実験・観察の技能・表現
A 実像の大きさを、誤差±1mmで求めることができる
B 実像の大きさを、誤差±2mmで求めることができる
B レンズに垂直な光を、焦点を通して書くことができる
B レンズの中心を通る光を、直進して書くことができる
4 自然事象についての知識・理解
B 凸レンズが作る実像は、倒立像であることを理解できる
B 凸レンズの基準は、焦点距離の2倍であることを理解できる
授業を終えて
次回も作図中心の授業とする。
本時の復習から入り、虚像を作図する。
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指導方法が確立された最終クラスは、非常にスムーズに作図できた。
他のクラスで2時間必要とした内容を1時間で終了したが、それで
も十分だった。
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