このページは中学校1年理科『物理』/takaの授業記録2002です

 実験11 いろいろな音
              
                   2003 2 14(金)
                   第2理科室

  テレビで見たことがりますか? 病室で死にそうになっている人の心臓に機械をつけて
  ピコーン、ピコーンとなっているやつ。心臓の音をに合せて波の形が変わります。今日
  は、その装置を準備しました。オシロスコープです。こうしてマイクを心臓に当てると
  ピコーン、ピコーンとなるはずですが、聴診器を準備できなかったのでカラオケ大会に
  しましょう。マイクに紙コップをつけて歌います。大きな声、小さな声、音程に合せて
  音の波の形が変わります。では、トップバッターで歌ってくれる人!

  (上:どのクラスにも歌が好きな人気者がいる)
  ・ 後ろの黒板には、違うものが書いてあって失礼しています
  ・ また、実験台も散らかっていて失礼しています


 <授業の流れ>
 1 音は波で表わされる

  ・ オシロスコープの紹介
  ・ カラオケ大会
   → 盛り上がるクラスは3人ぐらい出演する
   → 3分〜10分

  ・ 正弦波を書く練習
   1) 線をなぞる
   2) 高さ1cm、幅1cmであることを確認する
   3) 自分で書く

  (上:今日の学習プリントは5mm方眼に印刷した)


  
  (上:A君の学習プリント)
   

 2 音の三要素
  ・ 大きさ、高さ、音色
  ・ それぞれの色を各自で決めさせる
  ・ プリントに記入させる

  (上:B君の学習プリント)

  説明: 音叉の紹介→ 音の大きさ
  「では、音叉を紹介します。」
  「これです。」
  「おや、小学校で習った人もいますね。」
  「これは純粋な音を出すものです。」
  「オシロスコープで見るとどうなるか試してみましょう。」

  「綺麗な波ですね。」

  「さて、波の形がだんだん変わっていきます。」
  「小さくなっていきますね。」
  「どうしてですか。」
  「もちろん、音が小さくなるからです。」
  「さて、ここで問題です。音の大きさは縦幅、横幅のどちらで表せれますか?」
  「もう一度、音叉を叩きますよ。」
  「良く見てて下さい。」
  「そうですね、縦幅だけが小さくなります。」
  「音の大きさは縦幅によって表わされるのです。」
  「では、練習しますよ。」
  「プリントに、だんだん小さくなる音を書いてみましょう。」

 3 波形の練習(4つ)
  1) だんだん小さくなる音
  2) だんだん高音になる音
  3) だんだん低音になる音
  4) だんだん大きくなる音

  (上:B君は赤と緑で色分けしている)

  説明: だんだん小さくなる→ だんだん高音になる
  「プリントに4つの波が印刷していありますが、その続きを書きましょう。」
  「まず、だんだん小さくなる音です。」
  「ポイントは2つです。」
  「1つは横幅が変わらないように1cmの間隔を守ることです。」
  「分からない人は、1cm間隔で薄い線を書きましょう。」
  「2つめのポイントは、中心を守ることです。」
  「分からない人は、定規で薄い線を1本引きましょう。」
  「では、書きなさい。」

  「次に、だんだん高くなる音を書きます。」
  「今度は、音の大きさが変わらないようにしましょう。」
  「波の高さが1cmで変わらないように、薄い線を引いてから書きます。」
  「波の幅は、だんだん狭くなります。」


  「では、ここで先生が音の高さを変えてみます。」
  と言ってマイクを持ち、うーと言う。

  <ポイント>
  ・ 教師であることを忘れること
  ・ 馬鹿になること
  ・ あいうえおのうち『う』の音が一番正弦波に近い
  ・ 低い『う』から、だんだん高くしていく
  ・ マイクの距離を調節しないと、音量が大きくなってしまう
  ・ 裏声の『う』になったら、マイクを近付ける
  ・ オシロスコープを調節すれば、幅が3倍ぐらい変わる

  説明: だんだん低くなる音、だんだん大きくなる音
  「だんだん低くなる音は簡単ですね。」
  「波の高さが一緒で、振動数が減ります。」
  「こうです。」

  「では、だんだん大きくなる音はポイント制とします。」
  「先着15人にポイントが出ます。」
  「できた人は先生に見せなさい。」
  「よーい、始め!」
  → 1番早い生徒は1分!!
  → その後、クラスの約2割までは1発「正解」!
  → その後は、やり直しとなる
   主な失敗は次の2つである
   1 振動数(波の幅)を大きくしてしまう
   2 中心が合っていない
  

 4 どこまで聴こえるか
  「ここで、音の高さについて詳しく調べます。」
  「人間には、聴こえる音の高さの範囲があります。」
  「人間は、20Hz〜20000Hzですが、犬やイルカはもっと高い音が聴こえます。
  人間には聞こえないので『超音波』と呼ばれますが、警察犬は人間に聞こえない
  犬笛によって行動ます。イルカは超音波で会話していますし、コウモリは超音波
  の声で鳴きながら飛び回ります。反射した自分の声を聞いて障害物を見ているの
  ですね。」
  

  「では、あなたがどこまで聴こえるか調べてみましょう。」
  「聴力検査です。」
  「そうそう、この前の『校外学習』で『電気の科学館』で調べた人は何人いますか。」
  「おや、結構いますね。」
  「では、やっていない人もいるのでやりますよ。」


  (上:授業後、自分の可聴域を調べる生徒)

いろいろな動物の可聴域
20Hz以下: 超低周波音( infrasonic wave)
20000Hz 以上: 超音波 (ultrasonic wave)
ヒ ト 20〜20000Hz
イ ヌ 15〜50000Hz
カエル 50〜10000Hz
ネ コ 60〜65000Hz
イルカ 150〜150000Hz
コウモリ 1000〜120000Hz

 ◎ C君の学習プリント





 <評価基準>
 1 自然事象への関心・意欲・態度
  A オシロスコープで自分の歌声を確かめることができる
  B 学習プリントを丁寧にまとめることができる
  B 自分の可聴域を意欲的に調べることができる

 2 科学的な思考
  B オシロスコープの波形から音の変化を推測することができる

 3 実験・観察の技能・表現
  A だんだん大きくなる音の波形を(学級)15番以内に正しく書くことができる
  B 音の波形を正しく書く(振幅、振動数)ことができる

 4 自然事象についての知識・理解
  B 音には3つの要素があることを理解できる


  授業を終えて
   高さ、幅という言葉が入り乱れ、混乱を招きやすいので注意する。
オシロスコープ
(波 形)
振 
(1つの波の高さ
振動数
(1つの波の
ぎざぎざ
(波の特徴的な形)

音の3要素
(実際の音)
大きさ 高 さ
(音階、音程)

(ドレミファ・・・)
音 色
(楽器による違い)
音が大きくなると、
振幅は大きくなる。
音が高くなると、
振動数は増える。
・好きな人の声はすぐ判る
・おんさは音色がない
単位: dB(デシベル)
 あるいは、ホン
単位: Hz(回/秒) 単位: な し
- ・波 長
・物体には固有振動数がある
・波 形
・音源には固有な音色がある

  くどい説明もよくありません。

  教科書では『音色』について触れていないが、美しい音、感動する音について指導しな
  ければ、無味乾燥なつまらない授業になってしまうと考えた。しかし、美しい音につい
  て学習することはできなかった。今後の大きな課題である。これを科学的に理解しよう
  とする努力を怠るようでは自然科学を愛する者として失格であると考えている。

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