このページは中学校1年理科『物理』/takaの授業記録2002です

 実験13 ストローの笛
              
                   2003 2 19(水)
                   第2理科室

  → 管楽器の原理と分類

  自宅からストローは持ってきましたか。設計図は黒板のとおりです。あとは、
  自分で工夫して音を鳴らして下さい。5秒連続して音が出るようになったら
  音階作りの挑戦してみましょう。

  (上:黒板に書いた設計図。前の授業の残りなので、まとめも残っています。)


 <授業の流れ>
 1 先生の笛の音を聴いて俄然やる気を出す

  「みなさん、ストローは持ってきましたか。細いものや柔らかいもの、途中で曲るもの
  など色々ありますが、どれでもできます。」
  「作り方ですが、何もしなくても吹き方さえ工夫すれば音が出ます。こんな風にたくさ
  んくわえてみたり、ほら、窒息しそうですが音が出たでしょ。でも、これは辛いのでハ
  サミで振動しやすいように切ります。何cmでもいいですが、2センチぐらいかな。そ
  して、そこを少し潰して、ほら、」
  → 生徒は「あ、鳴った」と言う

  「良い感じですね。これで、くわえたままハサミでストローを切り落としていきますよ。
  音が変化するので良く聴いていて下さい。」
  → 生徒は感動の声を上げる

  「どうですか、低い音になりましたか、それとも高い音になりましたか。もう一度、よ
  く聴いていて下さい。」
  → 生徒は早く作りたくて仕方がない

  「ね、高音になりましたね。」

  <ワンポイント・アドバイス>
  ・ 木管楽器のリードと同じ原理
  ・ ピーピー豆(カラスノエンドウ)とも同じ原理
  ・ 先端は適当に切っても良い(左右非対称でも良い)
  ・ 吹き方が重要である
  ・ 強い息なら、ほどんど音が出るが長続きしない
  ・ 弱い息で、かつ、反応よく出るようにする
   (上手にできれば30秒は鳴り続けます)
  ・ 調整できたら、ハサミで切る
  ・ 初めに切るのは、少しにする。
  ・ 次に、一息、約10秒の間に8回切る。
  ・ あなたにテクニックあれば、ドレミファソラシドができる
  ・ 結構、適当にやっても、そんな感じに聴こえるので感動する
  ・ ま、いろいろ工夫してみて下さい
  ・ 廊下や職員室でも吹いてしまいます
  ・ それから、直径の違うストローを填めてトロンボーンにするもの良いです
   (ほぼ同じ長さのものを填める)
  ・ その場合は、約5度の音階しかできないので『メリーさんの羊』をアップテンポで
   演奏して下さい。生徒は、ノリノリになります。

  (上:私が愛用した笛は、ゴミ箱に落ちていたストローで作成した)
  それから、水で何回も洗うようにしないと涎が出てきますので、事前に注意しておく
  と良い。

 2 生徒による笛づくり
  早い生徒は1分、遅い生徒でも10分あれば音が出るようになります。

  (左上:はっきりと違いが分かります)
  (右上:穴を空けて音程を変えるタイプ)
  

 3 ストローの笛の発表会
  
  (上:発表会にエントリーしたい生徒は、自分で名前を書きに来ます)

  

 ◎ Bさんの学習プリント

 ◎ Cさんの学習プリント

 参考資料 管楽器の原理と分類
  1 空気を吹き込む
  2 発音体(リード)が振動する
  3 振動が管内を伝わる
  4 振動が反射して管内を逆進する
  5 反射した振動と発音体が影響しあって、安定した振動(音)をつくる
  ※ 管の開いた部分は、必ず(音、振動、定常波の)腹になる
  ※ 閉じた部分は、必ず節になる

分 類
発音体(リード) 主な楽器
金管楽器 リップリード
唇そのものを振動させる
トランペット、トロンボーン、ホルン、ユーフォニウム、チューバ
木管楽器 エアリード
息を吹き込んで、空気の渦を作る
フルート
リコーダー
1枚リード(シングルリード)
植物の茎のリードを振動させる
クラリネット
サクソフォン
2枚リード(ダブルリード)
植物の茎のリードを振動させる
オーボエ、ファゴット
ストローの笛、ピーピー豆


 <評価基準>
 1 自然事象への関心・意欲・態度
  A ストローの笛の演奏を披露することができる
  B ストローを自宅から持参することができる

 2 科学的な思考
  A 音が出るしくみを考えることができる

 3 実験・観察の技能・表現
  A ストローの笛で音階を作ることができる
  B ストローの笛で音を5秒以上鳴らすことができる

 4 自然事象についての知識・理解
  B ストロー笛の原理をまとめることができる

 


  授業を終えて
  ストローを短くすると振動数が増えて高音になる。リードは口の中で激しく振動する
  ので、その変化が体験できるので非常によい教材である。ただし、それは意識しない
  と分からないので、しっかりと着目させたい。

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