このページは中学校1年理科『物理』/takaの授業記録2002です

実験14 ビーカーで演奏会

2003 2 21(金)
第2理科室

 今日はビーカーで演奏会です。水の量を変えて『音階』を作りましょう。たくさんできれば、演奏できる曲が増えます。同じ大きさのビーカーでは『ドからラまで』しかできませんが、違う大きさのビーカーを使えば、もっと幅広い音階ができます。


図1:大きなビーカーは低い音が出ます


授業の流れ

1 ビーカーで音階ができる原理
  「曲を演奏するためにはドレミファソを作らなければいけませんが、どうしてできるのか簡単に説明しておきます。ビーカーを叩くと、ほら、綺麗な音が出ます。これに水を入れていくと音はどうなるでしょう? ・・・どうですか、変化したのが分かりますか? もう一度やりますよ。音が高くなるか低くなるか、よく聞いていて下さい」

 「そうですね、音は低くなりました。叩きながら、もっと水を入れてみましょう。水を加えている途中は、振動が安定しないので小さな音ですが、ほら、安定すると綺麗な音になりました。このように、水を加えていくと低い音になりますが、それは振動数が ? くなるからですね。」

 「@君、振動数は多くなるのですか、それとも、少なくなりますか? ・・・そうですね、振動数が少なくなるので低い音になります」


図2:A君の学習プリント

2 先生の演奏を聴いて俄然やる気を出す
  「ドからラまで作ると、演奏できる曲目が増えるのでビーカーを7個並べます。このまま水を加えても良いのですが、ビーカーによって微妙に音程が違うので、簡単に並べ直します。そうしないと、ドからソまでしか音階ができなくなることがあるからです。ちょっと、やってみますよ」

 「これとこれは・・・こっちが低いですね」
 「これとこれと、これは・・・こっちが低いので、こっちに置きます」

 「これ、これ、これ、これは・・・ここままで良いですね」
 
 「これ、これ、これ、これ、これは・・・ちょっと低かったので此処に置きます」
 「これ、これ、これ、これ、これ、これは・・・まあ良いでしょう」
 「これ、これ、これ、これ、これ、これ、これは・・・この辺に置きましょう」

 「これで7個並べることができたので、一番低いビーカーにたっぷり水を入れて『ド』とします。次のビーカーを叩きながら、水を入れて、レ、レ、レ、レ、レ、これで『レ』。ドレ、ドレ、ドレ、良いですね」

 「次は『ミ』。ミ、ミ、ミ、ミ、ミ、あれ! 入れ過ぎました。水を捨ててやり直しますが、正確にやりたい人はスポイトを使っても良いです。ドレミ、ミ、ミ、ミ、ミ、ミ、はい、できました」

 「チューリップを演奏してみます。」
 「ドレミ、ドレミ、・ミレドレミレ」

  → 生徒は自分もやりたくて仕方がない

 「今は、3つしか作りませんでしたが、同じようにやって下さい。できる人は、大きなビーカーや小さなビーカー、試験管を使っても良いですよ」


図3:駒込ピペットを使って微妙な音程の調節をするとよい

3 ビーカーの音階作り、および、演奏の練習


図4:練習する生徒たち

4 発表会(15分)
  主な演奏曲目
  A カエルの歌
  B カエルの歌の輪唱(奏)
  C チューリップ
  D ちょうちょ
  E キラキラ星
  F エーデルワイス
  G ミッキーマウスのテーマ曲
  H さくらさくら

評価基準
1 自然事象への関心・意欲・態度
 A 芸術的な演奏して、拍手喝采を浴びることができる
 B ビーカーで楽しく演奏することができる

2 科学的な思考
 B 水量の変化と物体の振動数の変化を関連づけて考えることができる

3 実験・観察の技能・表現
 A ビーカーの音階をドからラ以上まで作れる
 B ビーカーの音階をドからソまで作れる

4 自然事象についての知識・理解
 B 物体には固有の振動数(音の高さ)があることを理解できる


授業を終えて
 学年末テストの結果でも明らかになったが、本時の演奏会は非常に印象の残る時間だった。本物の音楽楽器のように演奏できたことが、何よりの驚きだったようだ。

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