このページは中学校2年理科『生物』/takaの授業記録2003です |
観察3 目
2003 10 22(水)
第1理科室詳細に調べはじめると切りがない。教科書に載っている内容は10分で終了するので、そこから先は、生徒の理解度や学習意欲に対応する。
本時のねらい
ヒトの目のしくみ、働きについて理解する。
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(上:Mr. takaのまつげ、目。)
まつげ: ここに何かが触れると、一瞬のうちに「まぶた」が閉じる
涙 : 涙腺るいせんは「上まぶた」の外側だけにある
大泣きすると鼻から涙が出るのは、涙丘るいきゅう(目の内側、写真上の右端)の近く
にある「涙点るいてん」から「鼻涙管」という管が鼻へつながっているから。
強 膜: いわゆる白目の部分で毛細血管が走っている
角 膜: いわゆる黒目の部分を保護するためにある最前列の膜
強膜と連続している。
色素がなく無力透明。
虹 彩: こうさい。黒目の周辺部にあり、光の量を調節する「絞り」装置
西欧人は虹彩にメラニン色素が少ないので「青い目」に見える。
Mr. takaは「茶色」なので、特にサングラスは必要ではないけど、、、
瞳 孔: どうこう。ひとみ。黒目の中心部で、暗黒になっている。
この奥にある「網膜」に像を映すので、西欧人も暗黒である。
授業の流れ
1 導 入
「あなたの目は、いくつありますか?」と単純な質問をして興味関心を高める。
私たちは2つだけれど、動物界全体を見渡すと「2つは少数派」である。
2個: 脊椎動物のほとんど(哺乳類、鳥類、は虫類、両生類、魚類)
3個: ムカシトカゲ(爬虫類、第3の目が額にある)
4個: クモ類の多く、ミズスマシ(昆虫類、水の中と外を見分ける)
5個: 昆虫類のほとんど (複眼2個と単眼3個)
6個: クモ類の多く
7個: シロハラコカゲロウ(昆虫類、複眼4個と単眼3個)
8個: クモ類の多く
14個: アリジゴク(単眼7個)
2 人の目をスケッチ
1 教科書や理科便覧を参考にさせる
2 早くできた生徒には各部の名称を記入させる
3 制限時間は5分
(上:A君の学習プリント)
3 各部の説明
以下にまとめた内容を全部説明してはいけない。生徒の様子を確認しながら、できるところまでやる。やればやるほど面白くなるが、分からない部分も増えてくるので、自主的な宿題として持ち帰らせ、後日、廊下に掲示して発表させるもの面白い。
(1) 眼 球
・ 義眼(直径25mm)の話
・ 6本の筋肉で動く
・ 近眼では長細くなり、遠視(老眼)ではぺちゃんこになっているが原因は未だ不明
(2) レンズ(水晶体)とガラス体
・ レンズの厚みは、筋肉「毛様体」と「チン小体」によって変わる
・ 白内障になると、レンズが白く濁ってしまう話
・ ガラス体は透明なジェリーであること
(3) 網膜にある光感覚細胞(2種類)
(1)錐状体すいじょうたい:色を感じる昼に働く細胞、600万個、網膜中心部に多い
(2)桿状体かんじょうたい:明暗を感じる夜に働く細胞、1200万個、網膜周辺部に多い
ビタミンAが必要、明暗だけなら錐状体の1000倍の感度
働きはじめるまで(暗順応)に10分かかる
(4) 視神経のゆくえ
・ 右目は左脳へ、左目は右脳へ
・ 授業では「中脳」としたが、実際は複雑である
・ 両目からの情報(両眼視差)を計算して立体像にするのは、大脳後頭部「視覚野」
→ 偏光メガネを使った3D映像やステレオグラム
・ その像が何であるか判断するのは、大脳皮質
(5) レンズによって網膜に写る像
・ 距離との距離は、レンズの厚みによって調節する
・ 凸レンズによって作られた像は『実像』である
→ 昨年度(2002年)の実践『1年物理:実験8凸レンズの見え方(実像)』
(6) 虹彩と瞳
このページの先頭にも書いたが、いわゆる白目と黒目について理科的にまとめておく。
白 目 黒 目 強 膜 虹 彩 瞳、瞳孔 眼球をおおっている膜 光の量を調節するもの 外界の光を眼球内に入れる部分
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4 瞳が大きくなる実験
好きな人と見つめあうと、お互い相手を見ようとして瞳が拡大する。喧嘩をしている時も同じで、アドレナリンが大量に分泌されるので瞳孔が開く。この原理を利用して、隣に人と見つめあう実験をした。説明の例
「これから虹彩を観察しますが、せっかくですから、虹彩が大きくなったり小さくなったりするのを確かめましょう。本当は、明るくしたり暗くしたりするのですが、それより面白い方法があります。とっても簡単です。隣の人と思いっきり近づき、見つめ合うです。すると、吃驚したり興奮して虹彩の大きさが変わります。一般に、好きな人と見つめ合うと大きくなるようですが、皆さんはどうでしょう。この変化は、一瞬にして起るので注意深く観察して下さい。それでは、始め!」5 盲点の実験
・ 理科便覧の指示にしたがって行う
・ 網膜の中心(黄点)とは異なる
盲点を確かめよう!
<方 法>
1 ◎×のある画面に対して、真直ぐに顔を向けます。
2 片手で右目を隠します
3 左目を×の正面にします
4 左目を画面いっぱいに近付けます
5 左目を×に固定したままゆっくり遠ざけていくと、◎が見えなくなります
・ この距離に盲点があることが確認できます
・ Mr. takaの場合は約20cmです(◎×の距離5cm)
・ 自分で紙に書いてもできます
・ 盲点の位置で、顔を傾けると見えようになります
6 さらに遠ざけていくと、また◎が見えるようになります
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6 実験『利き目を調べよう』
<方 法>
1 鉛筆を1本用意する
2 腕をしっかり伸ばし、両目で鉛筆を見る
3 鉛筆を動かし、遠くにある柱と鉛筆を重ねる
4 重なったところで、左目、右目を順につむる
5 鉛筆と柱が一致している方が『利き目』、ずれてしまう方は利き目ではない。
◎ A君の学習プリント
評価基準
1 自然事象への関心・意欲・態度
B 学習プリントを丁寧かつ正確にまとめることができる
2 科学的な思考
B 水晶体と凸レンズの共通点から、目の働きを考えることができる
3 実験・観察の技能・表現
B 虹彩が機敏に動くようすを観察することができる
B 自分の盲点を調べることができる
B 自分の利き目を調べることができる
4 自然事象についての知識・理解
B 人の目のしくみと働きについて理解できる
授業を終えて
鏡を持参させ、自分の目を観察させれば良かったと反省している。次回は、絶対にそうする。授業の導入で、「自分の目をスケッチしなさい。」と指示し、以下のポイントをスケッチできたか確認する。
<確認するポイント>
1 まつげ
2 白目と黒目
3 黒目の中の「虹彩」と「瞳」
そして上記各部の働きを発表させた後、内部構造に進む。
観察2 草食動物と肉食動物 |
観察4 耳 |