このページは中学校2年理科『生物』/takaの授業記録2003です

観察4 耳
              
                   2003 10 24(金)
                   各教室

 「耳が動かせる人?」と生徒に尋ね、みんなの前で動かしてもらうと驚きの声が上がった。10人に1人ぐらいの割り合いで動かせる人がいる。生徒が恥ずかしがって出てこない場合は、「動かせる人は凄い人」という雰囲気を作る。あるいは「もれなく5点差し上げます」。


 (上: いろいろな形の『耳かく』、あるいは、『耳介じかい』)

・ 軟骨でできている
・ 音を集める働きがある
・ ウサギやシマウマ等の草食動物は、筋肉でいろいろな方向に動かすことができる
・ いわゆる「耳の穴」を『外耳道がいじどう』という
・ 外耳道は鼓膜までである
・ ここまでを『外耳がいじ(耳かく+外耳道)』という
・ 鼓膜から内側には、『中耳ちゅうじ』と『内耳ないじ』がある

本時のねらい
 人の耳のつくりと働きについて調べる


授業の流れ

1 人の耳をスケッチ
(1) 教科書や理科便覧を参考にさせる
(2) 早くできた生徒には各部の名称を記入させる
(3) 制限時間は5分
(上:A君の学習プリント)

2 各部の説明

(1) 音が伝わる順序
  鼓膜→ 耳小骨→ うずまき管→ 聴神経→ 大脳
  鼓 膜: 外界の空気の振動を耳小骨に伝える
  耳小骨: 振動を大きくする(90倍)
  うずまき管: 内部にあるコルチ器官の毛が振動を感知し、電気信号に変える
  聴神経: 電気信号を大脳皮質へ伝える
  大 脳: 電気信号を分析し、音が何であるか判断する
  
(2) 平衡感覚(前庭と半規管)
 「先生は小学校の時、交通事故にあって車の屋根まで吹き飛んでから落ちてきて、頭を打ちしました。それが原因かハッキリしませんが、いつもふらふら歩いています。これは頭の中、正確には耳の内部にある器官が悪くなったのです。耳の働きは音を聴くことですが、その他にも、体の平衡、つまり、バランス感覚を調べる働きがあります。それを感じる器官が悪くなるといつでも傾いていたり、目眩がしたり、車酔いしやすくなります。さて、ここで、ちょっと質問してみます。皆さんは遊園地でジェットコースターに乗ったことがあると思いますが、ジェットコースターが大好きな人は手を挙げて下さい。はい、ありがとう。先生も大好きですが、これが得意な人は平衡感覚の器官がちょっと壊れているのかも知れません。車酔いしないので、平衡感覚が鈍いのかも知れません。さて、この器官の名前を紹介しましょう。参考書によって、いろいろな書き方がありますが、授業では「前庭」と「半器管」の2つとしてまとめます。半器管は、3つ管で1つの働きをしています。これらは、互いに直角に引っ付いていて、まるでフレミングの左手の法則のようになっていて、縦横奥行きを測定します。測定するから、定規の『規』という字を使うのですね。また、前庭の中には小さな石「耳石」があって、それが転がることで身体にかかる重力や力を感じます。」

(3) 外耳・中耳・内耳
 ・ 中耳から咽頭に通じる管を『エウスタキオ管』といい、外界と中耳の圧力を調節している
 ・ うずまき管の中には
 ・ 聴神経は大脳につながっている

  (上:「中耳の部分」と「エウスタキオ管」を水色で着色した)

3 実験『片足で何秒立っていられるか』

「では、ここでバランス感覚を調べる実験をしましょう。」


◎ C君の学習プリント


◎ D君の学習プリント


評価基準
1 自然事象への関心・意欲・態度
 A みんなの前で、自分の耳を動かすことができる
 B 耳のしくみや作りについて、丁寧かつ正確にまとめることができる

2 科学的な思考
 A 物理的な振動が、うずまき管で電気信号に変換され脳に伝達されることをイメージできる
 A 同様にして、平衡感覚に関する刺激が伝達されることをイメージできる

3 実験・観察の技能・表現
 A 目を閉じたまま片足で60秒以上立っていることができる
 B 耳のスケッチを丁寧かつ正確にすることができる

4 自然事象についての知識・理解
 B 耳のしくみや作りについて理解できる


授業を終えて
 1時間かけてゆっくり学習できて良かったと思う。バランス感覚を調べる実験は、もっと面白い方法が工夫できると思う。

← 前 時
観察3 目

次 時 →
観察5 皮膚

↑ TOP

[→home(C) 2003 Fukuchi Takahiro