このページは中学校2年理科『生物』/takaの授業記録2003です

観察7 脳
              
                   2003 11 5(水)
                   各教室

 詳しく学習すると切りがないけれど、表面的な学習では面白くない。教師は事前に下準備をしておき、授業の現場で飛び出した生徒の質問を手がかりに話を膨らせると良い。初めから難しい話をしてはいけないし、全部を説明する必要もない。また、分からない質問が出たら、分からないと正直に告白し、自由研究課題として調べさせ、廊下に掲示・発表させるのも一案だ。(意欲向上、評価の手間も省けて一石三鳥)

(上:次時の『神経』の内容もあわせてまとめたプリント)


授業の流れ
1 大脳について

・ 1000〜1400g(体重の1/50)
・ 20才から脳の重さは減少する
・ 消費するカロリーは、からだ全体の1/5
・ 脳のしわを広げると、新聞紙1枚分の面積になる(新聞紙で演示)
・ 右脳と左脳。運動と感覚は、交叉支配
・ 皮膚からの感覚(痛覚、圧覚、温覚、冷覚)→ 脊髄→ 大脳皮質の頭頂葉にある体性感覚野と体性感覚連合野

(上:A君の学習プリント)


2 大脳皮質の感覚野

感覚器官(刺激)
感覚細胞
目(光) 網膜にある細胞
耳(音) うずまき管にある細胞
皮膚(さわる) 4つの感覚細胞
鼻(におい) 鼻腔にある臭細胞
舌(味) ミライの中にある細胞


3 右脳と左脳

右 脳 左 脳
感覚、感性、空間認識
男性優位
最後は暴力に訴える?
言語理解、論理
数学
女性優位
女性は口論に強い?


4 中枢神経

・ 中枢神経は、脳(5つの部分)と脊髄に分類される。
・ 脳は頭蓋骨によって、脊髄は背骨によって守られている。

大 脳 記憶、感情、思考、意識した運動(随意運動)
・ 大脳皮質(外側、白、細胞体)と大脳髄質(内側、灰色、神経繊維)に分類
・ 大脳皮質は4つに分類(前頭葉、頭頂葉、後頭葉、側頭葉)
中 脳 目、脳の各部の連絡
小 脳 運動、平衡感覚
間 脳 体温、水分調整
・ 間脳の一部を『視床下部』という
延 髄 呼吸、血液循環、消化

せきずい
脊 髄
排尿、排便、発汗、無意識の反応(反射)
・ 膝蓋しつがい腱反射の実験
・ まばたき反射
・ 歩行反射
・ 条件反射は、大脳にくつられた新しい連絡経路(パブロフの犬)


5 質問コーナー

 この分野はたくさんの質問が出るので、黒板の一部に質問コーナーの枠を作っておくと大変ユニークな質問が飛び出すことになる。

生徒から出た質問の例
・ 何故、バカなのか?
・ 足が遅いのは何故か




 ◎ A君の学習プリント


評価基準
1 自然事象への関心・意欲・態度
 B 脳について、学習プリントに丁寧かつ正確にまとめることができる

2 科学的な思考
 B 中枢神経の各部が連絡を取りながら働いていることをイメージすることができる

3 実験・観察の技能・表現
4 自然事象についての知識・理解
 B 脳や中枢神経のはたらきやつくりを正しく説明することができる


授業を終えて
 1993年、インドで購入した頭蓋骨があるので、授業の初めに紹介しても面白かった。

(上:偽物の疑い100%の土産)

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