このページは中学校2年理科『化学』/takaの授業記録2003です

 実験8 酸化銀の分解(還元)
              
                   2004 2 27(金)
                   第1理科室

 このページは2000年度の実践『実験3 酸化銀の分解(還元)』をもとに作成しました。

  できた銀はお持ち帰りなの
  で目の色を変える生徒が出る

  酸化銀→ 銀+ 酸素

  (写真右:アルミホイルの舟
   を作り、酸化銀を熱する)
   黒い部分: 酸化銀
   灰色部分: 銀


 <授業内容>
 1 還元の意味をまとめる

  ・ 教科書にアンダーラインを引かせ、
  ・ 還元(分解)と酸化(化合)をセットにして説明すると良い
 

 2 酸化銀の還元をモデルを使ってまとめる

  <導入の例>
  「皆さんのテーブルに配ったものは錆びた銀、酸化銀です。まるで鉛筆の芯を削ったような真っ黒
  な粉ですが、加熱すると酸素がとってピカピカの銀になります。ところで、銀と酸化銀とどちらの
  値段が高いか分かりますか。」
  「ううん。意外なことに銀ではなくて、真っ黒な酸化銀の方が高いのです。宇宙にはいろいろな金
  属がありますが、銀・金・白金だけはほかっておいてもピカピカになります。もし、酸素と引っ付
  いて錆びてしまっても、加熱するだけで酸素と離れます。本物の金の指輪なら、加熱するとピカピ
  カになるので実験してみてください。ただし偽物だと真っ黒になってしまうので注意しましょう。
  貴金属といわれる高価な金属は、酸素と化合していないピカピカな状態な方が安定しているので、
  酸素と結びついて黒くなっているほうが値段が高いのです。」

  <化学反応式の説明>
  「では酸化銀の化学式を紹介します。銀はAg、酸素はOですが、酸化銀は2:1の割り合いで化
  合しているのAgOとなります。なぜ2:1なのかは丸暗記するしかありませんが、数時間後に理
  由を説明するので楽しみにして下さい。」
    Ag
    酸化銀
  「酸化銀を加熱すると、銀と酸素に分解しますが、それぞれの化学式を答えて下さい。」
    Ag+ O
    銀 + 酸素
  「そうですね。銀はAgでいいのですが、酸素はOではなくOでしたね。さて、これらの分子を
  モデルで表わし、反応の前後の原子の数を同じになるようにしましょう。」
    AgO→    Ag+ O
    酸化銀 →    銀 + 酸素
 
  (略・・・)
 

    AgO→ Ag+ O
    酸化銀  →  銀 + 酸素
 

 3 実験手順の確認

  1 1人当たり0.5グラムの酸化銀を受取る
  2 酸化銀を少量取り、学習プリントに添付する
  2 アルミホイルで小さな舟をつくる
  3 小さな舟に酸化銀を乗せる
  4 試験管の中に、舟に乗せた酸化銀を入れる
  
  5 ガスバーナーで酸化銀を加熱する
  6 酸化銀が白くなってきたら火をとめる
  7 火のついた線香を試験管の中に入れて「酸素」が発生したことを確かめる
   → 教師の目前で行い、線香が「ポン」と音を立て炎を上げて燃えたら合格印がもらえる
  8 試験管を十分に冷やす
  9 試験管内の酸化銀を取り出す
   → 舟が引っ付いているときは試験管を割って取り出す
 10 酸化銀を班員で山分けする
 11 酸化銀をろ紙に載せ、試験管の底で擦って金属光沢を確認する
取り出した『銀灰』をピカピカにするには、ある程度強い力が必要である。(写真右: 鉄製スタンドの自在ばさみで叩いている)

 12 豆電球と乾電池を使って通電性を確認する
 13 銀を学習プリントに添付する
  

 ◎ A君の学習プリント
 




 <評価基準>
 1 自然事象への関心・意欲・態度
  B 酸化銀と銀を添付できる

 2 科学的な思考
  B 酸化銀が還元するすときの質量変化を正しく推測できる
  B 酸化銀が還元する化学変化を原子モデルを使って正しく表現できる

 3 実験・観察の技能・表現
  B 酸化銀から銀を取り出せる
  C 火傷や怪我に注意して安全に実験できる

 4 自然事象についての知識・理解
  B 酸化銀の還元を化学反応式を使って説明できる
  B 還元と酸化の関係を正しく説明できる


  授業を終えて
  3年前の実践より盛り上がらなかったのは、中学2年1学期ならともかく、学習を深めてきた
  3学期の実験としては単純すぎるからだろう。

地金価格2004年1月20日
売買価格はプラチナ・金はキロバー建て、銀は30kg建て1g当りの価格
白金(プラチナ)
3175円/g 1525円/g 25円/g

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