このページは中学校2年理科『化学』/takaの授業記録2003です

 原子を組み合わせていろいろな物質を作ろう
              
                   2004 3 4(木)
                   各教室
  
  来週火曜日に卒業式を控え、生徒、教師とも授業に専念し難くいシーズンになった。実験
  中止で教室授業になったクラスも出てしまい、教室で落ち着いた授業を行うことにした。
  原子モデルでいろいろな物質を作らせたが、細かい内容は各クラスによって若干異なる。

 
  (上:A君の学習プリント)


 <授業の流れ>
 1 いろいろな分子モデル

  <説明の例>
  「今日は原子を組み合わせていろいろな物質を作りましょう。まず、水を作ります。化学式は
  何でしたか?」
  「そうですね。HOです。モデルを使って表わすと、水素原子2つと酸素原子1つ、合計3
  つになります。書く時に注意して欲しいのは、水素原子と酸素原子の色を決めておくことです。
  これからいろいろな物質を作りますが、色を揃えましょう。黒板では水素を青酸素を薄い青
  で書きます。それから、もう1つ。大きさにも注意します。宇宙で1番小さいのは水素原子な
  ので、とにかく小さく書けば良いのですが、それを基準にして宇宙で2番目に小さいヘリウム
  は2倍、リチウムは3倍、ベリリウム4倍の大きさで書くことにします。では、問題です。酸
  素は水素の何倍ですか?」

 「よく覚えていましたね。酸素は8番目です。ですから、水分子を書く時は酸素原子の大きさを8倍大きく書いて下さい。」

 「次に、水素原子と塩素原子を1個づつ組み合わせます。塩素の原子番号を覚えている人はいますか?」
 「そうです。17番ですから、水素より17倍大きく書いて下さい。そして、この物質の名前ですが、塩素と化合した水素ですから・・・塩化・・・水素です。これはとても有名な物質なのでニックネーム、『塩酸』というあだ名がついています。

 「今度は、原子番号16番にします。何か分かりますか?」
 「すごい! 硫黄です。これと水素原子を組み合わせる時は1:1ではなくて、1:2の割り合いになります。何故、このような割り合いになるのかは時間があったら授業の最後に紹介しますがが、まずは1:2でモデルと物質名を書きましょう。なお、硫黄の大きさは塩素より1番だけ小さく書きましょう。」

 「ところで、硫黄は臭いですが温泉に入っている成分なので安全です。しかし、硫化水素はとても危険です。登山をしている人が火山ガスで死亡する事件が時々ありますが、その原因が硫化水素です。臭いは似ていますが、実際は全く違うし、気分が悪くなるので嗅いではいけません。」


 「次に、塩素といろいろな原子を結びつけてみましょう。もっとも有名なものは、ナトリウムと化合したもので、塩素と化合したのナトリウム、塩化ナトリウムです。これにはニックネームがありました。覚えている人はいますか?」
 「そうですね。食塩です。」

 「ナトリウムの代わりにマグネシウムを化合させるとどうなるでしょう。名前は簡単ですね。塩素と化合したマグネシウムなので、塩化マグネシウム。しかし、ナトリウムと違う点は1:1ではなく、2:1で化合することです。マグネシウム1個に対して塩素が2個化合します。」

 「原子番号11番ナトリウム、12番マグネシウムと調べてきたので、次は13番です。何でしたか?」
 「そうですね。アルミニウムです。勘が良い人は分かったと思いますが、塩化アルミニウムは3:1で化合します。この割り合いをヒントにして化学反応式と分子モデルを書きなさい。」




 ◎ A君の学習プリント
 



 <評価基準>
 1 自然事象への関心・意欲・態度
  B いろいろな物質を丁寧かつ正確にまとめられる

 2 科学的な思考
  B 同じ原子でも、組み合わせによって様々な性質を持つことを推測し、名前やモデルを考えられる

 3 実験・観察の技能・表現
  B 色鉛筆を使って原子の種類を区別し、いろいろな物質のモデルを書くことができる

 4 自然事象についての知識・理解
  B 物質の化学式とモデルを一致させて理解できる


  授業を終えて
  ゆっくり授業を展開したので、高い理解度を示したと思う。

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