このページは中学校2年理科『化学』/takaの授業記録2003です |
実験10 水の電気分解
2004 3 10(水)
第1理科室
|
<授業の流れ>
1 水を分解する方法と化学反応式
<説明の例>
「水を分解するにはどうしたら良いでしょう?」
「えっ、加熱してもダメですよ。水蒸気になるだけで、冷やせば元の水に戻ります。分解した
ことにはなりません。水の状態が変化しただけです。先生の質問は、水を分解して違う物質に
してしまう方法です。」
「そうですね。よく予習してきました。水は電流を流して分解します。酸化銀は電流を流して
も変化ありませんが、水は分解します。ここまでを化学反応式に書きましょう。」
「よくできました。原子モデルを使って数を確認しておきます。」
2 実験手順とその様子
1) 電流を流しやすくするため水100mlに水酸化ナトリウム20粒を溶かす。
<手順説明の例>
「本当は何も入れなくてもいいのですが、水は電流を流さないので・・・」
「先生! 水は電気を流すよ。」
「いいえ、純粋な水は電流を流さないと考えます。洗濯機で感電事故が起こるのは、洗濯粉がたくさん
入っているからで、海水が電流を流すのも食塩が含まれているからです。家庭用100Vの電圧では流
れないと考えます。そこで、今回の実験ではある物質を溶かします。石鹸でも食塩でも何でも良いので
すが、変な物質を使うとそれが分解してしまうので気をつけないといけません。問題です。今回は何を
溶かしますか?教科書で調べなさい。」
「そうですね。水酸化ナトリウムです。たくさん溶かせば溶かすほど、電流がよく流れて速く分解しま
すが、水酸化ナトリウム水溶液は大変危険です。手につくと初めはぬるぬるしていますが、そのままに
しておくと赤くなり皮膚が溶けます。学生服についても、あとから気づくと穴が空いています。間違っ
てついてしまった場合は、ぬるぬるがなくなるまで大量の水で洗いましょう。すぐに洗えば問題ありま
せん。」
→ |
(写真右)2000年度の実践で使用したH管と実験装置 |
|
→ | → | ||
. |
|
|||
← |
「試験管を2本セットしたら、20Vの直流電流をかけます。電流は0からゆっくり上げます。なお、本体に水溶液を一杯入れると、発生した気体で試験管内の液体が押し出されるので、水酸化ナトリウム水溶液が溢れないよう計算して入れましょう。」 (写真左)プラス極には酸素、マイナス極には水素が発生する。それらが発生する割り合いは1:2である。 |
4) 酸素の確認
・ プラス極の気体を集め、線香を入れるとぽんっと音を立てて燃える
・ 酸素は空気より重いので試験管の底を下にした方がよいが、実際は(写真下のように)ほんの
少し傾けるだけで十分。試験管には水酸化ナトリウム水溶液がついているので慎重に取り扱った方
がいい。
↓
(2回めは、さらに挿入しなけば爆発しない)
↓
(酸素がないからである)
◎ A君の学習プリント
◎ 板書の例
授業を終えて
H管を使った方が正確かつ安全な実験ができるが、本時のような簡易実験装置でもなんとかなった。
教室で机上実験を行ったクラスもある。
→ 2000年度の実践、『実験10水の電気分解』も参考にして下さい。
← 前 時
原子を組み合わせて次 時 →
実験11 塩化銅の電気分解